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チラシの裏

仮面ライダーに人形つかい

2012年04月16日 | SF
今朝の仮面ライダーフォーゼ31話「昴・星・王・国」を見ていたら、
なんと秘密のメッセージを伝える小道具にハインラインの「人形使い」が使われていました。
しかも旧版のほう。ナイスセレクト。
現行版は表紙が士郎正宗で、旧版は加藤直之(加藤直之の作品の中でも傑作の一つだと思いますのに)。
番組で使われていた本はずいぶん読み込まれたあとが見えて、
もしかしたら脚本家(三条陸)の私物なのでは?

ぐいぐい読ませてページをめくる手がとまらない本とはまさに「人形つかい」のこと。
反面ハインラインの右翼思想が辟易寸前の寸止め状態であること、
それ自体が物語を回転させる動力源になっていることは否めません。
主人公(政府の秘密エージェント)の一人称形式が
若干右傾化を見えにくくしている、ということもあるかもしれません。

SF初心者のときに読んだせいか、ハインラインのレトリックこそがSFのキモ、という気がしないでもありません。
当然そこには翻訳者福島正実の力もあったはず。
まあ、そんな小言なんぞ蹴散らすくらいに文句なしのエンタメSFです。
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