新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

看護師さんの不足は重大

2010-01-30 21:05:55 | Blogを書く理由

さて、先日…同じ病棟で働く看護師さんや医師、研修医などで飲みに行きました。

 

その時にも少し話をしていたのですが、看護師さんの不足が重大な問題になっております。医師も不足していますが・・・。

 

医療の中で「看護」の重要性は大きいと思います。

 

僕のところには結構病棟の看護師さんからの直通連絡もありますが、看護師さんが「患者さんのリスクの大きさ」を理解して早めに連絡をくれるからこそ対応できるところがあります。

 

僕も看護師さんを信頼して初めて「現状」くらい休むことができます。しかし、看護師さんの勤務は本当に大変です。実際の労働時間は1.5倍くらいの勤務時間でしょうし、給料も安いし(と、最近は夜勤手当が入ってきたようですが)、病棟会や勉強会(やるほうですけど)などにも参加しますから…

 

「勤務環境」が悪いから、皆辞めてしまうのでしょうけど。やりがいはある職業です。ただ、やりがい以上に「勤務環境は悪い」と思います。

 

【中医協】「夜勤72時間ルール」で四病協のアンケート結果を報告―西澤委員

1月30日0時34分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100130-00000004-cbn-soci  

中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は1月29日の総会で、四病院団体協議会(四病協)が行った看護基準の月平均夜勤72時間規制(いわゆる「夜勤72時間ルール」)に関するアンケート結果について、診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)から報告を受けた。回答した病院の約7割が「夜勤72時間ルール」の影響で勤務調整が困難となり、夜勤状況も厳しくなったとしている。  

 

アンケートは1月19-21日、四病協に加盟する日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の会員病院から無作為抽出した496病院を対象に実施。このうち411病院の看護部長(師長)、または看護職員配置の責任者から有効回答を得た。回答した病院は医療法人が約8割を占め、病床規模別では「100-199床」(35.8%)、「200-499床」(34.5%)、「50-99床」(16.1%)などの順だった。  

 

各病院の看護師の充足度を聞いたところ、「大いに不足」が13.9%、「不足」57.9%で、全体の約7割が人員不足に陥っている現状が浮き彫りとなった。また、看護師の求人に対する反応については、「極めて悪い」(22.1%)と「悪い」(60.8%)を合わせると8割以上に上り、「良好」と回答したのは16.5%にとどまった。 

一方、「夜勤72時間ルール」に伴う勤務調整では、「困難」(62.8%)が最多。規制後の夜勤状況の変化では、「とても厳しくなった」と「厳しくなった」を合わせて7割を超えた。さらに、ルール導入で医療安全が向上したかどうか尋ねたところ、「効果はない」(62.5%)が過半数を占めた。 

今後の看護基準に関する意見では(複数回答)、「柔軟な勤務体系にできることが望ましい」(73.5%)、「現行より緩やかな規制が望ましい」(62.8%)、「現行の基準が適当」(11.7%)、「月平均夜勤時間はもっと短縮すべき」(6.8%)などの順だった。  

 

この日の総会では、アンケート結果に対する意見交換を行わなかったが、西澤委員は「この結果を踏まえ、一般病棟入院基本料の月平均夜勤のところで主張していく」と述べた。

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実際のところ、病院の収入が上昇してそれを人件費に充てて、勤務環境を改善しないと看護師さんも増えませんよね

 

看護師さんが増えない=勤務環境は改善されない=残っている看護師さんが辞めていく

 

実際のところ、ある種の若返りも起きているような。

中堅どころがいなくなって(辞めていってしまい)、入ってきたばかりの看護師さん(1~3年目くらい)が増えているような。

 

実際に勤務して「やりがい」は見つけたとしても、「やり続けること」の困難な状況にはなっていると思います。

 

看護師さんは「やりがい」も感じてくれていると思います。その「やりがい」が見えなくなるほど勤務環境が悪いだけだと思います。

看護師さんが充足すると「医師」の勤務環境も改善します。少なくとも僕はそう思っています。

 

例えば…看護師さんが夜勤帯にもう少し人数がいたりすると、夜勤帯にアラームが鳴っても誰かが必ず気がつくでしょう。しかし、状況によっては二人の看護師が両方「ナースコール」に対応しているなど…という可能性もあるわけです。

 

3名になっても、4名になっても変わらないだろう…と考えられる方もいると思います。確かに3名になっても「状況」によっては「空白」ができます。しかし、空白ができる可能性は低くなります

 

 

我が病棟の看護師数は総勢で13名だと思うのですが、13名で40名近い患者さんの看護にあたります。しかも7対1看護にするために日勤は5名います。それを日勤、準夜、深夜勤務(日勤のうちの二名)に分かれればほとんど休みはなくなります。

 

実際に看護師さんたちは

私たちほとんど休みありません。先生たちは一日も休みがないので、私たちが文句言うのはどうかとは思いますが、この勤務体制では看護師も集まらないと思います

と、飲み会の最中に言っていました。

 

僕もちなみに同意見です。

 

看護師さんが少ないと7対1看護にすると「患者数」は診れません。患者さんが少なくなれば病院の収入は低下します。病院収入が悪化すれば勤務環境はさらに悪化します。そうするとまた人はいなくなります

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

悪循環ですね。

 

その悪循環。いつ断たれるのかと思っていますが…まだまだでしょうね。

 

 

少し体を休めて、明日に備えます。

それでは、また。

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