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去りにし日々、今ひとたびの幻

2013年02月03日 | SF
スローガラスというガジェットを思いついたボブ・ショウのアイデア勝ち、というところでしょうか。
別の作家がスローガラスを使った話を書いたことがあるのかな?
独占使用権は発明者のボブ・ショウに帰するようです。
他の作家が書こうににも、収録の短編「去りにし日々、今ひとたびの幻」より
いい話を書かないといけないですから、難しいですね。
※ややこしい話ですが、長編「去りにし日々、今ひとたびの幻」は、短編として発表した同題作品をサイドストーリーに配して、別人が主人公の物語です。

ボブ・ショウは短編作家(と本人も認めている)なので、
読了後に長編小説としてのカタルシスみたいなものは感じません。
連作短編に近い味わいなのは、元の短編「去りにし日々、今ひとたびの幻」の
出来が良いためでしょう。
昔のテレビドラマ「スチュワーデス物語」みたいな、というとボブ・ショウに失礼かな。
主人公の奥さんと片平なぎさが途中からダブって見えてくるんです、不思議だ。

沈んだはずの夕陽が主人公の持つスローガラスから光を放つ場面は(P33)、
あまたあるSF作品の中でもかっこいい場面の一つです。

ところでカバージャケイラストが酷いですね(加藤直之の絵)。

サンリオSF文庫では、
「メデューサの子ら」「おれは誰だ?」「眩暈」「見知らぬ者たちの船」と
全部で5冊も翻訳されていました。
中でも「眩暈」は高値がついてんじゃないでしょうか。
わたしも持ってません。が、袖に載っていた刊行予定には
「二重時間者」(The Two-Timers 1968)
「オービッツヴィル」(Orbitsville 1975)
「星々の渦」(たぶんCosmic Kaleidoscope 1976短編集)
が予定されていました。
これ出ないかな。
そういえば短編もSFマガジンに載ったきりなので、まとめて欲しいところです。

■去りにし日々、今ひとたびの幻 ボブ・ショウ サンリオSF文庫
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