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新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

自己研鑽か労働か:無理に分けなくても・・・

2018-11-21 22:57:02 | 医療

こんばんは

 

気がついたら11月も終わりに近づいてきました。

昨日、看護学校の授業をしに行きましたが、終わったときに学生さんから「質問するときにどこに行けば良いのか?もしくはメールアドレスなどは教えてくれないのか?」と言われたので、看護学校の事務の方に質問があればメールでしてくれと伝えました。

 

その際に(多分)立場が上の方が出てこられて、

「学生から病態生理までわかりやすく授業してくれると評判です」

と言われました。

素直に喜んでおります。

・・・まぁ、2〜3割は寝ていますけどね。

 

さて、今日は勤務医の時間外行為の話題がメディ・ウォッチに出ていましたので、紹介します。


勤務医の時間外行為、「研鑽か、労働か」切り分け、外形的に判断できるようにしてはどうか―医師働き方改革検討会

https://www.medwatch.jp/?p=23536


医師が時間外に行う症例検討や術式の検討などについて、「労働」なのか、「研鑽」なのかを明確にする必要がある。また「研鑽」については外形的にも「研鑽中である」と判断できるように、例えば上司が「研鑽を行う」旨を確認した上で「通常と異なる場で研鑽を行う」「白衣の着用を避ける」などし、「労働時間」との混同を避けるような取り組みを考えてはどうか―。

 11月19日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)で、こういった議論が行われました。

(中略)

(1)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿(▼国民の医療のかかり方▼タスク・シフティング等の効率化▼医療従事者の勤務環境改善—など)
(2)働き方改革の検討において考慮すべき、医師の特殊性を含む医療の特性(応召義務など)
(3)医師の働き方に関する制度上の論点(▼勤務医にかかる時間外労働上限時間の特例設定▼宿日直や自己研鑽の取扱い―など)

 11月19日の検討会では、(2)のうち「医師・医療の特殊性」、(3)のうち「研鑽」(自己研鑽)を議題としました。

(中略)

なお、時間外労働上限の設定に関連して今村聡構成員(日本医師会副会長)は、診療萎縮にならないよう「時間外労働が上限をわずかにオーバーしただけで労働基準監督署が送検手続きを行うような運用はやめてほしい」と強く要請。厚生労働省労働基準局監督課の石垣健彦課長は「労働基準監督署は、まず使用者に過剰労働がある実態を認識してもらい、是正してもらうために行政指導を行っている。検討会でも提示された医療現場の事情を踏まえて対応するよう、現場を指導していく」との考えを示しています。

(中略)

やや複雑ですが、「ある勤務医が、自由意志で(上司の指示によらず)、業務と関連の薄い行為を、一定の手続きを経て行う」場合には「研鑽」に該当し、「業務と関連する行為を行う」あるいは「上司の指示によって行為を行う」場合には「労働」に該当する、と整理できそうです。

例えば、診療などの本来業務はもちろん、その準備や後処理なども業務に関連が深いため、「上司の指示」の有無にかかわらず、原則として「労働」と扱われます。また、学会の準備など業務との関連が比較的薄い行為については、上司の指示(明示だけでなく、黙示も含む)があると認められる場合には「労働」と扱われます。

厚労省は、これらの考え方に沿うと、例えば▼「時間外に、自らが術者等である手術・処置等の予習・復習」などを行う場合には、「業務との関連が深い」ことから原則として「労働」に該当するが、「担当患者でない症例について、術式の研究などを自由意志で、上司の指示なく行う」場合には、「研鑽」に該当する可能性が高くなる▼「時間外の院内勉強会等への参加」は、仮に院内で「奨励」されていても、参加不参加が自由意志に委ねられている場合には、「研鑽」に該当するが、不参加者には不利益が課されるなど、参加が余儀なくされているような場合には「労働」に該当する―などの一般的例示ができるのではないかと説明しています。

(以下略)


 日医の副会長さんは使役する側の人ですから、こういう表現になるだろうなとは思います。

 

なかなか難しいところですよね。自分の担当患者以外の勉強は自己研鑽である・・・という話になると、将来そういう患者さんがきた時に対応できるようにする勉強なのに・・・という話になってしまいます。

 

はっきり言いますが、別に労働時間としてとって欲しいとは思いません。自己研鑽で良いのです。患者さんのために備えるためにやっていますので。ただ、そういう学びは労働ではない・・・と分けてしまう・・・と自己研鑽の意欲を奪うような気もします。評価をして欲しいとか労働として認めろとかは思っていませんが、「勝手にやってるんだろ」とはっきり言われるとやる気を奪うような気がします。少なくとも僕はそう思います。

 

勉強しているのを認めて欲しい・・・と思って子供が勉強していなくても、「頑張っているんだな」と思われるのと「勝手にやっているだけ」と言われるのでは天と地ほど受けるイメージが違いますので。僕はそんな気がするのですよね。

 

そのうちこんなことを言われたり・・・・。

ここでやっているのは自己研鑽だったから、何かあっても保証の対象にはならないよ。

遅くまでやっていたけど、自己研鑽だろ。勝手にやって、不注意が起きて事故を起こしただけ・・・。

 

怖っ

 

自己研鑽とか労働とか分けるのは本当に難しいです。

 

そうやって勝手にやる医師がいるから、今の日本はこの人数で持っていると言っても良いです。少ない人数で、患者さんのためになんとか頑張ろうと身を削ってやっているから、回っている日本の医療。

 

この労働システムでやるのであれば、もう少し他のシステムを考えないといけないだろうと思います。若手なのでこれ以上色々書くのは控えますが(笑 

 

一言書くのであれば、無理に分けなくても全てひっくるめて上限を作れば良いのではないかと思うのですけどね。その上限出回らなくなるのであれば、いくつか病院を潰して医療従事者を集約化するくらいで良い気がしますけどね。それに合わせて送迎などの問題を解消する対策をねれば・・・。

(書いてるじゃん・・・一人突っ込み)

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

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生きてる限り勉強! (女王様)
2018-11-22 23:48:33
医師に限らずどんな仕事も 無職の主婦も 常に永遠に自分を高める努力が必要です。
研鑽、という難しい言葉じゃなくても 新たに知るとか学ぶとか、今の腕を向上させるとかですね。
それを無くしたら人は終わり。
これだけは報酬の有無に関係ないし、若い医師が「カネにならないならやめよーっと」なんてことになったら、それこそ日本の医療は崩壊です。

誰だって報酬は欲しい。 医療は福祉だけどボランティアではありません。 が ナースや介護員を含めて「奉仕」を要求して 見返りを求めず尽くすことを良しとする方向が間違ってますよね。

とはいっても、人件費をひねり出すのは容易ではない。
これも どんな業界も同じでしょう。 働き方改革だの賃金引き上げだの 国は勝手なことを言いますけど、経営者にはどれほど大変か。
「カネは天下の回りもの」というけれど 政治家サン達の所で滞留して 回ってこないんじゃないかなー。
あ ゴーンさんみたいなのもいるか(笑)。

やっと無給医の調査をし始めたようですし、世の中が思う以上に過酷で封建的でブラックな業界であることを きちんと解明して是正していっていただきたいです。 医療に頼らないと生きていけない身だからこそ 病院と医師と技術の向上をお願いしたいです。

市内に100床程度の診療科も少ない病院ができました。
透析クリニックを探しててヒットしたのですが、よく見たらほとんど医師は非常勤。 しかも私の呼吸器主治医が(汗)。
見れば 通ってる病院の医師だらけで もじどおり寄せ集めで驚きました。
‥でも 医師はバイト料が入るし 病院も正規雇用よりは安上がりとなると ウィンウィンなのかもしれませんね。

パーキンソンに希望が と 骨髄損傷の薬 を新聞で読みました。
報酬として報われなくても こんな奇跡のような医療のために努力や研鑽を惜しまない医師がたくさんいることに 感謝と希望を抱いています。
いつか 1時間で済む透析ができないかな? 透析に代わる画期的な医療とか。
それはそれで 長生きが財政の重荷になってしまうけど…。

キラキラネームの美人後期研修医さんに 退院時に出された薬が終わる旨を伝えました。
何の説明もなく 種類が変わってたり量が変わってたりで 院外薬局で困惑しました。 間違えなのか意図的に変更なのか 伝えてくれないとダメですよねえ。
大丈夫かな キラキラ女医。

もう11月も1週間ほどしかありませんね。
食事制限でお正月のご馳走を準備する必要もないし、元旦も透析だしつまらない年末年始になりそうです。
今日は 11月22日。「いい夫婦の日」ですよ。
奥様に日頃の感謝を伝えましょう。 感謝の言葉と、風呂掃除かトイレ掃除をサービスしてくれたら 妻はそれで充分なんですよ。

前の記事で お嬢様のかわいい肩叩きにほっこりしました。 足の裏なら踏んでもらうと気持ちいいんじゃないかな。
背中は そうですね、容赦なく飛び乗られて腰がバキッといきそうなので またいつか(笑)。
少ないお休み、いっぱいスキンシップしてあげてくださいね。
それはきっと アンフェタ先生の心のリフレッシュにもなりますよ。
返信する
勉強は一生ですね (アンフェタミン)
2018-11-23 07:08:18
>女王様さん
おはようございます。コメントありがとうございます。

生きている限り勉強。全くその通りだと思います。

確かに報酬を要求するつもりはないのですが、医師がもう少し家族と過ごす時間や自分の時間を取れるようにできたらとは思います。

だから、勤務時間(労働とか分けなくても)の上限のようなものは設けても良いかもしれないとは思っております。

経営者の多くは大変なんだろうと思いますが、設けているところや上が思った以上に回収しているところもあるのだろうと思います。ゴーンさんのところとかw

薬の変更に関しては患者さんに伝えないといけませんが、外来が忙しいと「処方の変更」をしたことや追加をしたことを忘れてしまうことはあります。昨日も高血圧の薬を追加した患者さんの処方を出し忘れて患者さんから確認されたり(汗

そもそも大学病院の専門外来で降圧剤を出さない方が良いのですが・・・。

家族との交流は少ない時間の中で頑張りたいと思います(頑張るものではないかもしれませんが)。

また、コメントいただければと存じます
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