新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

恩義

2008-02-21 21:14:34 | 医療
最後に少しだけ

先ほど母校の大学の先生から「大丈夫か~?」と連絡をいただきました。
職場に対する恩義はもうすでになく、義理ももうすでに果たしたと思っているのですが・・・大学の先生方にだけは恩義を返していない・・・とも思います。

悩ましいところです。

大学において「技」を積極的に伝授してくださる人たちもいるのですが、我が母校の血液の先生方は「丁寧に教える」よりは「ヒントはやる・自分で考えろ」という感じのスタンスのように感じます。

それは教えすぎる教育よりはよっぽどすばらしく、人を育てる上で大事なことだと思います(もっとも、このやり方は人のタイプにもよると思いますが)。

ふぅ~む。さて、大学にだけは恩義がある。さて、どうしたものか・・・と悩む今日この頃でした

では、また。
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5分ルール

2008-02-21 21:08:32 | 医療
こんばんは。

今日は早朝から吹雪の中を5時間ほど頑張っていたので、風邪を引いたようです。
いや、本当にしんどいところもあるのですけど・・・。

それが終わって、実験に行き・・初めてRT-PCRというのをやりました。実はRTはやったことがなかったので、成功しているのか気になるところです。

さて、今日の記事ですがCB(キャリアブレイン)の記事に、最近問題にあがっていた「5分間診療」の話が合ったので紹介します。
5分間診療といっても、今の医療の状況のことを言っているわけではないのですよ。ご存知の方は皆さんご存知だと思いますが、医者の数が少なすぎて「5分間診療」にしなくては患者さんを見切れないのが「今の日本の医療の状況」です。

それを念頭にこの記事をご覧ください

CBです

”5分ルール”で「医療崩壊」加速!?


 今年4月の診療報酬改定で、医師が再診の際にリハビリや処置等をしない医療(医学管理)を行った時に算定している「外来管理加算」の要件について、新たに〝5分ルール〟が導入されたことで、医療現場に波紋が広がっている。「診察・説明には5分の時間を要する」と、厚生労働省は5分という目安を設けて外来管理加算の算定要件にした。しかし、このルールに基づくと、現在より診察時間が延びて、特に200床以下の病院等では少数の医師では多くの患者に対応できなくなる上、算定が減ると医療機関では収益が下がると見込まれる。「5分ルール導入で、地域の医療崩壊は加速する」と、導入前に早くも現場から批判が挙がっている。

開業医や勤務医 労働強化
 外来管理加算をめぐっては現在、「入院中の患者以外の患者(外来患者)に対して、厚生労働大臣が定める検査ならびにリハビリテーション、処置、手術等を行わず、計画的な医学管理を行った場合は、外来管理加算を算定できる」などと定められている。この外来管理加算について、厚労相の諮問機関で診療報酬等を審議する中央社会保険医療協議会(中医協)は今年4月の改定で「診察結果を踏まえ、病状や療養上の注意点を説明し、その要点を診療録に記載するなどの診察・説明には5分の時間を要する」などと、5分ルールを設定することにした。

 新たなルールに対して、東京都内の開業医らは「時間要件を満たして診療時間内に診察を終えようとすれば、一日に診察する患者を削減せざるを得なくなる」と指摘。そうなった場合、病院を受診する患者が増えて病院勤務医の労働強化につながる▽患者を減らした開業医は収入が低下し、経営悪化によって倒産しかねない▽時間要件を満たして、すべての患者を診察しようとすれば診察時間を大幅に延ばさざるを得なくなり、(病院勤務医に加えて)開業医が疲弊し、その診療所に勤務する看護師の労働強化になる-などと危惧している。

2千万超えの減収予想も
このような問題点は、診療所(開業医)に加えて200床以下の公立病院に与える影響が大きいとして、青森県保険医協会が緊急アンケートを実施。県内の200床以下の公的病院18病院のうち11病院が回答した。
 5分ルールについては、11病院のすべてが「反対」と回答。5病院が時間要件の導入後も外来管理加算を算定できる割合は10%未満に過ぎないと答えた。医療崩壊に関しては、「加速する」が7病院に上り、「加速しない」はゼロだった(残りの4病院は「分からない」と回答)。
 また、8病院が1千万円を超える減収を予想し、年間2千万円を超えると答えた病院もあった。
 さらに、現時点では外来管理加算の算定可能割合を10%以上と見込んでいるものの、その割合が10%程度に止まった場合には、減収予測が年間約4千万円になる病院もある。

 このほか、算定人数の上限(1日当たり・1週間当たり)が設けられることになり、毎日の算定患者の氏名・算定開始・終了時刻を記入した記録簿(日報)なども必要になると考えられ、事務的作業量が増えて医師の負担が増加すると予想。同協会は「5分ルールの導入で減収・負担増となり、地域の医療崩壊は加速する。診療報酬改定は、地域医療の現場の声を聞きながら進めるべき」と訴えている。

 東京都内の開業医らも「診療の場においては内科や小児科でも、例えば、インフルエンザや感染性胃腸炎の流行シーズンでは一律に5分の指導をしなくてもパンフレット等を渡し、迅速キットで正確な診断をすることなどで、5分以内でも十分な外来管理となる実例が多い。その方が他の患者への感染を防ぐ観点からも望ましい」と指摘。皮膚科や整形外科の場合にも触れ「多くの患者が受診するため、表面上は1人5分未満となっても、医師以外のスタッフによるケアを受けるため、実質、1人5分以上となる科もある。時間で評価をするのは不合理」と強調している。

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実際、5分間診療では短いだろう・・・と思われる方は多いと思います。
実際のところ風邪の患者であっても、話をきちんと聞いて薬の説明をきちんとして・・ということであれば5分はかかると思います。

しかし、ここで問題点は

日本の医者の数は諸外国と比較して圧倒的に少なく、一人当たりの医者が行っている仕事量が圧倒的に多いに多い

②上記のため、一日が24時間という制約があるため(日本政府が時間さえもコントロールできるのなら勝手にやれといいたいところですが・・・まぁ、無理ですから)患者さんの数が多くて医者の数が少なかったら・・・当たり前ですが一人当たりの診療時間は減ります

③患者さんの中には日本という「国民皆保険制度」が発達した国にいるため「薬をもらう」ことが目的で病院に来る人がいる。この人たちに関しては「薬」がもらえればそれでよく、診察時間が延びるのを望んでいない(診療時間が延びることを望んでいない人がいる。その人の注文に合わせると診療報酬がもらえなくなるという)
④多くの病院、診療所が予想しているように「減収」から医療崩壊が加速し、国民に対する医療保障が低下する。これはひいては安心した暮らしができないことにもつながる

⑤病院に通いにくい・・・という状況から、病気が重くなる前に手をうつことができなくなり、国民の健康レベルが低下する。そうすると最終的に日本の経済レベルも減っていく

などなど、様々な問題が生じると思われるのである。


この5分ルール。当然と思われる方が一般の中には大勢いらっしゃると思います。しかし、日本のいる医者が患者さん全員を見るためにはそうせざるを得ない・・・というところです。

もし「そんなのはどうでもよい。私さえ診てくれればよい」という方がいるようであれば、それはきっと「自由診療」をしている医者にかかり高額な診療を受けるべきでしょう。


日本にいる医者が「患者さん全員」を視野に入れた場合(入院患者も含めると)、こうなってしまわざるを得ないこともあると思います。それを認識した上で、この制度に対する反対票も国民の側から出していければよいのではないかと思っています

さて、明日は風邪をひいてはおりますが患者さんがいる以上休めませんし、頑張るしかないな~と思っております。

いや、まずは治すことか・・・・。なら、Blog書く前に寝たほうが良いのかw

では、また~。
コメント (4)
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