山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

夕月夜おぼつかなきを雲間より‥‥

2006-02-12 11:41:00 | 文化・芸術
051129-074-1
Information-Aliti Buyoh Festival 2006-

-今日の独言- Alti Buyoh Fes. 第2夜

 少し寒気が緩んだか、夕暮れ時の京都も底冷えの感はない。
Alti Buyoh Fes.第2夜のプログラムは6作品各々形式に特徴もありバラエティに富んだ内容で結果オーライ。
トリとなった我が演目にはカーテンコールの幕が上がると「ブラボー」と一声飛んだ。外人客が何人か居たから、そのなかの一人だろう。たった一人といえど大向こうから声が掛かったのはこの時だけだからよしとしよう。
市岡美術部OB連が若干名、同期の友人が2名、古い付き合いの顔ぶれだ。14期の中原氏夫妻は帰り際に「他のとまるでレベルが違うよ」と言って握手。晩年の神澤作品をよく知る二人だけにこの言葉はありがたい。
埼玉からわざわざ出向いてくれた友人と、近くで食事をして宿舎まで送って別れたら、もう日が変りかけていた。舞台を務めた母親に一日中付き合わされた幼な児は、よほどストレスが溜まっていたとみえて、車中で激しく愚図っていたが、ほどなくぐったりと沈没。
ふたりは顔を見合わせて、おつかれさん。


<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>

<恋-20>
 夕月夜おぼつかなきを雲間よりほのかに見えしそれかあらぬか
                                    源実朝


金塊和歌集、恋、恋歌の中に。
邦雄曰く、源氏物語「花宴」の朧月夜内侍以来、あるいはそれ以前から、夕月に一目見た人への思慕は幾度繰り返されたか。実朝はその人のことに毫も触れず、「それかあらぬか」と問うて口を閉ざす。その訥弁の美しさゆえにこの歌は輝く、と。


 今来むと契りしことは夢ながら見し夜に似たる有明の月  源通具

新古今集、恋四、千五百番歌合に。
承安元年(1171)-安貞元年(1227)。村上源氏、内大臣源通親の二男、正二位大納言、藤原俊成女を妻としたが、後に幼帝土御門の乳母按察局を迎え、まもなく俊成女とは別居したとされる。後鳥羽院に新古今集撰者に任ぜられた。新古今集初出、17首。
邦雄曰く、約束では今すぐ行こうとのことであった。それも夢の中のこと、うつつにはもはや暁近く、月が残っているのみ、だがその月影は、あなたを見た夜そっくり。女人転身詠、幾分かは土御門家への挨拶も含んでいる、と。


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