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チラシの裏

パステル都市

2013年02月04日 | SF
表紙のイラストはスタジオぬえの宮武一貴です。
中身と関係ある…ようには思えません。
こういう感じ、っていうのはそうなんですけど。

SFとファンタジイを融合させた作品、などとわざわざ書くこともありませんね。はるかな遠未来では中世風の社会が復活し、
失われたテクノロジーは超古代遺物として存在するのみ、という設定。

何度も書いてますが、こういう設定の作品は今はいて捨てるほど出てますが、
この作品が翻訳された頃(1981年)は、
「SF」と「剣と魔法もの」を同率で融合させている作品はあまり無かったような気がします。
どちらかに偏っていたりする(例えばニーヴンの諸作)ことが多いなか、
SF感覚を殺さずファンタジイに同化させているところに新味があったのでは。

で、主人公は世界最高の剣士のくせに引退して詩人になりたいというアンチヒーロー。
あきらかにムアコックのエルリックの系譜を引いているわけで、
その点も印象に残る作品になった理由ではないでしょうか。

主人公の仲間にはゴツイのやらドワーフみたいな小人やらが集い、
仕えるのはうら若き女王、オーニソプター(羽ばたき機)が空を飛び、
剣はライトセイバーなんですから、剣とマホーものの定番商品が目白おし。
でもSF感覚は忘れていないところが好きです。

続編もあり、サンリオSF文庫刊行時には邦訳予定となっていました。
んん、出ないのか、出ないでしょうねえ。


■パステル都市 M・ジョン・ハリスン サンリオSF文庫
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