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【HUNTER・07.17】:もう一つの「霧島署員ストーカー事件」(1)| 消された処理票データ|鹿児島県警不当捜査

2024-08-25 06:40:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・07.17】:もう一つの「霧島署員ストーカー事件」(1)| 消された処理票データ|鹿児島県警不当捜査

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・07.17】:もう一つの「霧島署員ストーカー事件」(1)| 消された処理票データ|鹿児島県警不当捜査 

 「警察官のストーカー被害にあった女性が、再三にわたり県警本部に事件の詳細な説明と謝罪を求めていますが、拒否され、被疑者からの謝罪の言葉もありません。 どうか、今も苦しんでいる被害女性を助けてください。お願い致します」――ハンターに送られてきたメールからは、被害女性に寄り添ってきた人の切実な思いが込められていた。公益通報問題で鹿児島県警と対峙する中、ハンターは取材を開始した。

                  ◇    ◇    ◇

 2023年2月19日、鹿児島県霧島市のクリーニング店で働く20代の女性に、霧島署に勤務する警察官(以下、「X」)が無理やり自分の名刺を押し付けた。それ以前からXに待ち伏せされるなど付きまとわれていると感じていた女性は翌日、別の署に勤務していた顔見知りの警部補に相談。警部補は翌20日、霧島署の警務課長に事案を告知し、女性も同課長に被害状況を申告した。

 その後、最初に女性から相談を受けた警部補が女性の周辺をうろつくXを現認したことで典型的なストーカー事案であることが明らかになったが、捜査段階で組織的なもみ消し・隠ぺい工作が行われ、結果的に今年1月下旬、「不起訴」となっている。

 この事案こそ、今年4月3日、ハンターに寄稿している北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に届いた封書の中の文書に記されていた「署員による2件のストーカー事案」のうちの1件である。今回、新たにハンターが入手した文書や関係者の証言から、隠蔽指示疑惑の野川明輝県警本部長が、この件についても把握していたことが明らかとなった。ハンターは、本部長や当時の霧島署長(現・生活安全部長)による組織をあげての隠ぺい工作があったとみている。

 ■今年2月に内部告発

 今年2月、鹿児島県警の元警部補のもとに1通の封書が届いた。中に入っていたのは1枚の文書(*下がその文書)。「週刊現代」を読んで文書送付を思い立った形だ。県警内部で情報収集したらしく、「被害女性のために色々苦労されているとお聞きしました」とあり、そのあと、霧島署管内で起きたストーカー事案について述べている。

○○ 先輩へ

1 申し訳ありません。
 突然ですが、週刊現代を読みました。
 先輩が、被害女性のために色々苦労されているとお聞きしました。
 霧島のストーカー事案について、一言言わせてください。
 何故あのような対応をしてしまったのでしょうか。

2 あの事案は、最初の対応が大きく間違っていると思います
  まず、ストーカー事案でありながら、ストーカー事案としての対応を全く取っていません
  相談の中でストーカー事案と認められる場合は、
   ストーカー事案に関する相談受理票
   ストーカー事案に関する処理票
の作成が必要となります。
  ストーカー事案に関する相談受理票等は、通常警察署のストーカー事案担当係が作成するものです。
  今回、ストーカー事案に関する相談受理票などを作成していないことは、文書の開示請求をすることで直ぐに明らかになります。

3 ストーカー事案に関する相談受理票、ストーカー事案に関する処理票も作成していないと思いますので、開示請求して文書がなければ、霧島署がストーカー事案として組織的に対応していなかったことがわかります
  まだこのような対応をしている警察官おり、警察署があることは信じられません

4 今回の件は、当時の担当課長一人だけが悪いという雰囲気が組織内にあり、とても心配しています。(勿論責任はありますが、むなしいです。)
  何より、根本が改善されない限り、今後も同じような事案が発生すると思います。
  それぞれの立埸において、責任があると思います。

5 いずれにしても、ストーカー事案(生安部門)と監察事案(警務部門)は、別々の部門(係)が同時並行に、分けて対応する必要があります。
  これが常識です。
  参考まで。

 この文書にある週刊現代の記事というのが、次の画像である。

 

 現代の記事は今年1月の誌面に掲載されたもので、鹿児島県警霧島署にストーカー事案のもみ消し疑惑があることを報じていた。

 前掲の郵送された文書はこの記事を受けて発出されており、初動捜査に間違いがあったことや霧島署の組織的隠ぺいを示唆する内容だった。整理番号をふって項目ごとにまとめ、確認した事項を2~3文字空けて列挙するという文書の作成方法は、警察官特有のものだ。

 さらに、元警部補に送られてきた文書にある「今回の件は、当時の担当課長一人だけが悪いという雰囲気が組織内にあり、とても心配しています」という記述は、昨年秋、県警本部で流れていた“霧島署の署長と警務課長が一方的に「ストーカーではない」と判断した”という話と一致する。明らかに事情を知った上での内部告発である。

 告発者は、2023年2月に発生したクリーニング店の女性に対するストーカー事件の処理方法について、霧島署による初動捜査の間違いを指摘した上で「組織的な対応」を怠ったと断言、さらに「根本が改善されない限り、今後も同じような事案が発生する」と強い懸念を示している。

 「霧島署」「ストーカー事案」「事実上の隠ぺい」――。捜査情報を漏洩させたとして逮捕・起訴された本田尚志前生活安全部長が、北海道のジャーナリスト小笠原淳氏に送ったとされる内部告発文書にあった“霧島署員のストーカー事件”と同じ構図が浮かび上がる。

 霧島署管内で起きた二つのストーカー事件は、現職警官による犯行であるという点と、事実上のもみ消しが疑われるという点(この点については後述する)、そして最も重要なこととして、現職警官の非違事案であるため「本部指揮」として扱われたものだったという3点が共通する。

 事実、本田前部長は、立件対象となった自身の内部告発文の中に「署員によるストーカー事案2件を発生させた霧島署長」と記しており、県警本部がクリーニング店で働く20代の女性を被害者とするストーカー事件を把握していたことが分かる。

 本田氏の内部告発文が指摘する霧島署長とは、現在、本田氏の後任として生活安全部長に就任している南茂昭氏。南氏が霧島署長であった時代に、管内で起きた現職警官による2件のストーカー事件が、いずれもうやむやに処理されていたことに疑念を抱くのは記者だけではなかろう。では、もみ消しが疑われるクリーニング店の女性に対するストーカー事件とはいかなるもので、どのような展開をたどったのか――。入手した資料や取材結果から検証する。

 ■野川本部長の決裁印

 初期の段階で“もみ消し工作”を主導したのは、霧島署の当時の署長と警務課長だ(昨年既報)。ある時期から、これに県警本部も加わったとみられる。警官の非違行為は本部指揮であることから、警官不祥事の隠蔽指示で問題になっている野川本部長も、当該事案を掌握していた。その証拠が、昨年4月25日に作成された「苦情・相談等事案処理票」。決裁欄には、野川本部長の印が押されていた。

 

 この件では、その後も被害者側から県警本部への相談・苦情が続き、4月25日以降、6月22日に2件、同月26日に1件と計4回、処理票の決裁文書に野川本部長が押印していた。野川氏は、当該事案を「知っていた」ということだ。

 この件は昨年10月、鹿児島県警が、霧島署に勤務する50代の男性警察官をストーカー規制法違反の疑いで書類送検しながら公表していなかったことを地元紙・南日本新聞がスクープしたことで表面化。被害女性が霧島署の警務課長に相談したが、その際の「苦情・相談等事案処理票が残されていなかった」――ことになっていた。というのは、これこそが隠蔽工作の結果。後述するが、実は今回の取材で、霧島署への相談初日に処理票が作成されていたことが分かった。

 皮肉な話だが、ストーカー事件発生当時の霧島署の署長は、今年春、ストーカーや盗撮などの事案を所管する生活安全部長に就任した南茂昭氏。先月21日に国家公務員法違反の疑いで起訴された本田尚志氏の後任である。隠蔽工作が事実なら、県警幹部による新たな事件=犯人隠避の可能性が浮上する。本部指揮事案である以上、その共犯(もしくは主犯)は野川本部長ということになり、その読みを裏付けるような話もある。

 別の県警関係者によれば、ストーカー被害を訴えていた女性が県警本部に苦情を申し立ててから、霧島署長が何度も県警本部に呼び出されていたという。異例だったとされる複数回にわたる署長呼び出し――それができるのは本部長だけだと考えるのが普通だろう。そこで、警官不祥事のもみ消しが相談されたという見立ても成り立つ。

 県警は「一般論として、監察事案や被害届を受理した場合などは(処理票は)作らない」と説明してきたが、真相は違う。そもそも、本件では相談初日の段階で被害届など提出されていないし、監査事案にもなっていない。前述したとおり、警務課の課長と署長が一方的に「ストーカーではない」と決めつけ、本部長の指示もあって事件を隠ぺいした疑いが濃い。それを証明する事実を、複数の元警察官が証言しているからだ。

 ■消された相談初日の処理票データ

 今回、新たな情報提供を受け取材したところ、とんでもない証言が飛び出した。被害女性が相談したその日に、「ない」とされてきた処理票が作成されていたというのだ。経緯を知る人物(以下、「A氏」)に話を聞いた。

――クリーニング店で働く20代の女性に対するストーカー事案が、最初に霧島署に申告された昨年の2月20日に、「苦情・相談等事案処理票」が作成されていたというのは事実ですか?
A氏:事実です。この目で見ましたから。

――見たというと?
A氏:その日は、別の警察署の現職警官から副所長にストーカー事案の報告があり、その件についてだったと思いますが、署長、副署長、警務課長の3人が署長室で話し合っていました。直後に警務課に対し、課長から「当該事案の訴えがあった場合は、直接私に回すように」という指示があり、実際に被害相談に来た女性と警務課長が会っています。それからすぐだったはずですが、処理票のデータが作成されていたんです。処理票にストーカーとして名指しされていたのが、警務課長の下にいる警務課の職員だったことに驚いたことを覚えています。『えっ』という感じでしたから。前後の流れからいって、処理票の作成者は被害者の話を直接聞いた課長しか考えられません。

――その処理票はどうなりましたか?これまでの報道では、「なかった」ということになっていますし、県警は「監察事案や被害届を受理した場合などは作らないから、そもそも作成されていない」と説明してきました。一体何があったのでしょうか?
A氏:処理票はプリントアウトされて課長や署長の決裁が行われるのですが、当日は時間が遅かったため、翌朝の決裁になったのです。ところが、翌朝になって、処理票のデータが消されていたんです。

――その時は、データが消された理由について誰かに確認されましたか?
A氏:いいえ。何らかの理由で削除しただけだと思い、そのままになりました。いまになって思えば、その時点でストーカーではないと一方的に判断され、あえて記録を残さなかったということではないかと……。

――本当にデータが消されたんですね?
A氏:間違いありません。

――隠ぺいが図られたということですね。
A氏:そうとられてもおかしくないですし、実際、去年の10月に南日本新聞が、県警が本件を書類送検しながら公表していなかったことを報じましたから、『やっぱりな』と感じました。

 前述したように、これまで県警は事件認知日である2月20日の処理票がなかったことについて、「一般論として、監察事案や被害届を受理した場合などは作らない」と説明してきた。しかし、「2月20日」の段階では監察事案になっておらず、被害届も出されていない。つまり、相談があったのが事実なら、逆に処理票がなければならないのだ。今回の新証言は、「一般論として、監察事案や被害届を受理した場合などは作らない」という県警側の主張を根底から覆すものといえる。

 問題の2月20日の処理票のデータが、翌日になって消されていたというなら、その段階から事件のもみ消しを図っていたともとれる。「なかったこと」にするつもりだったということだろう。理由は一つしかない。霧島署から犯罪者をだせば、幹部の責任が問われるからだ。警察幹部が、保身のために被害者を見捨てたというわけだ。

 では、どの段階で「本部指揮」になったのか――?

 一向に動かない霧島署の対応に不信感を抱いた被害女性は、3月10日、14日と続けて県警本部に苦情申し立てを行っていた。その際の「苦情・相談等事案処理票」が残っていることは確認できている。

 このあと女性は、4月20日に「告訴状」と題する文書を本部に送付。この告訴状送付を受けての県警側対応が、野川本部長の決裁印が押された前掲の「苦情・相談等事案処理票」となる。ただし、ここまでの間に、2月20日に作成された霧島署の処理票データは消されていたということだ。

 処理票データを消して犯罪事実を隠そうとしていた霧島署は、いきなり本部指揮になったことで慌てたことだろう。このあと、霧島署は処理票データ削除に続いて次の隠蔽工作に手を染めることになる。 (以下、次稿)(中願寺純則)

 *本文中、本田元生活安全部長が起訴された日について「今月21日」と記しておりましたが、「先月21日」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。(7月17日午前10時54分)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・鹿児島県警・警察組織によるもみ消しや証拠隠滅の疑い 県警の闇】  2024年07月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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