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最初の接触 伊藤典夫翻訳SF

2019年05月28日 | SF
2019年にマレー・ラインスターの短編を読むことになるとは。

ウィンダム作は、遭難譚に母性のエゴイズムをからませたところがミソで、
本邦の○喰○奇譚にも通じるような。
ファーマーとジェイムズ・ホワイト作は、「Why done it」なSFミステリとしても読める。
ホワイト「宇宙病院」シリーズはアシモフのロボットものを思わせる出来で、もっと出てほしい。
中でもいちばんの偏愛作は、デーモン・ナイトの「楽園への切符」。
たしか新潮文庫のアンソロジーでは「無辺への切符」だったはずで、
旧タイトルのほうが好きです。
そして、最後がポール・アンダースン作。
読んでみると、敗戦後の日本をカリカチュアライズしたような話なんですね。
そのあたりを編者高橋良平が忖度したのかも。
で、もうすぐ「危険なヴィジョン 完全版」が出るので、
その先触れとしてSF基本作品のアンソロジーを出したのでは?
基本を理解していないと、なにが、どこが「危険」なのか分からないんじゃないか、と。
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