-世間虚仮- 秋近けれど‥‥
今日から明日、久しぶりの雨模様でやっと秋らしくしのぎやすくなった。昨日までのように下着一枚の格好で窓を開け放していると肌寒いほど。このまま一気に秋本番となって欲しいものだが、来週もまた残暑へと戻るらしい。
<同窓会近し>
今日は市岡15期会の幹事会に出るべく母校の同窓会館へ。
昨夜の夜更かしが祟ってかなかなか起きられず20分程の遅刻、すでに会議は始まっていた。
一週間後に控えた同窓会総会の最終準備の会合だからか、いつもに比して出席者の多いこと、なんと20数名という賑やかさ。ところが本体の同窓会に何人の出席通知があったかといえば最終締切で60名弱、それに恩師勢が11名とか。こうして集まる幹事連の3倍弱とはネ、大層な案内書を送付してのこの結果はいかにも侘しい。あと10名ばかりは上乗せしないとあまりにも寂しすぎると、できるところで電話作戦をということになったが、はて如何に。
<報道カメラマンの犠牲>
ミャンマーにおける反政府デモの取材で犠牲となった長井健司氏は、軍治安部隊による至近距離からの、しかも正面からの発砲によるものであったことが、現場の証言やビデオ映像で確認されたと新聞・テレビが一斉に報じている。
日本からのODA援助が通算2000億円を越えるというミャンマーで、同胞ジャーナリストが殺されたとあっては政府もさすがに黙っている訳にはいかないと制裁措置の検討に入ったというが、そりゃそうだろう。デモ鎮静化を図ってなおも続く軍事政権の弾圧強化ぶりを詳細に伝える報道各紙も力が入る。89(S64)年の天安門事件を髣髴とさせるほどだ。
開発途上とはいえ天然ガスや石油など豊富な地下資源に恵まれた国情が、米英や中ロさらにはインドなど大国の国々の利害や思惑を複雑に絡み合わせ、この国をいよいよ混迷、泥沼の淵へと追いやる。
一人の尊い犠牲が、これを機にミャンマー問題をしっかりと構造的に捉え返し、願わくば民政の平坦なるを実らせ、その死への手向けとなることを切に願う。
<ODA無残-ベトナム>
26日だったか、日本政府によるめODAでベトナムに近代技術の粋を集めて建設中の大橋が崩落し、ベトナム人作業員に多数の死傷者を出したと伝えられていた。
今月初めには、パキスタンで同じく建設中の高速道路が崩落、多くの死傷者を出すという事故があったばかりだが、こんどの場合は日本のODA事業であり、日本企業によるJVの工事での崩落事故だから、わが国にとっては始末の悪いこと夥しいものがあろう。JVは大成建設と鹿島、新日本製鉄構成され、2750㍍の斜張橋という大規模なもので、予算も250億円だったとか。
死者52名、負傷者97名と、死傷者はすべて現地採用のベトナム作業員だった。悲惨極まる大事故だ。事故原因の究明と責任の所在を政府所轄においても明瞭にしなければなるまいが、日本人技術者の犠牲が出なかった所為か、今のところその後の報道は沙汰止みのままだ。
<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>
<秋-119>
さびしさや思ひ弱ると月見れば心の底ぞ秋深くなる 藤原良経
秋篠月清集、一、花月百首、月五十首。
邦雄曰く、建久元(1190)年の秋、弱冠満21歳で主催した花月百首中の傑作。第四句「心の底ぞ」の沈痛な響きは、8世紀後の現代人にも衝撃を与えるだろう。月に寄せる歎きは、古来何万何千と例歌を挙げるに事欠かぬが、これほどの深みに達した作は他にあるまい。あるとすれば実朝の「萩の花」くらいか。この百首歌、他にも名歌は数多ある、と。
初雁は越路の雲を分け過ぎて都の露に今ぞ鳴くなる 惟明親王
千五百番歌合、六百七十六番、秋三。
邦雄曰く、高倉帝三宮惟明親王は、後白河院の膝の上でむずかったために、帝位は後鳥羽院に渡った。それも一つの幸運であったろう。千五百番歌合中、三宮の歌は殊にみずみずと心に残る調べばかりだ。歌合では左が後鳥羽院の「ものや思ふ雲のはたての夕暮に天つ空なる初雁の声」で、これも堂々たる秀作ではあった。御判は勿論右に花を持たせて勝、と。
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