【政界地獄耳・04.10】:簡単ではない「ポスト川勝」候補者調整
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・04.10】:簡単ではない「ポスト川勝」候補者調整
★当初は6月の県議会で辞職する意向を示していた静岡県知事・川勝平太だが、県によると10日に辞職願を県議会議長に提出する。川勝の言葉の荒さは周知のことだし、発言の重大さもさしてわかっていなかったようで、川勝の志を引き継ぐとはどの候補者も言えないものの、リニアへの慎重論などで圧倒的な支持を得てきた知事の後継は簡単ではない。
★伊豆地方、県央、浜松など長細い地域を持つ静岡県政は地域ごとに商圏や政治圏が分かれており、全県内を網羅することが難しい。富士山と太平洋を望み、自然に恵まれていることから水資源については強いこだわりが県民の中にあり、水源の安全性には関心が強い。スズキ自動車やヤマハなど有数の大企業も多くあり、県民の生活水準は高い。静岡県知事選挙は公職選挙法の規定により、県議会議長が、県選挙管理委員会に通知した日の翌日から50日以内に行われることになるため、当初の予定より大幅に早まり、5月26日が有力だ。既に候補者には元防衛副大臣、立憲民主党常任幹事会議長・渡辺周、元外務副大臣、国民民主党幹事長・榛葉賀津也、元環境相で自民党入りした細野豪志など旧民主党出身で、各党に分かれたベテラン議員の名前が取りざたされているが、6月まである今国会会期中での投開票となると、現職の要職を担う国会議員は出馬しにくくなる。
★そのほかにも財界が推す元民主党衆院議員で前浜松市長・鈴木康友の名前が取りざたされているほか、元総務官僚で元同県副知事の大村慎一が8日に出馬表明をするなど、動きが加速しているが、全県区の顔としての知名度には乏しい。また、前安倍派座長で裏金問題で自民党から離党勧告を突きつけられている県選出の元文科相・塩谷立が処分を不服として再審査請求の構えを見せ、県連が混乱している中で候補者調整がつくかが焦点となる。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年04月10日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。