Andyの日記

不定期更新が自慢の日記でございます。

Looper

2013-02-12 13:18:25 | 音楽・楽器

最近、縁あって EFFCTORNICS ENGINEERING さん製作のルーパーを手に入れました。
これすごく便利なんですけど、特にすばらしいのがバッファが内蔵されていること。
この手のルーパーとかってたくさんペダルをつなぐことが多いから、どうしても
音痩せがついてまわるものなんだけど、バッファが最初から内蔵されているので
音痩せの悩みから解放される。

バッファを通すと音が痩せなくなるとはよく言われるけど、実際にどんな音かって
いうと、なんというか、音がいい具合にまとまる感じ。これまでもそれなりに音痩せ
には気を使っていたので、できるだけ質のいいシールドケーブルやトゥルーバイパスの
ペダルを使うようにはしていたんだけど、これを使ってからというもの、やっぱり
バッファって馬鹿にできない、と改めて確信した。音がまとまるというのは、具体的に
表現すると、暴れないということ。今までいい音だと思っていた音って、実際には
暴れた音だったんだ、ということがこれを使ってよくわかった。

バッファって平たく言うとギターから出てくる電流を強くすることで、本来ギターが
持っているはずの音を、そのまま出させるもの(強くするといっても倍増させるとか
ではなく、原音を忠実にアウトプットするために1倍にするだけなんですが)。
中には電流をより多く増幅できるようにゲイン調整ができるバッファもあるみたい
だけど、本来はギターから出てくる音をそのまま出すだけでいいはずなので、増幅率は
等倍があるべき仕様(だと思う)。

このようにしてギターから出てくる音をそのまま出すと、高音も低音も品がよくなった
ように聞こえる。バッファなしの状態だと、シールドやペダルを通るうちにあちこちで
ギターからの信号が劣化してしまう。ギターから出てくる電流ってとっても弱いので、
ジャックやプラグをいくつか通るだけで、簡単に劣化しちゃいます。変なたとえだけど、
バッファを通さないでギターの音を出すのは、内側が傷だらけ&デコボコのところてん
押し出し器で、ところてんを押し出すようなもの、と考えるとわかりやすいかも。
文字通り、荒削りな状態になるわけですね。

結果としてアンプからはバリバリ、ジャキジャキした音が出てくる。こういう音って
確かに輪郭がはっきりしていて勢いがあるように聞こえるから、これはこれで好きな
人は多いと思う。荒々しいクランチとかを決めるなら、むしろこっちのほうがいい、
という人もたくさんいるのではないかな。逆にバッファを通すと信号の劣化が避け
られるのでギターからの信号がそのまま丸ごと出てくる。これが、聞いている人の
耳には品のいい、よくまとまった音に感じられる、ということですな。つるん、と
している、というか。きれいにむかれたツルツルのゆで卵みたいな音、というと理解
しやすいだろうか。

バッファを通して弾くと具体的にはどういう音になるかというと、たとえばコンプを
使ってクリーンでカッティングをしてみると、音がプリリン♪という感じに聞こえる。
みずみずしい、っていうんですかね。音の輪郭がとげとげしくないので、耳に痛くない。
クランチでブースターをかけると、もっこり、という感じで音が盛り上がる。音の
輪郭はちゃんとしていて、しかも中音域がよりしっかり盛り上がる感じになる。
バッファを使わない状態でブーストさせると、音が広がる、というか暴れ散る感じに
なるのがわかる。たぶんほとんどの人には、こっちのほうが違いがわかりやすいと
思う。バッファを通さないときのブーストサウンドが「ガバ~~~」っていう音だと
すると、バッファを通したときのブーストサウンドは「ボゴ~~~」っていう音。
変なたとえだけど、デコボコに調整されていたパラメトリックイコライザーの目盛りが、
フラットに戻されるというか、ギターってほんとはこういう音なんだな、と気づかせてくれる。

あと、たとえば DS-1 のようなディストーション系エフェクターを使ったときにも、
バッファを使ったときの音の差がよくわかる。DS-1 の音って、「ベリリン」とか
「ジャリリン」とか、人によって表現に違いはあると思うけど、平べったくて高音が
ジャリジャリした音をしているという点では、同じような印象を持っている人が多いと
思う。これがバッファを通すと、「これほんとに DS-1?」って言いたくなるような
芳醇な音になるから驚く。「ジュワーン」というか、そんな感じの、みずみずしくて
美しい音になってくれる。中音にも DS-1 らしからぬ膨らみが出て、さらにこれを
TS でブーストさせると、気持ちのいい倍音を伴った太くて抜けのいい音が出てきて
くれる。

そうそう、このルーパーはチューナーアウトもついているんだけど、これはチューナーの
スイッチをオンにするとアンプ側がショートするので、アンプに負担がかからない。
さらに現場至上主義的なスイッチの組み合わせになっていることもあって、これすごく
便利です。クリーンのカッティングやアルペジオからディストーションサウンドまで
やらなきゃいけないようなバンドでは、これ1台あると無茶苦茶便利だと思う。