新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療提供体制を維持しながら勤務間インターバルを確保するには:集約化でしょうね

2018-11-12 22:10:57 | Blogを書く理由

こんばんは

 

風邪のため、結構しんどい1日でした〜。熱を計って熱があったら病院に出てこられなくなるから、熱は計らないで・・・という本末転倒なことを考えていたりします(笑

 

よほど体調が悪くないとカバーが大変になったりしますし。そんなことを普通に考えるわけです(なんの仕事でも同じかもしれませんが)。

なぜこんな話かというとメディウォッチにこんな記事がありました。

 

医師の健康確保、「労働時間」よりも「6時間以上の睡眠時間」が重要―医師働き方改革検討会

https://www.medwatch.jp/?p=23391

 医師の健康を確保するためには、「労働時間の短縮」よりも「睡眠時間の確保」が重要である。このため、「連続勤務時間制限」と「インターバル規制」をセットで実施することが重要である―。

 11月9日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)で、順天堂大学医学部公衆衛生学講座の谷川武教授からこういった報告が行われました。医師の働き方改革に向けて、極めて重要な報告と言えます。

(中略)

「高ストレス・抑うつ」の割合は、就労時間が「60時間以上」と「60時間未満」との間で、また「80時間以上」と「80時間未満」との間で有意な差は見られませんが、睡眠時間については「6時間以上」に比べて「6時間未満」では有意に増加するのです。この結果からは、「医師のストレスや抑うつには、労働時間の長短は関係ない」「睡眠時間が6時間未満になると、ストレスが高く、抑うつ状態になりやすい」ことが分かります。

また、夜勤等で「短時間の仮眠→救急対応などの業務→短時間の仮眠」等を繰り返すケースでは、合計の睡眠時間こそ確保していても、睡眠時無呼吸症候群と同じように「質の良い睡眠」は確保されません。

さらに、慢性的な睡眠不足となると、「主観的な眠気は感じないものの、客観的な覚醒度は低下する」という研究結果も報告されました。

(中略)

谷川教授は、医師の健康を確保するために、▼「連続勤務時間の上限」と「勤務間インターバルの確保」(例えば米国では8時間のインターバルが必須で、10時間以上が望ましいとされている)をセットで実施する▼振替休暇などの仕組みを導入する▼医師が面談などを行い、客観的に「睡眠不足である」旨などを示すとともに、必要があれば就業制限などを提案する

(中略)

ただちに「全勤務医に勤務間インターバルを●時間確保しなければならない」となった場合、現在の医療提供体制を維持するには「医師の増員」が不可欠です。しかし、慢性的な医師不足地域で、新たな医師を確保することは極めて困難です。そのためには、例えば「病院の統合・再編」によって医師1人当たり負担を軽減することなども重要な選択肢になってくる

(以下略)


まぁ、至極当たり前な議論が行われておりますが、普通に考えることができる人はこういう結論になりますね。


逆に一定レベルの医師が集まれば、どうにか医師の負担を軽減したり、カバーし合う体制は作ることができると思います。

 

それをしなければ先々はきつくなっていくのではないかと思います。


僕も大概眠らなくても大丈夫と言われる人間ですが、僕と同じことを全員ができるとは思っていません。

偉くなった方はそれなりに「偉くなる要素」があり、頑張ることができる医師が多いと思います。そうすると自分と同じ目線で話をするので、同じことができない医師が大勢いることを失念していたりするわけです。

 

最低限の睡眠を確保し、ある程度は医師同士がカバーしあえる体制を作ることが重要ですよね。そのためには現時点では病院の集約化や時間的距離の短縮などは重要だと思っています。

男女別合格率:働き方改革のためには医師の集約化がないときついかな

医師の労働時間上限特別条項の話

医師働き方改革検討会:少しずつ話し合われるようになってきたようです

医師の集中と通院(搬送)時間の短縮が必要:医師の長時間労働問題

医師の長時間労働とストレスの話:医師が自分を「スイッチオフ」できるシステム作りを

若手医師の勤務時間報告より:システムの改善は必要だが、患者さんが求めているものから入るべき

若手医師を集めるなら:

OECD dataより:病床の集約化と回転効率の上昇、そして時間的距離の短縮が必要

患者のことが頭から抜けている:全くの同感です

 

そんなことを考えながらこの記事を読みました。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

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2 コメント

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ストレスで済めば‥ (女王様)
2018-11-13 18:23:41
ヘタすると慢性寝不足は 命にかかわりますからねえ。

熱 下がりましたか?
保育園に預けている友人が 「37℃になると預かってくれない」ので急いで腋を冷えピタやアイスノンでキンキンに冷やして検温し直すんだよ~ と嘆いていたのを思いだしました。
保育園児と同じですね。
預けられないと働きに行けないから どのママさんもあの手この手で必死です。

我が子が熱のときくらい 仕事休んで付いていてやるべき。 と 口で言うのは簡単だし そばにいてやりたいはずです。
それがままならないのが 今の日本の労働環境。 同僚に迷惑や負担をかけてはいけないという暗黙の掟があります。
日本人が勤勉だからなのか 御互い様という融通が利かないのか。

野球選手なんか外国人は 「妻が出産だから」と シーズン真っ最中でも平然と帰国しちゃいますよね。
無責任に感じるけど 向こうの人にはそれが普通だったり。
日本人のサラリーマンがやったら 袋叩きですよね。

医師も教師も なんでもない店員でも 休む必要があるときはうまく連携して休める社会であるべきです。
この上、定年を70になんて
働き蜂は国に殺されてしまう。

入院の間 本当にナースは休みなくよく働くなー と感心しました。
どれだけスタッフを増やしても 患者も増えていくのだからいたちごっこです。
高齢化もあるし 治療手段もいろいろ出てきたから、いいといえばいいんでしょうけど 正直キリがないと思ってしまう。

病院に年末年始の休診が貼り出されてました。
ああ もうそんな時期かー‥。 6連休かな確か。
が 透析センターは年中無休ですから ちゃんと来てくださいね! と念を押されました。
元旦から透析通院。 嗚呼。

既に心が折れかかっております。
病気がないことが 医師も患者もラクなんですね結局。
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Unknown (アンフェタミン)
2018-11-14 06:57:40
>女王様さん
おはようございます。コメントありがとうございます。

熱は測っていないのでわかりませんが、多分だるさが取れたので良くなっているのだろうと思います。

我が子の体調が悪い時は休むべき・・・という話にはなかなかならないのが日本ですよね。せっかく有休とかがあっても、使うことなく終わるとか。

僕も前の職場で有給を使い切ることなく終わりました(笑

結局、人を集めて協力できる体制を作っていくしかないのですよね。言い方が悪いですが、集約化しか今の時点ではないだろうなと。

病気がないのが医師も患者も楽というのは待った、う同感です。

また、コメントいただければと存じます
返信する

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