人気作家の村上春樹さん(69)が4日、37年ぶりに国内で記者会見を開いた。母校の早大(東京都新宿区)で開かれた、研究センター「村上ライブラリー」(仮称)の設立発表会見に出席。自身の原稿や世界各国で翻訳された資料などを寄贈すると明らかにした。

「レコードは1万何千枚ある」村上春樹さん主な発言
村上春樹氏は早大への所蔵資料の寄贈等に関する記者会見を終えて、著書にサインする(撮影・山崎安昭)
「レコードは1万何千枚ある」村上春樹さん主な発言
村上春樹氏が贈ったサイン本(撮影・山崎安昭)

 <会見での村上さんの主な発言>

  村上さん (大学の)卒論は、参考文献を1冊も買わずに1週間で原稿用紙100枚書いた。担当教授から「君はものを書く道に進んだ方がいい」とアドバイスをされて、当たっていた。感謝しています。(大学の)自由な気風があって、僕の性格に合っていた。40年近く書き、生原稿や書簡がたまり、うちにも事務所にも置ききれないほど。

 -寄贈のきっかけは

  村上さん 4、5年前から考えていて、早稲田は母校だし、一番の落ち着きどころという気がした。(海外の)大学もいろいろ考えたけど、やっぱり日本が一番妥当だろうと。

 -寄贈資料はどのようなものか

  村上さん レコードは1万何千枚ある。本は仕事に関連したものに限られる。翻訳した本や、僕の本や、僕にとって大事な本。少しずつ移していけたら。

 -どんな作品の原稿があるのか

  村上さん 「ノルウェイの森」は欧州で大学ノートに書いていた。第1稿で、かなり貴重だと思う。あれば寄贈する。

 -資料をまとめる意味は

  村上さん 1カ所にあった方が便利。米国では大学に個人の作家のアーカイブがあり、行けば生原稿を見せてもらえる。