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予期せぬ結末2 トロイメライ

2013年11月25日 | ファンタジイ
早川書房の「夜の旅、その他の旅」、論創社の「残酷な童話」も読んでいないので、
あれこれ書くのは気がひけますが、一読した感じでは「ブラッドベリフォロワー破滅志向型」とでも。
一番最初に置かれた作品は吸血鬼もの「血の兄弟」。
昔のポップスやロックのLPではA面1曲目はシングルカットするような、
聴く側をつかむ曲が配置されていたものですが、
その伝でいけば「血の兄弟」もまずは読み手をつかもう、という編集の意図が見えるようです。

吸血鬼が精神科医にカウンセリングを受ける、という設定がいかにもアメリカ的、映像的で面白い。
ですが、最後まで読んでもう一度読み返すと、意外に荒いというか、
ワンアイデアを勢いで読ませるタイプみたいです。
SF設定を使った作品もありますが、基本的にはホラーエリアの人ですね。

「予期せぬ結末」がシリーズ名で、作家ごとに小タイトルがつく
(ボーモントが「トロイメライ」、コリアが「ミッドナイトブルー」)のは、
分かりにくいんじゃないでしょうか。
「夜の旅、その他の旅」や「残酷な童話」と作品が重複しないセレクションには、
強い思い入れが感じられます。
機会があれば「夜の旅、その他の旅」「残酷な童話」も読もうかな。
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