医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

レッズ福田の美

2006年01月05日 13時40分29秒 | Weblog
 僕は浦和レッズが大好きです。元旦の天皇杯優勝を祝しまして 

 元浦和レッズの福田正博という方について 

 彼と直接の面識はありませんが、人間は顔や佇まい、立ち振る舞いや言動を通して「人柄」が表れるものですよね。

 僕の「人柄勘」はまた良く当たるんですよ。

 彼の素晴しさは、「人間性」です。

 彼ほどにたったひとりですべてを背負ってしまった運動選手を僕は知りません。

 弱かったレッズが、勝てばすべて福田のおかげ、負ければすべて福田のせい。

 おっ重い・・あまりにも重過ぎます。  

 長島や王でもそこまで巨人を背負ってはいませんでした。

 しかし彼は決して言い訳はしませんでした。

 そこに「美しさ」が際立っていたのです  

 そして彼は不器用なほどレッズを愛し、サポーターを愛し・・・浮かれることもなく純粋に。

 PKを外しまくって罵声を浴びても蹴ることをやめもせず、それを克服しての得点王。

 スランプ、怪我、J2落ち・・・順風満帆ではないけれども、何度も泥だらけになりながら、それでも立ち上がり、時には子供のように泣きじゃくって、必死になってピッチで答えを探し続けたのです。

 悲愴感が漂う「美」はとびきり美しい

 それが伝わるからこそ過激なレッズサポーターは福田に感動し、「ゲットゴール」と声を枯らし、負け続けるレッズを応援し続けたのです。 

 レッズファンで福田を嫌いだという人を見たことがありません。

 ナイーブさと才能を併せ持ち、泣いたり、笑ったり、怒ったり・・感情を隠すことなく、演じることもなく、ありのままに。優勝経験はないけれども(そこも福田らしい)。

 よくスポーツ選手には「ファンに夢や感動を与えたい」などと言う方がいらっしゃいますが、大きなお世話ですよね。

 夢や感動はこちらが判断することです。

 チーム、サポーター、そして悲しみをも背負いながら戦い続けた福田を見て、胸を打たれ「美しい」なと感じました。

 人間、背負っている悲しみが大きいほど「美しく」見えるものなんだ。


 ケンシロウもそうだな・・・