日記塊~77と97に関する幾つかの考察~

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2011. 10.18ドキュメント~エピローグ~

2011-12-02 07:59:35 | 2012年までの記事
試合終了の余韻に浸るスタンド。

牧田があからさまにしんどかったという表情。
あの冷静な男も重圧を感じていたのか。
山崎小久保に因縁つけられても動じなかった彼が
(あいつらはなんだい。いい歳こいてガキ大将気取りが。
 小川直也の次はおめーらがあのCMやればいいじゃん)。
そりゃそうだ。彼も人の子。しかもルーキーだ。
重圧を感じないわけがないのだ。

ありがとう牧田和久。貴方に救われたシーズンだった。


ざわつくスタンドのライオンズピーポーに向けて、DJがアナウンス。
「最終戦セレモニーの前に、京セラの中継やります」
スタンド大歓声。俺も大歓声。

これねー、憧れだったのだ。
幼少のころ、同じように神宮で他球場の試合を観戦する読売ファンを見て、
「うわーなんか楽しそう。これやりたい」
とずっとずっと思っていたのだ。27にして夢が叶ったよ。

8回表、ソフトバンクは無得点。
裏に入るところで、一息つくため喫煙所へ。
喫煙所では知人と軽く雑談。
勝っちゃいましたねー、やばいっすねー。
皆笑顔だ。もう待つしかない。やることはやった。
そんな充実感がにじみ出ている。もちろん俺も。

そして回は進み9回裏。馬原登場。
うわーこえー、と思ったら先頭出塁。おいこら。
しかし、なんとか後続を抑えて、ついに、CS決定!

本日2度目の大歓声。本日2度目の笑顔。
うわーやっちゃったよ。本当に進出しちゃったよ。

今年ほど「もう無理じゃ」と思ったシーズンは無かった。
それでも生き残っちゃった。選手は強かった。手放しで拍手。

本当のホームになったこと。
そのホームで最高の結果を出したこと。
もしかしたら、人生最高のゲームかもしれないです。


帰宅後、嫁とハイタッチ。
そこで歓喜は終了。
いそいそと札幌の準備を始めるのでありました。



その後、札幌で、福岡で、語れることはやっぱりたくさんあったのだけど、
それは64やカメラマンあたりと、数年後どっかで酒でも交わしつつ。

2011. 10.18ドキュメント~当日編4~

2011-12-02 07:01:20 | 2012年までの記事
赤田の背番号が7になったり、
ミンチェとホセが出ていきそうだったり、
牧田が新人王取ったり、慌ただしい数日。

7番かー。また色々グッズ買わなきゃだわ。
・・・出るよね。

出る出ないは心配してももうしゃーないので、
(あ、選手の話ね)
過去の気持ちかったことを思い出して慰みます。



プロローグ
ドキュメント1
ドキュメント2
ドキュメント3


ソフトバンクの追加点を知り、いよいよ欲が出た状態でライトの売店に並ぶ。
それにしても、西口引っ張るなあ。8回だし岡本を出してもよくないかね。
そんなことを思っていたら、すぐそこのライトスタンドから歓声。
歓声の長さからして長打か。しかもこの盛り上がり方は三塁打かぁ。
・・・おや、タイムラグがあっておーい北海道。
失点?何があった?
ともかく2点差か。これはちょっと嫌な感じだぞ。
あっさりネガティブに。心の弱い子なのです。
売店のおばちゃんは覚えててくれてました。
ポテト、いつのまにか容器がドリンクカップになって値段も400円になったのね。
ご挨拶を終えてレフトスタンドへ戻る。
とりあえず駄目押ししておきたいぞー。

が、あっさり攻撃終了。うぐぐ。
そしてマウンドには、SPEED TK REMIXに乗せて牧田和久。

信じるしかないのはわかっている。
牧田なら結果がどうなってもいい、と思う。

しかしね、思い出してしまうのだ。
2点差。あと3人。守護神登場。
ここまでの完璧な流れ。さあ決めて下さいと言わんばかりの空気。
思い出してしまうのだ。2008年の9月23日を。
レフトスタンドはプレー中も総立ち上等の雰囲気。
でも、俺は座りました。9月23日、あの日は立っていたから。

小さすぎる自分の抵抗も空しく、一人、また一人と塁を埋めていく。
悲しいかな昨日の力投があって牧田の球威は無い。
もともと球が遅い分、タイミングが合わずとも振りきられるとコースヒットも増える。
無死満塁。3人を打ち取るまでに、ワンヒットでも出れば振り出し。
ブルペンは、やっとのことで一久と岸が動き出す。
遅ぇーよ。牧田は新人だぞ。なんでもかんでも背負わせんな。
牧田を潰す気かこら。
もう祈りと怯えと怒りと愛しさと切なさと心強さが混ざってわけわかんない。
海は死にますか。山は死にますか。
たまにはホームでハッピーエンドにさせてくれてもいいんじゃないですか。
野球の神様とやら、頼むよ。


ホフパワー。
打ちあげた。浅い浅いレフトフライ。ランナー動けず。

よし、とりあえず山一つクリア。
強打者はこれ以上いないし…とネクストをみたら、見たことある姿。
今日ベンチだった糸井っぽいな。糸井じゃないといいな。糸井じゃないよな。

糸井でした。

ここでもうひとつ思い出したのは去年。
札幌でトドメを刺して頂いたのはこの方でしたっけね。
山越えたと思ったら目の前に富士山。足パンパンなんすけど。


個人的に、野球で最も切ないのは、
「右中間・左中間を破る打球を追う外野手の姿」
だと思っています。
特に追いつきそうで…じゃなくて、打った瞬間抜かれたのがわかる打球を
どうせダイレクトで取れないけど追わなきゃいけないから、
グラブも出さず2人が走って追うようなの。
それが致命的な失点だったりするともうね。
レフトで見てるときは、やっぱり右中間の打球がいいね。


飛んだよ。右中間。
うわーやられた。こういうオチか。今年も糸井か。

目を瞑りそうになった瞬間。飛んでた。センターが。
頭から突っ込む。ボールに向かって一直線。秋山だ!
なんだそりゃ、あんた本当にルーキーか?

鳥肌ぶわぁですよ。ただ、犠牲フライとなり1失点。
2塁ランナーも進んで、同点のランナーが3塁に。

あと一人。バッター今浪。また左。


初球。

流し打つ。

うわ、落ちた!

声でちゃった。

栗山の足が緩まり、ゆっくり差し出したグラブに白球が収まる。


割れんばかりの歓声とはこういうことか。
人生史上最大の安堵の溜息も叫び声に混じっていたのは俺だけではあるまい。


68勝67敗1分。


たった1つ勝ち越しただけ。
それでも構わない。
ホームで、ホームらしい状況が出来て、そして勝てたことが大きい。

やることはやった。後は待つしかない。
そんな雰囲気のスタンド。
あちこちで、晴れやかな笑顔が広がっていた。
皆幸せそうだ。俺も、なんかすげー幸せ。