ライオン獣舎の前のだらだら坂を上ると、「カバのタロちゃん」の住まいがある。
寒いので獣舎の中で過ごしプールには、出てないだろうと思いながら坂を上った。
この日は日差しがあったので、このところの寒さに比べると幾分温かさを感じ冷たい北風も一休みしていた。
どうだろうと思いながら、プールを覗くと水面から二つのつぶらな瞳が
「オウ!!タロちゃん」と思わず声が出てしまった。
開園間もなかったなので、プールの周りには人けはなく
「タロちゃんおはよう」と声をかけると、二つの目がこちらに寄って来るではないか
半年ぶりぐらいだが、忘れていなかったとつい興奮してしまい「タロちゃんおはよう」を連呼
近くまで来たタロは、プルーのコンクリートの壁の頂部に前足をひっかけるように
背伸びし鋼製の柵のの向こうから「お久しぶりね」とつぶらな瞳をチカチカ
オウ!!これは、初めてのポーズ、写真を一枚と思ったが、レンズが長いままこれではまずいと思ったが
数秒見合って、「タロちゃんおはよう」ともう一度声をかけると安心したように水の中に
別に、長いレンズでも自分が下がればよかったのだが、目の間に現れたタロに感動していまい足が動かず頭も動かず。
まぁ、誰も見てなかった久々の出会いだが、もしかして俺はカバ語が話せるのかもと少しばかり自画自賛
水面がレフ板の代わりになりタロの顔を照らす。
春がタロの顔まで来て踊っている。