フマユーン廟の内部は意外と簡素で
この透かし彫りの窓から差し込む光が
この静寂と相まって 何故か特別な印象を感じる。
この窓 インドの職人の技術力を物語るものといわれ
繊細に見えるが 厚さが3㎝から5㎝くらいあって
結構頑丈にできているそうだ。
ところで フマユーン廟は
ムガール帝国の終焉の場でもあった。
19世紀前半には ムガル帝国は衰退し
その領土のほとんどを失っていた。
1857年 イギリス東インド会社の
インド人傭兵=セポイが蜂起して
イギリスと対立(セポイの反乱)した。
これにインド民衆が呼応して
ムガル皇帝バハドゥル・シャー2世を担ぎ上げ
ムガル帝国による再支配を企てる。
しかし イギリス軍はこれを武力で鎮圧し
フマユーン廟に隠れていた皇帝を発見して捕縛する。
翌1858年に皇帝位は廃位され ムガル帝国は滅亡。
代わって 英国国王を掲げる
イギリス領インド帝国が誕生する。
これよりインドはイギリスによる
植民地時代を迎えることに。