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空と地下

2012年04月18日 | ファンタジイ
ハヤカワ文庫ファンタジイは今やブロックバスター的な大河ファンタジイ一色になってしまいましたが、
以前は1冊ものの作品も出ていました。
というか、そっちの方が多かったです。
いつのころからか、
なんとか物語とかなんとかサーガといった大河ファンタジイばっかりになっちゃいましたねえ。
これはまだ今のようになってないころに出た作品です。

現代のロンドンが舞台ですが、屋根の上にもうひとつの世界があるという設定です。
古い建物がひしめきあうロンドンならではの話ですね。
はるか昔に読んだ作品だったので筋をすっかり忘れてますが、
クリスマスイブに事件が終る冒険ファンタジイだったはず・・・。
そんなに傑作じゃないですが(ごめんなさい)、
屋根の上の世界という設定が珍品なので。
ハヤカワ文庫FTもたまにはこんな1冊モノを出してもいいんじゃないですか。



で、空があるとしたら地下もあるというわけで、
「地下鉄少年スレイク」はニューヨークの地下鉄のトンネルを舞台に、
少年がサバイバル生活をする成長物語です。
サバイバルと言っても自然との格闘というわけでなく(大都市の地下ですから)、
地下住人の大人たちとの関係を構築する術を学ぶ、みたいな感じですね。
これも傑作というほどじゃないですが、なぜか心に残ります。
なぜなんでしょうね。
著者のフェリス・ホルマンはヤングアダルト小説を書いている人で、
この「地下鉄少年スレイク」が代表作のようです。
「原生林」という版元がネットでは見つからないので、現在はどうなっているか不明。

■ルーフワールド クリストファー・ファウラー ハヤカワ文庫FT
■地下鉄少年スレイク フェリス・ホルマン 原生林
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