山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

今年も今夜かぎりの雨となり

2009-12-16 23:12:32 | 文化・芸術
080209243

Information – 四方館の DANCE CAFE –’09 Vol.4-
出遊-二上山夢験篇

あそびいづらむ-ふたかみやまゆめのあらはれへん-
Date :12/27 –Sun- PM2:30 Space : 弁天町市民学習センター

―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-04-
12月31日、曇つて寒い、暮れてからは雨になつた、今年もおしまひだ。

懐中に4銭しかない、3銭で入浴、1銭でヒトモジ一把、文字通りの無一物だ、いかに私でも-師走がない正月がない私でも困るので、夕方、寥平さんを訪ね、事情を明かして少し借りる、いや大いに掠める、寥平さんのすぐれた魂にうたれる。‥

見切の白足袋1足10銭、水仙1本2銭、そして酒1升1円也、-これで私の正月支度は出来た、さあ正月よ、やつてこい! -略-

寥平さんのおかげで、炊事具少々、端書60枚、其他こまごましたものを買ふ、お歳暮を持つて千体仏へ行く、和尚さんもすぐれた魂で私を和げてださった。

あんまり気が沈むから二三杯ひつかける、そして人が懐かしうなつて、街をふらつき、最後にSのところで夜明け近くまで話した-今夜は商店はたいがい徹夜営業である-、酔うて饒舌つて、年忘れしたが、自分自身をも忘れてしまつた。‥

それでは昭和5年よ、1930年よ、たいへんお世話になつた、各地の知友福寿長久、十方の施主災障消除、諸縁吉祥ならんことを祈ります。

※表題句の外、1句を記す

-四方のたより- 磐余の章Scene.4
「死の相聞」その2


林田鉄、往年の仕事-「鎮魂と飛翔-大津皇子-」磐余の章-Scene-4


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