医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

信仰の美風と遺伝子8

2006年08月24日 17時46分26秒 | Weblog
 イスラム教でも多数派のスンナ(スンニ)派とシーア派との二大宗派があります。

 シーア派のシーアは「党派」という意味で、イスラム教の開祖ムハンマドの後継者が、従兄弟で娘婿でもあるアリーとその子孫のみとするアリー派の「派」から来ています。

 対するスンナ派は、アリーに先立つ三人のカリフをも、正統カリフとして認めた大多数派、ということになります。

 堅苦しく言えば、シーア派は神と人間を仲介する神聖なイマームと呼ばれる教主・首長の指導を重視しするのに対して、スンナ派の場合は教主はカリフと呼びますが神聖視はされずに、あくまで預言者ムハマンドの言行(ハディース)を通じてスンナという慣行の解釈を行うことで預言者の意思を体現しようとする、ということです。

 シーア派と比較した場合のスンナ派の大きな特徴は、イスラム共同体(ウンマ)間の「合意」を重視する点であるそうです。

 シーア派はイスラム全体では1~2割程度とされておりますが、イラクでは60%が、そしてイランではシーア派が国教とされ95%がシーア派です。

 メソポタミア(イラク)・ペルシャ(イラン)という古代文明国においてはもともと文化が発達しており、アラビア半島のムハマンド率いる元祖イスラム教が支配して改宗させる過程で、後継者争いが加わってシーア派として分派していったということのようです。

 イラクではフセイン政権下ではスンニ派が主流でしたが、現在の暫定政権の国民議会選挙ではシーア派中心の統一会派「統一イラク同盟」が第1党になりました。

 イランはアーリア人のという意味であり、古代からとても優秀な民族であり、ペルシャ帝国以来ペルシャの素晴らしい文化が連綿と受け継がれており、建築物も文学も音楽も映画も卓越しているのに、核開発疑惑やヒズボラへの支援などにより、アメリカから悪の枢軸と名指しされ、国際的に非難され続けているのが残念でなりません。



 そして、全世界的な流れとして、このイスラム教VSキリスト教+ユダヤ教・・・という同じ「エイブラハムの息子たち」による対立軸がテロや戦争といった暗い影を落としております。

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