Information-Aliti Buyoh Festival 2006-
-今日の独言- オドロイテモ
ひさしぶりに棟方志功の言葉を引く。
アイシテモ、あいしきれない
オドロイテモ、おどろききれない
ヨロコンデモ、よろこびきれない
カナシンデモ、かなしみきれない
それが板画です
――棟方志功
愛、歓、悲、とともに、驚を用いるのがいかにも棟方らしい世界だ。
「オドロイテモ、おどろききれない」
この一行によって生命の躍動感は一気に強まり、
森羅万象ことごとく始原の交響楽を奏でる。
<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>
<冬-27>
名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
在原業平
古今集、羇旅。天長2年(825)-元慶4年(880)。阿保親王の第五子。行平の異母弟。母は桓武天皇の女伊登内親王。右近衞中将にいたる。伊勢物語の主人公に擬せられ、古今集以下に87首。六歌仙・三十六歌仙。
いわずと知れた伊勢物語第9段、隅田川渡しの場面。隅田川にはこの歌に因んだ言問橋が架かっている。都鳥はユリカモメ。
邦雄曰く、旅の順路をたどれば季節は夏になるが、都鳥は冬季のみの鳥、と。
風ふけばよそになるみのかた思ひ思はぬ波に鳴く千鳥かな
藤原秀能
新古今集、冬、詞書に、最勝四天王院の障子に、鳴海の浦かきたるところ。
鳴海の浦は尾張の国の歌枕、現在の名古屋市緑区鳴海町あたり。鳴海潟、鳴海の海などとも。
邦雄曰く、鳴海潟と「なる身の片思ひ」の懸詞は先蹤に乏しくはないが、畳みかけるように「思はぬ波に鳴く千鳥」を配したところ、その切迫した調べとともに、雌雄の千鳥が風に吹き分けられて、思いもかけぬ波間で、互いに恋い、鳴海潟を偲んで鳴き交わすという、絵には描けぬあはれが感じられる、と。
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