小言コウベイN

日々感じた風刺等について書いています。

106

2015-05-30 19:36:35 | 日記

              27.05. 31               106           NO.812                       

 10(テン)6、つまり天六です。  むかし天六に「昼間働いて夜間に勉強する」学生を受け入れる学校

がありました。   幸い、この学校の入試に合格しましたが、わたしには納めるべき入学金の4万円があ

りません。  それこそ飲まず食わずで4年間かかって、体重は18歳で49kgまで痩せるという悲惨な

状態で必死に貯めたお金が2万8千円。  足りない1万6千円を仕事先のお客さん(その人も天六生で

した)が貸してあげましょうと言ってくれましたが、他人さまにそう言っていただくのは光栄だけれど、身

内で解決しようと親戚のHおばさんがその1万6千円をポンと出してくれたので、私は天六に通うことが

出来たのです。 その後、卒業してしばらくたってからですが、そのHおばさんは脳梗塞で倒れ寝たきり

の生活になりました。

100倍の恩返しをしようとわずかな給料の中からの送金と、トロが食べたいと言えばトロ・ウナギと言え

ばウナギ・メロンと言えばメロンを届けました。 病院食以外は「違反!」と叱られながら、私もHおばさん

も「ま~え~じゃん」と違反をつづけたものでした。

いまやそのHおばさんも他界し、天六学舎も廃校となっていささか寂しい気がします。

義理とか人情なんてあまり好きな言葉ではありませんが、そういうものが全くなくなってしまう世の中って

なんなんだろうな?

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