医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

漫画に学んだ美徳

2006年01月13日 16時40分35秒 | Weblog
 日本を訪れた外国人にとって不思議に見えるのは、日本人の大人が漫画を読む風景だそうです。 

 それは日本には手塚治虫がいたからなんですよ、と説明したいですね。 

 「鉄腕アトム」は単にちっちゃいロボットが悪者をやっつけるだけではなく、機械と人間の心というのがテーマですから。

 それに外国には「ゴーマニズム宣言」のような、特殊な漫画もないでしょう。

 漫画、アニメ、テレビゲームは日本の文化として誇りに感じます。

 僕は少年時代から、毎週少年ジャンプ、サンデー、マガジン、チャンピオン、キングと週間漫画だけでも5冊も読まねばならず、その上学校の図書と忙しい日々でした。その他月刊誌で、小学○年生、科学と学習に冒険王、コロコロコミック、月刊ジャンプと・・・ 

 でも、漫画を通して人生において大切なことをたくさん学びました。 

 また速読も漫画のおかげだし、雑学の基礎にもなっております。
  
 僕のヒーロー像。

 ヒーローは悲しみを背負っていなければいけません、そして徹底して強くなければいけません、だけど心は繊細でちょいもろい部分もあって欲しい、その上ちょっとワルでなければいけません。 


 中でも一番感動したのが、雁屋哲原作、池上遼一画による「男組」 

 これはたまりません。 

 流全次郎はすべて○。

 敵の神竜剛次も、「実は主人公じゃねえか?」ってくらい最高。

 その上、絵も美しい。これも書に近い。


 他には「ワイルド7」(主人公ヒバちゃん=○)、「あしたのジョー」(矢吹 丈=○、ライバルの力石 徹も○)、「サイボーグ009」(島村ジョー=○)、少女マンガでは「エロイカより愛をこめて」などなど。最近では「ギャラリーフェイク」(美術鑑賞の入門編にもいいかも)「北斗の拳」(当然ケンシロウ=○)なども。

 これらを通して、法に書かれてはなくとも、人間として守らなければいけない正義、人として生きる以上優先させるべき事柄、人を思いやる気持ち・・・多感な少年の心に深く刻まれましたよ。

 最近の漫画は絵が下手であったり、ただただ内容の無い暴力ものであったりするものが多い気がします。 

 また絵にも誰の絵かすぐ書き手が分かるくらい漫画家の個性が欲しい。

 ただし「バリバリ伝説」や「がんばれ元気」のように、個性ある下手うまはあり。


 もっともいけてないのはいわゆる「ラブコメ」。

 これは苦手。 

 漫画なんだから、夢があって現実離れしていて欲しいです(「アストロ球団」とかね)。


 妙に現実的にうらぶれたものも、漫画には似つかわしくありません。

 
 そして案外漫画に学んだことも多いのが事実です。

 当時中学生だった僕は恥ずかしながら、ちばあきおさんの「キャプテン」「プレイボール」に純粋に感動し、チームワークや友情、努力の大切さを学びました。

 スポ根は現代の若者には敬遠されるらしいですが僕は大好きです。

 お兄さんのちばてつやさんの「俺は鉄兵」も面白かったなあ・・・。