医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

バブルと美徳

2006年01月15日 16時02分50秒 | Weblog
 経済が上向き加減でほっとしております。 

 でも実はバブルという時代の経験者である僕には、もう二度とバブルはごめんだ、という気持ちもあります。 

 なぜかというと、拝金主義が幅を利かせ、お金を持っていれば偉いんだ、みたいな風潮が起きたからです。

 胡散臭い社長さんがたくさん現れ、札束で他人のほほを叩くような歪んだ社会を感じませんでしたか? 

 何だかみんなで悪乗りしていたというか、おちゃらけちゃってたような。

 商売をしている人まで客をお金で判断して、正常なサービスが提供されなくなっておりました。 

 逆に近年の不景気で、本来のお客様本位という正当なサービスが充足してきたなと思っております。



 人として生きるならば、お金よりもまず《人格》のはずです。 

 その悪しき社会現象が、バブル崩壊後も僕たちに残ってしまったような気がします。

 世の中がごね得というか、言ったもん勝ち、みたいになってはいないでしょうか? 

 他人には厳しく、自分は省みず。

 他人の失敗を「それみたことか」と叩きのめす。知らない間に目じりがつりあがって、眉間にしわを寄せていることが多くなってはいませんか? 

 本来日本人は言わないことを「美徳」とし、それが外国人に理解されませんでした。

 言わなかったために悪いことをする人が育ってしまったことは事実ですから、言わないことがすべて正しいとは申し上げませんが、あえて言わないことには相手を「いたわり」「思いやる」気持ちがあります。 

 人様に迷惑をかけてはいけない、「恥」の文化。

 僕たちの美徳や文化をむりに西洋人に合わせる必要もないと思います。

 人を『恕する』(じょする=ゆるす、思いやる)「美徳」が欠けてきているように感じるのです。 

 思いやりに欠ける行為が日常溢れすぎていて、いやになりませんか?

 自分勝手でわがままで、子供な大人たちが増えているように思いませんか? 

 駐車場で近いからといってハンディキャッップ者用になんのためらいもなく停める健常者。 

 すぐ後ろに自分の車を停めて出られないようにしてさしあげたくなります。 

 車の窓から投げ捨てられるたばこ。 

 落し物ですよ、と窓から投げ返してさしあげたくなります。 


 でもきっと僕も他人が見たら不愉快なことをしでかしているだろうから、思いやりをもって気をつけなければ・・・。

 日本にもお金持ちはいていいと思います。

 外国企業に負けないように。

 そして雇用を拡大して欲しいと思います。

 ですが、お金持ちの人たちはぜひとも品を良くしていただきたいものです。 

 成金趣味のお金持ちは見ていて見苦しいですから。 

 その上で社会貢献や福祉等に、お金持ちなりの社会的責任を果たしてもらいたいものです。

 そう思いませんか?