27.04.21 破 壊 と 創 造 NO.772
「業」として住宅の新築・建替え・リフォームの仕事を約30年余りやって来ました。 その間新築・建替え
を含めて500戸ほどの取引をしました。
家屋の新築には、建築士による設計に始まって市の建築確認や住宅検査保証機構による、基礎段階か
ら完成に至るまでの数回にわたる検査があり、30種余りの職種の人たちの協働があって、近年、施工
技術の進歩によって工期が短くなったと言ってもて、完成させるためには工事に着手してから3ケ月かか
ります。
ところが、家屋が老朽化して建て替えるために取り壊す場合は、1戸の家を取り壊すのにたった8時間ほ
どしかかかりません。 30年かってローンを払いやっと自分の物のものになった家が、こんなに簡単に
あっという間もなく元の更地になってしまうのです。 つまり「破壊」は簡単ですが「建設(創造)」はそんな
に簡単なものではないということです。 そういうことは、なにも住宅建設のみに言える事(法則)ではあり
ません。
大阪市をぶっ潰して府と合体し大阪都を作るんだ!という「政治家!?がいますが、破壊するのは簡単で
誰でも出来るもの、その代わりに創造するものが一体どうなるのかの設計図もロクにないのに、どうやって
建設するのか誰もが納得する議論もないまま、ただ「現状を変えよう!」と叫んでいる人は、自分はモノを
壊しているのか作っているのかを吟味する習慣を持たないひとだ!・・・と内田 樹も言っている。
*内田 樹著 「呪いの時代」新潮文庫 の一部を参考にしました。
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