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●斎藤貴男さんの不安…《財界人や自民党の政治家たちが、いつか近場で、またああいう戦争を始めてほしい…と願っているのではないか、と》

2020年07月03日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/財界は戦争を再び望んでいるのではないかという懸念と不安】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/275003)。

 《休戦までの3年余で死者300万人を出した戦闘そのものについても、すでに憲法9条が施行されていた当時の日本は、占領者としての米軍の出撃基地となり、数千人が戦場に出動して、輸送や上陸作戦に備えた掃海作業などに従事した。ただし、本稿で強調しておきたいのは、朝鮮戦争に伴う特需景気をめぐる歴史認識だ》。

   『●「証拠が出てくれば反省しなければならない」のだから、
                        反省してください
    《【社説】橋下市長発言 あまりにも非常識だ…太平洋戦争末期、
     沖縄には日本兵のための慰安所が置かれ、日本人や朝鮮人女性が
     集められた。沖縄は戦後も朝鮮戦争、ベトナム戦争の出撃基地になった。
     今も米兵による性被害は続く橋下氏の発言は過去の戦争を反省して
     平和を構築する、被害者の苦しみを受け止め語り継ぐという普遍的な
     価値観に完全に逆行するものだ。沖縄が置かれた現実に無神経であり、
     軍隊の暴力性にも関心がないようにみえる

   『●青木理さん、逃れられない歴史的責任…「朝鮮半島が
      平和になるために日本は努力をしなくてはいけない」
    「青木理さん…「日本がどう向き合うか。先の大戦で、ドイツは
     敗戦して分断された。ところが、アジアでは解放された朝鮮が
     分断された。プラス、日本は戦後、朝鮮戦争を梃子にして経済発展の
     土台を築いた。基地は沖縄に押し付けたんですよ。つまり、今のこの
     米朝の対立も分断も、日本は歴史的な責任からは逃れられない。歴史を
     考えた時に、北朝鮮と単に対峙しているだけではなくて、どう向き合うか
     というのは、自ずから明らかになってくる
     むしろ、朝鮮半島が平和になるために日本は努力をしなくてはいけない
     ということは忘れてはいけない」」
    《また、今の朝鮮半島分断の歴史と朝鮮戦争休戦には、先の大戦や日本の
     朝鮮戦争特需がその裏で大いに関わりがある。南北朝鮮には米国とは
     別の日本への感情がある。国際社会の中で孤立するトランプと安倍が
     蜜月であることは、外交的にも決していい状況とは思えない。また
     トランプに頼りにされ、ふらふらと電話で妙な耳打ちや約束でもして
     しまったら…。不安は尽きない

   『●映画『戦場ぬ止み』三上智恵監督:
      「米軍基地は人を殺しに行くための出撃基地なんですよ」

   『●『沖縄スパイ戦史』: 「それまで『先生』と島の人たちに
           慕われていた山下が抜刀した」…「軍隊の本性」
    《「森」は殺され、「美ら海」も殺され、基地から出撃した番犬様らは
     「人」を…。そして、番犬様は格好の攻撃のターゲット。
     出撃基地として「人殺し」「侵略」の恨みを買い、基地周辺も攻撃に
     巻き込まれる》

   『●「今の政治家は、戦後アメリカが利用するために地位を
       残した人間の子孫で、アメリカにへつらうのが家業」
    「日刊ゲンダイのインタビュー記事【HOT Interview 「戦争経済大国」
      斎藤貴男氏】…。風前の灯火のアイデンティティーさへ壊憲しよう
     としている。加えて、そのアイデンティティーを守る過程において…
     《積極的かつ自発的にアメリカに寄り添い、特需を享受した日本
     その醜い姿は、現代史教育でもほぼ語られていない》。さらに、
     アベ様らの醜き歴史修正主義者の噴出。…斎藤貴男さんは、さらに、
     《戦争で儲ける構造そのものは恥ずかしく罪深い。この史実の上に
     立ってこれからもそれでいいのかと問いたいです》と」

 斎藤さんの懸念…《財界は戦争を再び望んでいるのではないかという懸念と不安》《だから私は不安で、いつも怯えている。財界人や自民党の政治家たちが、いつか近場で、またああいう戦争を始めてほしい米軍様、また仕掛けてちょうだいと願っているのではないか、と。》
 経団連は、いまも「プルトニウムをつくる装置」核発電の再稼働を後押し、国家戦略としての「武器輸出」を推進。

   『●ブレーキは無く、二つの「アクセル」な自公政権
    「防衛産業でつくる経団連の防衛生産委員会が、
     事実上の禁輸政策だった武器輸出三原則を大幅に
     緩和すべきだとする提言をまとめた。安倍政権が
     進める三原則見直し作業に呼応した内容で、
     官民一体を演出し、武器輸出解禁に道を開く狙いが
     あるとみられる」

   『●経団連の本音、「市民を戦場に連れてって」:   
     「米国の商売としての戦争」という地獄へ突き落す行為
   『●悪徳企業型徴兵制……「(自衛隊の)派兵はもちろんのこと、
            派遣も反対」の中山素平さんは泣いている

   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。
              そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!
    「財界・経済界・産業界は、まさに「死の商人」……
     「財界の鞍馬天狗」中山素平氏は泣いていないか?」

   『●アベ様や「憲法尊重擁護義務を課せられた政治家」高村副総裁と、
                                    是非、公開討論を!
   『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
        アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる
   『●平和憲法を壊憲し軍隊を持ち「戦争できる国」の時代に:
               「ネジレ」を取り戻し、「厭戦」の世に戻したい
   『●「人殺し」に行くのはアナタ、「自分は
     “お国のために死ぬのはゴメンだ”と」言うヒトを支持する人って?
   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く「「欧米列強に倣え、
          進め」と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
    《2014年6月にフランスのパリで開かれた国際武器見本市
     「ユーロサトリ」で、初代防衛装備庁装備政策部長であり、
     当時防衛省装備政策課長だった堀地徹氏がイスラエル企業の
     ブースに立ち寄り、「イスラエルが開発する無人攻撃機ヘロン
     に関心があると伝え、密談に及んだという。同じ月、
     安倍晋三首相がイスラエルのネタニヤフ首相と新たな
     包括的パートナーシップの構築に関する共同声明を発表、
     防衛協力の重要性を確認し、閣僚級を含む両国の防衛当局間の
     交流拡大で一致した》

   『●「防衛装備移転三原則」と「武器見本市」…《歴代政権が
     踏襲していた武器輸出禁止政策に立ち戻るべき》(琉球新報)
    「「防衛装備移転三原則」と「武器見本市」…「武器輸出三原則」の
     《歴代政権が踏襲していた武器輸出禁止政策に立ち戻るべき》だ。
     本当に悍ましい…人の親として子や孫にそんなに〝人殺し〟させたい
     ものかね。それに、《日本の技術が市民の殺戮に使われる》…、
     考えただけでも悍まし過ぎる。《政府の武器輸出支援》…
     輸出されたその武器の矛先には、誰が居るのか?」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/275003

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
財界は戦争を再び望んでいるのではないかという懸念と不安
2020/06/24 06:00

     (北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所を爆破した北朝鮮
      (C)朝鮮中央通信=共同)

 38度線に集結した北朝鮮軍が韓国側を砲撃し、南下を開始したのは、1950年6月25日のことである。朝鮮戦争勃発から70年。コロナ禍のただ中にあろうと、絶対に忘れられることがあってはならない同時代史だ。

 あの戦争は私たちの過去にも現在にも直結しているから。植民地支配がなければ南北朝鮮の分断はなく、したがって対立もなかった。休戦までの3年余で死者300万人を出した戦闘そのものについても、すでに憲法9条が施行されていた当時の日本は、占領者としての米軍の出撃基地となり、数千人が戦場に出動して、輸送や上陸作戦に備えた掃海作業などに従事した。

 ただし、本稿で強調しておきたいのは、朝鮮戦争に伴う特需景気をめぐる歴史認識だ。戦後の混乱期に打ち出された財政金融引き締め政策(ドッジ・ライン)が激しいデフレを招き、失業や倒産が急増していたタイミングでの戦争で日本経済が得た利益は計り知れない。

 一万田尚登・日本銀行総裁が「神風」だと喜べば、石川一郎経団連会長は「天祐」、永野重雄・富士製鉄社長(後に日本商工会議所会頭)は「干天の慈雨」だと表現を競った。特需は鉄鋼や機械、繊維などを中心に全産業へと広がり、瀕死だった日本経済は高度経済成長への道筋をつけていった。

 興味深いのは、それら戦争特需を原動力とした大手企業の社史である。かつて産業専門紙の記者だった頃に気がついた。

 多くの社史が、朝鮮特需の“恩恵”に言及している。史実なのだから当然だが、引っかからざるを得ないのは――。

 鹿島や清水、大成などのゼネコンは、沖縄の米軍基地建設が急増したことを大感謝。トヨタ自動車に至っては、最新の公式HPでも、当時は経営危機に陥っていたが、〈朝鮮特需を契機に業績は好転し、新たな一歩を踏み出すことができたのである〉と、胸を張っている

 渦中にあった人々が思わず歓喜してしまった気持ちを、軽々に非難したいとは思わない。誰もが生き延びるのに必死だった。だが、何十年も経ってから、隣国の同じ民族同士が血で血を洗い、東西の代理戦争にもされていった不幸と引き換えの繁栄を描いて、懊悩とか呻吟といった情念がまったく伝わってこない記述というのは異様に過ぎる。

 だから私は不安で、いつも怯えている。財界人や自民党の政治家たちが、いつか近場で、またああいう戦争を始めてほしい米軍様、また仕掛けてちょうだいと願っているのではないか、と。
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●「核発電は安い」と言っておきながら、「原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針」

2016年10月12日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092190070120.html)、
吉田通夫記者の二つの記事【原子力政策の限界鮮明に 廃炉費をすべての電力利用者負担へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092102000120.html)と、
【原子力政策のほころび次々 原発廃炉の国民負担議論スタート】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092802000110.html)、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016093002000133.html)。

 《経済産業省は、東京電力福島第一原発の廃炉や事故処理にかかる費用のほか、他大手電力が保有する原発も含む廃炉費用を、原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った。電気料金に含まれる「託送料金」に費用を上乗せする案が有力だ。同省の方針通りに決まれば、四月の電力小売り自由化で大手電力会社以外と契約した消費者も費用を支払うことになる》。
 《経済産業省が東京電力福島第一原発をはじめとする大手電力会社の原発の支援に乗り出すことで、国民には「底なし沼」のような負担が迫る。「原発は安い」という説明を続けながら、(ほころ)びが生じるたびに国民負担を増やすことで覆い隠そうとする政府の原子力政策》。
 《政府は「原発は安い」と説明してきたが、廃炉費用を国民に負担させるための議論を二十七日に開始。「夢の原子炉」と言われた核燃料の高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉とする方向だ。使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の行き場もない。経済産業省はそれぞれの課題の解決に向け、年末に一定の方針を示す考えだが、その場しのぎの対策に終わる可能性がある》。
 《▼だが、福島第一原発の処理に十一兆円以上、他の原発の廃炉にも数兆円はかかる。「核のゴミ」の処理には目途が立たず、費用がどこまで膨らむか上限が見えぬのに、「原発は安いと言い続ける▼そのツケを誰が払うか。政府が今考えているのは、国民に負担させることだ。電力自由化で好きな電力会社を選べるようにしたはずなのに、経済産業省は「どの電力会社を選ぼうが、原発のツケは全員で」と言いだした》。

 核発電を継続しつつ、なに寝言を言ってるのだろう? 《原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針》《どの電力会社を選ぼうが、原発のツケは全員で》だそうです。アベ様ら=核発電「麻薬」中毒患者らのやることときたら…。
 バックエンド費もキチンと織り込まず「原発は安い」と言い続けた方たちが負担をすべきじゃないの? 核発電へと暴走していった大手電力会社がそうやって儲けてきたわけですし、自民党議員と癒着してきたわけですから。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は
       「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●クダラナイ理由で命を賭して伊方プルサーマル核発電再稼働
               …「国民の安全よりも、大切なのはカネと選挙」

 そんな経産省の方針《原発のツケは全員で》なんて議論を始めるのならば、核発電をまずは止めるべきで、1mgでも死の灰が生まれ出ることを止めるべき。ましてや《経産省は代替の高速炉の開発方針を年末に示す考え》なんて論外で、核燃料サイクルが破綻していることを認めることだ。

   『●誰が為に核発電所は再稼働?…
      この酷暑、「電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った」
   『●東電柏崎刈羽原発再稼働!?: 
     《第一原発事故を検証しない限り…》とする泉田裕彦新潟県知事の正論
   『●「福島の声」を聞き、避難者に寄り添っていたのは 
       アベ様ら?、それとも、経産省前テントひろばの皆さん?
   『●九州電力に「普通の社会通念」が通じるか?: 
      三反園訓鹿児島県知事が川内原発を「直ちに一時停止」要望
   『●残念な「泉田裕彦新潟県知事「出馬撤回」事件」: 
       「原子力ムラはニンマリ」「東電の高笑い」で良いの?
   『●「最終処分地に適した地域を色分けして示す日本地図」上に、
                  10,0000年間保存可な色付けは在るの?
   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、
       一方、「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092190070120.html

原発電力の購入拒否でも 全原発の廃炉費用は国民負担
2016年9月21日 07時03分

 経済産業省は、東京電力福島第一原発の廃炉や事故処理にかかる費用のほか、他大手電力が保有する原発も含む廃炉費用を、原則としてすべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った。電気料金に含まれる「託送料金」に費用を上乗せする案が有力だ。同省の方針通りに決まれば、四月の電力小売り自由化大手電力会社以外と契約した消費者も費用を支払うことになる。
 福島第一原発関連の費用に加え、すべての原発に必要となる費用がいくらかかるのか、上限が見えない中で、同省の方針通りに決まれば消費者の負担はさらに増えていく。原発を保有する大手電力会社ではなく、原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針は批判が避けられそうにない。
 同省が費用の上乗せを考えている「託送料金」は、大手電力会社の送電網を使うための「利用料」のようなもので、修繕費など送電網の維持管理に必要な経費を基に国が認可し、すべての電力利用者の電気料金に上乗せされている。主に原発の維持に充てられる電源開発促進税も含まれ、東京電力管内では一キロワット時当たり八・五七円。ここに福島第一原発の廃炉や除染、賠償に必要な費用やほかの原発の廃炉費用も上乗せする案を軸に調整する。
 同省は、原発による電力の一部をすべての電力会社が安く利用できる仕組みを整えることで「国民への恩恵がある」(経産省関係者)とし、消費者に上乗せの理解を求める方針だ。
 二十日に有識者会合「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」(東電委員会)と「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を設置することを発表。年内に正式な結論をまとめ、二〇一七年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する考えだ。
 同省の方針通りになれば、消費者はどの電力小売り事業者と契約していても、原発に必要な費用を負担する可能性が生じる。料金が高くても原発による電力を売らない会社や、電源の種類を選ぼうとする消費者の意向に背くことになる
 福島第一原発では廃炉や除染、被災者への賠償にかかる費用が一三年の見通しを上回っている。東電の数土(すど)文夫会長は今年七月に「越えるべきハードル(負担)が見えないと、責任を持てない」と政府に支援を要請。自民党も対応を求める提言をまとめていた。同様に一二年にも国に支援を求め、国民の負担を強めた。誰も責任を取らないまま国民負担が膨らむ構図は、今でも変わっていない。
 一方、ほかの原発の廃炉費用は同省が一五年の有識者会合「廃炉に係る会計制度ワーキンググループ」で、すべての電力利用者から徴収する方針を示していた。電力の自由化で大手電力会社から顧客が流出すると、廃炉費用を工面できなくなる可能性があるためだとしている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092102000120.html

原子力政策の限界鮮明に 廃炉費をすべての電力利用者負担へ
2016年9月21日 朝刊

 経済産業省が東京電力福島第一原発をはじめとする大手電力会社の原発の支援に乗り出すことで、国民には「底なし沼」のような負担が迫る。「原発は安いという説明を続けながら、綻(ほころ)びが生じるたびに国民負担を増やすことで覆い隠そうとする政府の原子力政策。有識者からは「限界にきている」と厳しい批判が相次いでいる。(吉田通夫

 実質的に国有化されている東電と政府は二〇一三年に福島第一原発の廃炉費用を二兆円と見積もり、東電が工面する計画を立てた。しかし、今後の作業は溶け出た核燃料の取り出しなど世界でも前例のない段階に入り、「十兆円はくだらない」(経産省関係者)などとみられている。除染や賠償費も、すでに一三年の見積もりを超えた。東電関係者によると、今年七月に、東電が政府に支援を求める声明を書いたのは、経産省から出向中の西山圭太執行役で、同省の「自作自演」だった。
 今後、費用の上乗せを議論する「東京電力改革・1F問題委員会」は、国民に負担を求める議論にもかかわらず、経産省は「東電の経営に直結するので」(電力・ガス事業部の畠山陽二郎政策課長)と一部を非公開にする構えだ。
 一方、ほかの原発の廃炉費用は電力会社が四十年かけて積み立てる規則だった。同省の資料によると一三年三月末時点で全国の原発五十基の廃炉費用一・二兆円分が不足している。「原発が安いというならば、原発を持つ大手電力会社は廃炉費用に悩む必要はないはずだが、それも結局は国民に頼るという
 電力問題に詳しい立命館大の大島堅一教授は「矛盾は明らかで、福島第一原発のように最終的にいくらになるのか分からない費用があったり、超長期にわたって費用を積み立てなければならない不安定な電源を『安い』とは言えない」と話す。
 原子力資料情報室伴英幸共同代表は「原発を保有する東電や大手電力会社を生かすために付け焼き刃の対応と国民負担を増やし続けている状態で、原子力政策の行き詰まりは明らかだ」と批判している。

◇各委員会のメンバー 
 (五十音順、敬称略)

東電改革・1F問題委員会
 ▽伊藤邦雄(一橋大大学院特任教授)▽遠藤典子(慶応大大学院特任教授)▽小野寺正(KDDI会長)▽川村隆(日立製作所名誉会長)▽小林喜光(経済同友会代表幹事)▽白石興二郎(読売新聞グループ本社会長)▽冨山和彦(経営共創基盤CEO)▽原田明夫(原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員長)▽船橋洋一(日本再建イニシアティブ理事長)▽三村明夫(日本商工会議所会頭)▽オブザーバー・広瀬直己(なおみ=東京電力ホールディングス社長)

電力システム改革貫徹のための政策小委員会(◎は小委員長、○は小委員長代理)】
 ▽秋池玲子(ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー)▽秋元圭吾(地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー)▽安念潤司(中央大法科大学院教授)▽石村和彦(旭硝子会長)▽伊藤麻美(日本電鍍工業代表取締役)▽大石美奈子(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事)▽大橋弘(東京大大学院教授)▽大山力(横浜国立大大学院教授)▽崎田裕子(ジャーナリスト)▽松村敏弘(東京大教授)▽圓尾(まるお)雅則(SMBC日興証券マネージングディレクター)◎山内弘隆(一橋大大学院教授)▽山口彰(東京大大学院教授)○横山明彦(東京大大学院教授)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/CK2016092802000110.html

原子力政策のほころび次々 原発廃炉の国民負担議論スタート
2016年9月28日 朝刊



(↑すいません、コピペさせて頂きました。
 【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201609/images/PK2016092802100053_size0.jpg】)


 政府の原子力政策のほころびが次々に明らかになってきた。政府は「原発は安い」と説明してきたが、廃炉費用を国民に負担させるための議論を二十七日に開始。「夢の原子炉」と言われた核燃料の高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉とする方向だ。使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の行き場もない。経済産業省はそれぞれの課題の解決に向け、年末に一定の方針を示す考えだが、その場しのぎの対策に終わる可能性がある。(吉田通夫

 経産省は二十七日、有識者会合「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の初会合を開催。原発の廃炉費用を電気料金に含まれる送電網の利用料「託送料金」に上乗せする方向で議論を始めた。十月に始まる「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」の議論も踏まえ、東京電力福島第一原発の廃炉や賠償に必要な費用の上乗せも検討する。
 政府はこれまで原発による発電費用は安いと強調してきた。だが福島第一原発の処理に必要な費用は一三年に見積もった十一兆円を超えることが確実福島第一を除く全国四十八の原発の廃炉に必要な費用には数兆円が見込まれる一方、大手電力会社の積み立ては不足。経産省の資料によると、一三年三月末時点で不足額は一・二兆円に上る。
 「使った以上の核燃料を生み出す」とされたもんじゅは一兆円の税金を使いながらほとんど稼働せず廃炉の方向だ。経産省は代替の高速炉の開発方針を年末に示す考えだが、建設が実現するめどは立っていない。
 核のごみの問題もある。高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地について政府は自治体の立候補を待ったが方針転換。自ら前面に出て、年末に最終処分場を建設できる地域を色分けした地図を示す。しかし「国民との議論が不十分」(東京工業大の今田高俊(いまだたかとし)名誉教授)との指摘があり、決定できるかは見通せない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016093002000133.html

【コラム】
筆洗
2016年9月30日

 夜の繁華街には、なかなか恐ろしい店があって、「安いよ。○千円でいいよ」と誘っておいて、法外な料金を請求する。そんな店を野放しにする訳にはいかぬから、自治体によっては条例で規制している▼たとえば、大阪府の場合は<料金について、不実のこと又は実際のものよりも著しく低廉であると誤認させるようなことを表示し、又は告げてはならない>とし、違反すれば五十万円以下の罰金が科せられる▼しかし、市井では禁じられている行為も政府がやれば、問題にはならぬらしい。「安いよ。原発はお得だよ」と国民に告げ続けても平気なのだ▼だが、福島第一原発の処理に十一兆円以上、他の原発の廃炉にも数兆円はかかる「核のゴミ」の処理には目途が立たず、費用がどこまで膨らむか上限が見えぬのに、「原発は安い」と言い続ける▼そのツケを誰が払うか。政府が今考えているのは、国民に負担させることだ。電力自由化で好きな電力会社を選べるようにしたはずなのに、経済産業省は「どの電力会社を選ぼうが、原発のツケは全員で」と言いだした▼「過去に原発の恩恵を受けていたのだから、その分はこれからも払ってもらう」という理屈だが、これでは、ちゃんと支払いを済ませた店から「経営難で閉店費用も払えないので、追加料金をと請求されるようなもの。消費生活センターにでも訴えようか。
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●トリクルダウンエフェクト: 如何に市民のことなど考えず、大企業・お金持ちにしか目が行っていないか!

2013年10月02日 00時00分15秒 | Weblog


asahi.comの記事【「消費税は『第二法人税』」自民・石破幹事長】(http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY201309190070.html)、gendai.netの二つの記事【安倍と経団連「法人減税で賃金アップ」の猿芝居】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144702と【「消費増税」と「復興法人税」で“対立”演出 安倍と麻生の三文芝居】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144741)。

 石破幹事長は「消費税が上がり・・給料も上げなければいけない・・法人税の負担が過大なのは日本経済によいことではない」と言っていますが、大企業は消費税を納めるどころか、「不労所得」を得ているのですけど? それに、内部留保ばかりで、給料には反映されません。経団連米倉弘昌会長の高笑い。「猿芝居」「デキレース」「三文芝居」。

   『●内部留保と消費税増税: 雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化

 我々の支払った消費税が国庫に入っていると思っているらしい。大企業は、消費税分を弱い立場の下請け・小売りに「泣かせている」現状を理解できていない。さらには、大企業は消費税を納めるどころか、「不労所得」さえ得ているというのに。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●消費税増税: フリーハンドを渡してはならない

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http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY201309190070.html

「消費税は『第二法人税』」自民・石破幹事長

■石破茂・自民党幹事長

 消費税と法人税をめぐる議論が盛んだが、消費税は「第二法人税」という意味合い。赤字だろうが黒字だろうが(企業は)納付しないといけない。消費税が上がり、物価が上がって、給料も上げなければいけない。そのためにも、法人税の負担が過大なのは、日本経済によいことではない。

 日本は人口が減り、高齢化が進み、内需の拡大は限界がある。法人税の国際水準と比べて、企業が海外に展開するときに法人税の負担が過重であれば国際競争力がもたない。消費税率を上げて法人税を下げると「やっぱり自民党だ」と言われるが、けちなことは考えていない。(日本商工会議所総会のあいさつで)
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http://gendai.net/articles/view/syakai/144702

安倍と経団連 「法人減税で賃金アップ」の猿芝居
2013年9月21日 掲載

増え続ける起業の現預金

 呆れた猿芝居だ。経団連米倉会長が20日、安倍政権が検討している企業減税について、「官に取られるより企業に残る部分が多くなるので、賃金は増えると思う」と指摘。法人税減税や投資減税は、働く人たちに恩恵があると強調した。

 なんとデタラメな言い分か

 企業減税は、消費税率の引き上げとセットになっている。国民はいや応なく負担増を強いられるのだ。見返りは何もない。個人の所得税だってそのままである。それなのに企業だけは負担を減らしてもらうのだ。企業の代わりに国民が、負担を背負わされるのである。賃金ウンヌンの前に、やり方がおかしい。アンフェアだ

 安倍政権は「復興特別法人税」も1年前倒しで廃止する方針である。安倍は「全閣僚が復興大臣」とか言ってたが、案の定、大ウソだった。被災者も企業のために我慢を強いられるのである。さすがに公明党の山口代表も、「国民が納得いくかどうか、大いに疑問だ」と言い出したが、当然だろう。

 そこで経営者側は、「みなさんにも利益はありますよ」とアピールし、なんとか言いくるめようとしているらしい。まったく、なめた態度である。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。

   「安倍政権が企業減税を打ち出し、それを受けて米倉会長は賃金増に
    つながると歓迎する。これはもうデキレースとしか思えません。減税で
    賃金が上がるなんて方便に過ぎない。企業の負担を減らしても、
    賃金は増えません。2002年2月から始まった“いざなぎ超え”の好景気の
    間も、従業員の給与は減り続けた。企業利益は、株主への配当と内部留保
    回されたのです。アベノミクスで景気が上向いているといわれる今も、
    基本給に相当する所定内給与は14カ月連続でマイナス。ちっとも上がって
    いません。もしも賃金が増えるというのなら、本当に増やしてもらいたい。
    どうしても法人税を下げたいのなら、賃金の上昇を確認した後にすべきです」

 日銀の資金循環統計によると、6月末時点の企業の現預金は220兆円で、1年前から6.9%も増えたそれでも給与は減らされているのだ。その上、消費増税で企業のために負担しろという。国民をバカにするのもいい加減にしろ!
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http://gendai.net/articles/view/syakai/144741

「消費増税」と「復興法人税」で“対立”演出 安倍と麻生の三文芝居
2013年9月24日 掲載

<財務省と国民向けパフォーマンス>

 安倍首相と麻生財務相がサヤ当てを演じた――消費税率引き上げをめぐり、こんな報道が目立っている。

 メディアで紹介されているやりとりは、ドラマのように格好がいい。予定通り来年4月からの実施を求める麻生に、経済重視の安倍が特別復興法人税の前倒し廃止を主張。麻生は「オレのセンスじゃない」と反論するが、安倍が「譲れない」と突っぱねる。最後は安倍が、消費増税と企業減税をセットで実行すると決断した……。こんな具合である。

 惑わされてはダメだ。こんなもの三文芝居に過ぎない。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。

   「議論百出の演出ですよ。賛成も反対も出尽くしたけど、最後は首相が
    リーダーシップを発揮した。そんなふうに見せるためのセレモニーです。
    麻生財務相は、財務省の代弁をしなければならないし、党税調の意向も
    踏まえて対抗した姿を見せたい。ただ、落としどころは心得ている。
    ガチンコではやりませんよ。首相にとっても、『財務省と闘っている』という
    パフォーマンスになる。財界や国民に向けたアピールになります」

 麻生が本気で「企業減税はおかしい」と思うのなら、「考えが違う」「冗談じゃない」と辞表を叩きつければいい。結局、安倍のシナリオ通りなら、単なる狂言回しである。

 そもそもエスタブリッシュメントの家系に生まれた親戚同士。自宅も近く、麻生が安倍の私邸を訪れることも珍しくない。5月に2時間滞在したときは、「衆参ダブルの密談か」なんて臆測も呼んだ。

 やり合う間柄ではないのである。

   「ああ見えて麻生財務相は浪花節が好きで、義理と人情の自分に酔うタイプ。
    寝首をかくようなことはしない。首相の右腕の菅官房長官も、『麻生さんと
    甘利さんとは毎日顔を合わせているし、意思疎通が出来ている』と
    話しています。ただ、最近は安倍首相の周りが調子づいている。
    『安倍は10年政権だ』なんて声も聞かれ、清和会以外の連中は面白くない。
    消費税とTPPが終われば、党内は権力闘争でガタガタし始める公算は大。
    両者の蜜月も、潮目が変わるかもしれません」(鈴木哲夫氏)

 なんとも分かりやすい行動原理。大事なのは国民の暮らしではない。自民党の政治家を突き動かすのは、しょせん私利私欲だけなのである。
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●消費税増税ありきのヒアリングに何の意味があろうか?

2013年09月04日 00時00分50秒 | Weblog


gendai.netの記事【出席の有識者が暴露 「消費税ヒヤリング」のフザけた実態】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144310)。そして、asahi.comの二つの記事【来春に消費税8%、賛成7割超 60人ヒアリング終了】(http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310264.html)、【来春に消費税8%、賛成7割超 60人ヒアリング終了】(http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310233.html)。

 そりゃ~「有識者」サマの人選でいくらでもヒアリング内容を誤誘導できるでしょうよ。7割がた消費税増税に無批判賛成派を集めたんですから、ヒアリング内容もお望みどおりの消費税増税賛成になって当たり前。「大企業の代弁者=労働者の敵」米倉弘昌 経団連会長が「消費増税反対」なんて、金輪際、言うはずもない。だって、平然と「企業も消費者も増税を前提に経済活動している。ここで覆ると株安、通貨安、債券安のトリプル安の恐れ」なんて言うことがいえる有識者サマなんですから。こんなヤラセヒアリングに一体何の意味があるのだろうか? 市民の意識を反映しているとはとうてい思えない。「×」の人も、将来の「消費税増税」には賛成で、この最悪の税制そのものへの批判ではないようだ。

 自公議員など、消費税増税派に好き勝手やらせてて、何の怒りも、疑問も感じないなんて・・・・・・。一度でいいので、斎藤貴男さんの『消費税のカラクリ』を読んでくれないかな、きっと気づくはずだから。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●消費税増税: フリーハンドを渡してはならない
   『●内部留保と消費税増税: 雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144310

出席の有識者が暴露 「消費税ヒヤリング」のフザけた実態
2013年8月31日 掲載

やはり壮大なガス抜きに終わった

<1人の持ち時間は8分、政府からの質問なし

 消費増税の是非を有識者に聞く、安倍政権の「集中点検会合」が31日に終了。6日間ぶっ通しで総勢60人から意見を聞いたが、大半は「増税やむなし」反対派の声は数えるほどだ。人選を任された甘利経財相は「職業・年齢・増税の考え方について、バランスよく配置した」と言っていたが、フタを開ければ、やはり「結論ありきの壮大なガス抜きだった。出席した有識者のひとりも、ヒアリングのあきれた実態を打ち明ける。

 6日間の会合とも報道陣に公開されたのは、各大臣の冒頭のあいさつまで。麻生財務相が会合の意義をテキトーに語り、甘利大臣が出席者の肩書を紹介すると、報道陣は会場から閉め出された。増税を巡って、どのような議論が交わされたのか。真相は出席メンバーにしか分からない

   「ヒアリング後、数分ほど質疑応答の時間が用意されましたが、
    政府側からの質問はほとんどなかった。誰も何も言わないから、
    私の方から『財務省は誤ったマクロ経済指標をいつまで使う気なのか』
    と逆に質問させてもらったほどです」

 そう会合のシャンシャンぶりを振り返るのは、出席者のひとりで、筑波大名誉教授の宍戸駿太郎氏(経済学)だ。学者やエコノミストを招いた2日目の会合に参加し、「当面は増税を凍結して経済成長を優先すべきだ」という持論を展開した。宍戸氏が続ける。

   「私どもの対面には、麻生・甘利両大臣がテーブルの中央にデンと
    席を構え、経済財政諮問会議の民間議員が横を固めていました。
    私の参加日は、有識者9人が横一列に座らせられ、順に意見を
    述べましたが、1人の持ち時間はたった8分だけ。参考資料を
    あらかじめ配布していたとはいえ、これだけの短時間で意見を
    伝えきるのは至難のワザ。政府側に十分に伝わったのかも疑問です」

 残る8人のうち、宍戸氏のほかに「増税反対」をハッキリと唱えたのは、エコノミストの片岡剛士氏のみ。エール大名誉教授の浜田宏一氏と、クレディ・スイス証券の白川浩道氏が「毎年1%ずつ上げていくべき」と主張したが、増税自体には賛成だった。

   「いま増税すれば、経済成長の腰折れを招くのは自明の理。私は
    経済学者として当然の意見を言っただけで、今回の有識者たちの
    意見が『増税賛成』に傾いているのは信じられません。結局、政府が
    都合の良いメンバーを選んだに過ぎず、専門家の総意は反映されて
    いないのです。政府は私を『反増税の代表格』のように扱っていますが、
    私以上に激しく増税に反対している専門家は大勢います。なぜ、
    経済評論家の三橋貴明氏やエコノミストの菊池英博氏、
    産経新聞編集委員の田村秀男氏などは選ばれなかったのか。
    政府は『バランスを重視した』と言うなら、彼らの意見も聞くべきです」
    (宍戸氏)

 今回の会合はしょせん増税に向け、議論を尽くしましたよという安倍のポーズだ。見え透いたアリバイ工作に利用された有識者たちは、怒った方がいい。
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http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310264.html

2013年8月31日22時8分
来春に消費税8%、賛成7割超 60人ヒアリング終了

 安倍政権が、各界代表や経済専門家ら60人から消費増税について意見を聴く「集中点検会合」が31日、6日間のヒアリングを終えた。朝日新聞の取材では、7割を超える43人が来年4月から消費税率を8%に引き上げることに賛成した。一方、反対や慎重な意見は14人いて、「先延ばし」「毎年1%ずつ」「2015年10月に一気に10%に」という提案が出た。3人は「首相に任せる」など賛否を明らかにしなかった。

消費増税賛否 60人の意見

 麻生太郎財務相や甘利明経済財政相らが60人の意見を聴いた。意見は報告書にまとめ、3日にも安倍晋三首相に提出する。

 消費増税法では、消費税率を来年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる予定だが、景気状況などをみて約半年前に最終判断する。予定通りの増税には、米倉弘昌・経団連会長らが賛成し、医療や介護、子育てに関わる人たちも「社会保障の財源のために増税が必要だ」と訴えた。

 これに対し、増税に反対したのは、主婦団体の代表、若者の就職を支援している人など5人。くらしの負担増で貧困や格差が広がりかねないと訴えた。

・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY201308310233.html

2013年8月31日22時8分
消費税ヒアリング 60人の増税への賛否と主な発言

(「来年4月に消費税率を5%から8%に引き上げること」に、○は賛成、×は反対、―は無回答や態度保留など。会議後の取材などから)

来春消費税8%、賛成7割超


■第1日 総論

岩田一政・日本経済研究センター理事長・×
 経済へのショックを和らげるには、来年4月から毎年1%ずつ増税していくのが望ましい

加藤淳子・東大院教授(政治学)・○
 軽減税率には反対。何を(軽減の)対象にするかで政治的議論になる(甘利経済財政相の発言紹介から)

古賀伸明・連合会長・○
 所得税や資産課税の累進制(所得・資産が多いほど税率が高い制度)で所得再分配機能を強化するべきだ

古市憲寿・東大院博士課程(国際社会科学)・○
 若者や現役世代に目が向いていない。教育や社会保障など、人々が再生産できるようお金を使うべきだ

増田寛也・東大公共政策大学院客員教授、前岩手県知事、元総務相・○
 景気へのマイナスの影響を避けるために補正予算が必要。安易な公共事業ではなく、将来につながる予算を

山根香織・主婦連合会長・×
 消費増税は断固反対。給料も上がらない今の状態で増税を強行すれば、貧困や格差が拡大すると思う

米倉弘昌経団連会長、住友化学会長・○
 企業も消費者も増税を前提に経済活動している。ここで覆ると株安、通貨安、債券安のトリプル安の恐れ



■第2日 経済・金融(1)

伊藤隆敏・東大院教授(国際金融)・○
 増税してもデフレ脱却に失敗することはない。(先送りなど)代案には政治的、時間的コストが大きい

稲野和利・日本証券業協会長・○
 増税の延期は、株安や金利上昇などの混乱を招くおそれがある。補正予算などで景気の腰折れを防ぐべきだ

片岡剛士・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員・×
 黒田日銀総裁は2年で年2%の物価上昇を達成しようとしている。達成するまで消費増税は先送りすべきだ

熊谷亮丸・大和総研チーフエコノミスト・○
 景気の下支え策を講じたうえで増税すべきだ。法人減税や住宅(販売)の激変緩和策、給付金、公共事業を

宍戸駿太郎・筑波大名誉教授(経済政策)・×
 7年後まで増税を凍結すべきだ。2020年に(失業者がほとんどいない)完全雇用を達成してからでも遅くない

白川浩道・クレディ・スイス証券チーフエコノミスト・×
 1%ずつ5年にわたって上げる方が望ましい。デフレ脱却の確率が高まり、より税収も増える可能性がある

武田洋子・三菱総合研究所チーフエコノミスト・○
 デフレ脱却と財政再建の両立が必要。財政への信認がないと「悪い金利上昇」につながる可能性がある

中空麻奈・BNPパリバ証券投資調査本部長・○
 財政再建は急務。若い世代と60歳以上の世代間格差が大きい。消費税を増税して格差を埋めるべきだ

浜田宏一・エール大名誉教授(国際金融)、内閣官房参与・×
 (増税は)デフレ脱却を阻害する。1年延ばすか、(税率を)毎年1%ずつ高めていくことも考慮すべきだ



■第3日 国民生活・社会保障(1)

井伊雅子・一橋大教授(医療経済学)・○
 将来の医療や介護が心配で消費を控えようと思う人が多い。(社会保障の)安心感が増税の理解につながる

石黒生子・UAゼンセン副書記長・○
 (税率)引き上げ分は社会保障の充実に使うべきだ。非正規労働者に社会保険の適用を拡大してほしい

工藤啓・NPO「育て上げ」ネット理事長・×
 生活への打撃で非正規雇用の若者らが前に進む力が失われる。マクロ(経済)的に正しくても賛成できない

小室淑恵・ワーク・ライフバランス社長・○
 待機児童対策をスピーディーに進めるべきだ。団塊ジュニア世代が出産適齢期を終えてからでは遅い

永井良三・自治医科大学長・○
 予定通り(税率を)引き上げなければ社会保障の整備ができない。団塊世代は12年後に75歳以上。待てない

宮本太郎・中央大教授(福祉政策論)・○
 雇用と経済を支える税の使い方、社会保障改革をきちっとやるという条件で早急に消費増税に着手すべきだ

横倉義武・日本医師会長・○
 社会保障財源として使うべきだ。(税率を)1%幅ずつ上げると診療報酬(の事務)などで手間がかかる

吉川万里子・全国消費生活相談員協会理事長・○
 安心して暮らせる社会のためにやむを得ない。使い方を明確にし、公共事業にできるだけ流れないように


■産業

石沢義文・全国商工会連合会長・×
 (増税分を)中小は価格転嫁できない。免税や簡易課税を広げる対策がないと中小商工業への打撃が大きい

岩沙弘道・不動産協会長、三井不動産会長・○
 財政規律と社会保障は避けて通れない。増税後の住宅市場の落ち込みはローン減税の拡充もあり、限定的だ

岡村正・日本商工会議所会頭、東芝相談役・○
 社会保障が今の財政では回らず、10%上限の増税はやむを得ない。ただ、複数税率の導入には断固反対

岡本圀衛・経済同友会副代表幹事、日本生命保険会長・○
 (財政再建の)国際公約を破ると国債や株が暴落する。若者の将来のために現役の我々が痛みを負うべきだ

小松万希子・小松ばね工業社長・○
 財政状況を考えると仕方ないが、大企業のように円安・株高の恩恵はなく、賃金もすぐには上げられない

清水信次・日本チェーンストア協会長、ライフコーポレーション会長・―
 増税するかどうかは総理が決め、国民はそれに協力すべきだ。増税するなら低所得者の負担軽減策が必要だ

鶴田欣也・全国中小企業団体中央会長・○
 景気回復はまだ中小企業には浸透していない。中小企業に届く景気対策や税制面での配慮をしてほしい

豊田章男・日本自動車工業会長、トヨタ自動車社長・○
 消費増税には賛成だが、自動車の国内生産を維持できるよう、自動車取得税や自動車重量税は廃止を

樋口武男・住宅生産団体連合会長、大和ハウス工業会長・○
 財政を改善しなければ、不信感で国債が値下がりして金利が上がる。駆け込みでの住宅取得者の混乱も招く



■第4日 地方・地域経済

青柳剛・群馬県建設業協会長、沼田土建社長・○
 建設業は景気に左右され、疲弊している。増税時には(公共事業での人件費の)単価も引き上げてほしい

阿部真一・長野県佐久市の岩村田本町商店街振興組合理事長・×
 (来春は見送って)15年10月に一気に税率10%に。2段階で税率を上げると、消費が2回冷え込んでしまう

岸宏・全国漁業協同組合連合会長・○
 魚の消費減退が心配なので、(食品などの税率を低くする)軽減税率の適用を検討してほしい

坂井信也・日本民営鉄道協会長、阪神電気鉄道会長・○
 1%ずつの(税率)改定はその都度システム改修が必要で極めて困難。(増税後は)地方鉄道への支援も

立谷秀清・福島県相馬市長・○
 被災した弱者や高齢者のためにも社会保障の財源は必要だ。被災地といえども反対の立場はとれない

谷正明・全国地方銀行協会長、福岡銀行頭取・○
 財政再建と社会保障改革のためには増税が必要。予定通りに増税できなければ、国際的な信用を失う

西田陽一・おんせん県観光誘致協議会長・○
 商品(価格)と税金を別々に示し、(価格転嫁しやすい)外税方式が時限立法で認められた。恒久化を

万歳章・全国農業協同組合中央会長・○
 食料品への軽減税率をぜひ導入してほしい。1%ずつ(税率を)上げるのはコストがかかるので反対

古川康・佐賀県知事・○
 景気減速を防ぐため、高速道路無料化など、人の移動や旅行のきっかけをつくる需要喚起策をしてはどうか



■第5日 国民生活・社会保障(2)

青山理恵子・日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会副会長・○
 生活困窮者や障害者に対しては、手厚い対策をとるべきだ。税収増はすべて社会保障費に充ててほしい

大久保朝江・NPO法人・杜の伝言板ゆるる代表理事・×
 増税は仕方ないが、1年先送りすべきだ。被災地は復興が遅れており、増税がものすごく影響する

岡崎誠也・国民健康保険中央会長、高知市長・○
 消費税は(低所得者ほど負担が重い)逆進性がある。増税と同時に低所得者対策をきめ細かくやってほしい

奥山千鶴子・NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長、NPO法人びーのびーの理事長・○
 消費増税は子育て世代にとって本当に厳しいが、ここで上げなければ子育て支援を充実させられない

白石興二郎・読売新聞グループ本社社長(日本新聞協会長)・×
 読売の主張は「来春の増税を見送り、15年10月に10%に」。新聞協会としての統一見解はない

清家篤・慶応義塾長、社会保障国民会議会長・○
 予定通りの税率引き上げが将来世代の負担を軽減する。社会保障の安心は景気にもプラスの影響を与える

馬袋秀男・「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会理事長・○
 社会保障と税の一体改革の道筋をつけないと、12年後に100万人必要とされる介護の担い手が集まらない

林文子・横浜市長・×
 増税はやむを得ないが、(時期が)来年4月と言い切ることはできない。国が慎重に判断することだ

広田和子・精神医療サバイバー・×
 低所得者が一番打撃を受けるのが消費税だ。暮らしを守るため、増税前に社会全体を見直すことが大事だ



■第6日 経済・金融(2)

植田和男・東大院教授(マクロ経済学)・―
 賛否は言わなかった。(増税を)ゆっくりやるのも一案だが、その時は税率10%の先の姿も同時に示すべきだ

菅野雅明・JPモルガン証券チーフエコノミスト・○
 将来的には税率を20%に上げる必要がある。8%への増税の景気対策は3兆~5兆円の補正予算が必要だ

国部毅・全国銀行協会長、三井住友銀行頭取・○
 海外は増税を織り込んでおり、先送りすれば信認が揺らぐ。景気対策として公共投資や低所得者への給付も

高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト・○
 財政規律を守る姿勢を示すことが重要だ。8%にも上げられないならば、10%はますます難しい

土居丈朗・慶大教授(財政学)・○
 社会保障の世代間格差が広がっている。消費税で、高齢世代を含むすべての世代が負担を分かち合うべきだ

永浜利広・第一生命経済研究所主席エコノミスト・―
 1997年の増税幅2%に対し、今回は3%で国民負担はより大きい。増税と合わせ、大胆な景気対策も必要

西岡純子・アール・ビー・エス証券東京支店チーフエコノミスト・○
 増税しないと(国債の)格下げで金融市場が混乱する可能性がある。増税直後の大きな影響は長く続かない

本田悦朗・内閣官房参与、静岡県立大教授(国際金融)・×
 1%刻みで増税してはどうかと提案した。デフレ脱却を確実に実行し、税収を上げることを重視すべきだ

吉川洋・東大院教授(マクロ経済)・○
 社会保障を安定させ、財政再建を進める第一歩。よほどの出来事がない限り、やめるべきではない
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●消費税増税、やってはイケナイ: 斎藤貴男さん名著『消費税のカラクリ』から学ぶ

2013年07月26日 00時00分03秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072002100003.html)。

 記事によると「百三十万円の消費税を支払う資金がなかった」方がいる一方で、「・・・自動車、電機、商社など少なくとも十八社に、各数百億円から一千億円超が還付されている」というこのあほらしい税制、不公平な税制。
 斎藤貴男さんの名著『消費税のカラクリ』から、そのカラクリに納得がいく。例えば、「輸出戻し税・・・輸出比率の高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは消費税という税制によって、莫大な不労所得さえ得ている」のである。それは「不労所得」なのである。市民は額に汗して消費税を納める努力をし、大企業は「不労所得」を得ているのである。馬鹿らしいにもほどがある。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   
    「こう云った悲劇とは裏腹に、輸出戻し税という仕掛けも。
     「零細事業者が直面させられている悲惨とは裏腹に、消費税は大企業
     とりわけ輸出比率の高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは
     消費税という税制によって、莫大な不労所得さえ得ていると断定して
     差し支えない」(p.100)。かたや「貰っていない税金をお前が払え」
     といわれ、かたや大企業は「不労所得」を得ているわけ! 馬鹿らしい。
       「・・・消費税は国内での取引に課税されるものであり、輸出や国際輸送
     など輸出に類似する取引では免税される。・・・/・・・輸出取引については、
     国内で発生した消費税負担は完全に除去されることに」(pp.100-101)
     なる。消費税を納めないどころか、多額の還付金。「・・・最も多額の還付金を
     得たのはトヨタ自動車で、約三千二百十九億円」(p.103)!! 
     あーっ・・・、本田技研工業までが」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013072002100003.html

<6年後の私たち>消費税  「大手ばかり優遇
2013年7月20日 紙面から

 愛知県刈谷市の住宅街にある倉庫で、次男(40)と会社を経営する黒岩行子さん(67)が数人の女性従業員とともに、車の内装に使われる布をミシンで縫っていた。一枚処理して三十五円。仕事量は少なく、七人の従業員に交代で出勤してもらっている。

 元請けの大手自動車メーカーから数えて何次下請けなのか分からない。今年の三月期決算では、百三十万円の消費税を支払う資金がなかった。「八年前に死んだ夫の生命保険金を貯金してあり、これを会社に貸して納税した」。同じころ、大手自動車メーカーの決算は過去最高益が相次いだ。「アベノミクス(安倍晋三首相の経済政策)ってどこに落ちてるんだろう

 一方、野党の党首はテレビの討論番組で「労働者の最低賃金を一時間千円に」と発言していた。縫製作業は慣れた従業員でも五十枚仕上げるのに一時間半かかる。「一時間で千百七十円の売り上げが限界。現実が分かっているのか」。売り上げから家賃や人件費を引くと何も残らない。

 赤字企業は、利益にかかる法人税を払わなくてもいい。しかし、消費税からは逃れられない。仕入れ時の消費税は仕入れ先が払うが、その分を除いて売り上げの消費税は納付する。

 元請けからの納入単価の引き下げ要求も、下請けには悩みの種だ。昨年二月、大手自動車の下請けが多い地域で、地元労働組合が中小企業にアンケートをした。「単価の切り下げは当たり前。断れば仕事がなくなる」「安くしなくては仕事はこない。50%くらい下げています」。労組の担当者は「費税が上がれば廃業が相次ぐのでは」と懸念する。

 その半面、消費税を払うのではなく、もらう企業がある。輸出品には消費税をかけられないため、輸出企業は仕入れにかかった費用の消費税分が税務署から還付される。二〇一一年度は消費税徴収予定額が十二兆円余なのに対し、還付額は約三兆円に及ぶ

 消費税制の矛盾を突く著作のある湖東(ことう)京至・元静岡大教授が、企業の有価証券報告書に記載された売上高、製造原価報告や、各社の公表する製品の輸出割合などに基づき試算したところ、自動車、電機、商社など少なくとも十八社に、各数百億円から一千億円超が還付されている。

 トヨタ本社や系列企業が集中する豊田税務署の場合、一〇年度は消費税徴収額が三百五十億円なのに対し、還付額は千六百六十億円。つまり、徴収額より還付額の方が千三百十億円も多い。日産本社のある神奈川税務署も、徴収額六百億円に対し、還付額は千百億円に上る。

 大手輸出企業は消費税率が上がっても、その分を国から還付され、仕入れ額の上昇は単価切り下げでしのぐことも可能だ。参院選の後には、成長戦略に沿った法人税減税の検討も本格化するとみられるが、国税庁のまとめでは国内法人の七割以上が赤字だ。赤字企業は法人税減税の恩恵を受けない。あるのは消費税の重圧だけだ。

 「国のやることは大手企業の優遇ばかり。消費税を上げるより先に、国会議員の給料と数を減らすべきじゃないか」と黒岩さん。零細企業の現実を見ぬ政治に腹が立つばかりだ。 (飯田孝幸)


公約見極めポイント 平等望むなら据え置き

 政府は景気状況をみた上で現在5%の消費税率を来年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げるかを判断する。日本商工会議所など4団体は11年夏、消費税の販売価格への転嫁状況を中小企業にアンケート。増税された場合に引き上げ分を価格に転嫁できないとする企業は売上高1500万円以下で68%、1500万~2000万円で67%、2000万~3000万円で64%に及んだ。経済アナリストの森永卓郎氏は「消費税は富の分配の問題と考えたほうがいい」と指摘。「消費増税は金持ちや大企業ほど負担が少なく弱肉強食の社会が進む。平等にするなら据え置きか引き下げるべきだろう」と話す。
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●アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない ~年金マネーをアベノミクスのサイフに~

2013年07月05日 00時00分38秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013061802000128.html)とgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/142980)。

   『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題

 原発推進という一点で既にダメダメな自公議員という選択肢。結果として原発推進へと向かうのならば、そんな政党(公明党)に投票することは許されないと思う。まずは、それが第一の譲れないポイント。
 ましてや、TPPはどうでしょうか? 平気で公約を破り、TPPを推進するという公約だったならまだしも、「TPP断固反対」という公約を破棄したのだから、TPP推進が多くの国民に良い結果をもたらすとは思えない。

   『●「日本を壊す!? 自民党」
          『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号)について
   
     「今週のブログ主のお薦めは、その表紙。自民党の公約批判を込めて、
      「日本を耕す!!」どころか 日本を壊す!? 自民党」、
      「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」なんて嘘っぱち、
      「ウソはつく。TPP交渉参加。ブレる。」。」

   『●アベノミクスの宣伝に騙されて彼らに投票してしまえば、待っているのは格差社会

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013061802000128.html

TPP対話おろそか 意見公募せず HP資料のみ
2013年6月18日 朝刊

 来月下旬に交渉参加の時期が迫る中、安倍政権がTPPに関し市民や業界団体と対話する会合をほとんど開こうとしないことを懸念する声が出ている。国民の理解不足や意見を反映する場の少なさを心配する意見だ。それでも政府は、国民から広く意見を募る意見公募(パブリックコメント)をしない方針。これには交渉参加に慎重な団体だけでなく賛成する団体も「地方の理解が進まない」と不満を示す。 (吉田通夫)

 本紙の調査では、四十四道府県議会がTPPに反対か慎重な意見書などを可決した。安倍晋三首相は交渉参加を表明した三月の記者会見で「状況進展に応じて丁寧に情報提供することを約束する」と強調したが、政府はホームページに各種資料を掲載しただけ。担当者が説明する機会は日米事前協議が決着した後、都道府県の担当者らを東京に集めた会合にとどまり、一般市民が参加できる説明会は一度も開いていない。

 自民党は二〇一二年十二月の衆院選で条件付きながら「TPP反対を掲げて圧勝した経緯がある。安倍首相は今年二月の訪米の際「聖域なき関税撤廃は前提でないと確認した」ことで条件をクリアしたと判断し、国民への説明が乏しいまま方針転換した。民主党政権が担当相も出席するなどし約九十回の意見交換の場を設けたのとは対照的だ。

 それだけに十七日の説明会では、出席団体から市民が参加できる説明会の開催や意見公募を求める声が相次いだ。政府側は今後、交渉過程に応じ情報を開示する方針は示したが「一カ月後には交渉が本格化するので人員に余裕がない」などと、説明会の開催や意見公募を拒んだ。

 こうした政府の姿勢を日本商工会議所の担当者は「インターネットで一方的に情報を開示するだけでは、読んでも分からない」と不安視。TPPへの参加には賛成しつつも「地方での説明会が少なく理解が進んでいない」と話し、説明の場を増やすよう求めた。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/142980

2013年6月18日掲載
聞いてないぞ! 竹中平蔵!! 年金資金でインフラ整備なんて許されるのか

いつのまにか成長戦略を支えるサイフに

 大メディアはほとんど報じていないが、我らが年金の運用方針が大きく変わることになりそうだ。

 産業競争力会議で議論になっていたもので、竹中平蔵慶大教授らが国債偏重の運用方針の見直しを提案、もっと年金資金を株に振り向けるべく、7月に有識者会議が立ち上がることになった。

 これだけだって、年金資金を株価対策に使うのか、と非難の声が出ているが、驚くのは早い。運用先の候補として、株の他に「国内外のインフラ設備などのオルタナティブ投資」が含まれているのだ。

 成長戦略では他国へのインフラの輸出30兆円が盛り込まれた。国内のインフラ整備ではPFI(民間資金活用による社会資本整備)がうたわれ、官民ファンド創設が打ち出された。どこがカネを出すのかと思っていたら、年金資金を回す計画が密かに進行中だったということだ。

 年金マネーをアベノミクスのサイフにするなんて、「国民は聞いてないぞ!」ではないか。

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や国家公務員共済組合連合会(KKR)などの公的年金と、それ以外の独立行政法人がいっせいに運用方針を見直せば、約200兆円のマネーが動く。なるほど、竹中らが目をつけそうな話だが、衆院議員の山井和則氏はこう言った。

   「年金資金の運用拡大については早い段階から産業競争力会議の中で
    検討されてきました。しかし、年金資金を成長戦略に使っていいのか。
    そもそも、ここからして、疑問です。年金資金は毀損しないように
    安全運用を目指すべきだし、海外のインフラ整備にはリスクが伴う。
    国民は何も知らされていないのに、勝手な変更は許されません」

 政府は「だから有識者会議を立ち上げるのだと強弁するだろうが、この設置時期も疑惑だ。

   「運用見直しの有識者会議が7月に立ち上がれば、株式市場は期待して、
    沸く。参議院選挙向けの株価対策にも見えます」(山井議員)

 リスクをとって、運用に失敗したときはどうするのか。もちろん、竹中たちはもういない
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●消極的にしろ、積極的にしろ、「原発0%」しかない

2012年08月25日 00時00分13秒 | Weblog


ムダ首相が反原発連合と面談した件についてのasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120823.html)と東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082302000121.html)。国民が示した民意についてのasahi.comと東京新聞の記事(http://www.asahi.com/business/update/0822/TKY201208220162.html?ref=recahttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082390070419.html)、さらに、東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082402000119.html)。

 東京新聞の記事『再稼働平行線 脱原発団体と首相面会』、(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012082302000114.html)によると、

   「首相と反原発連合との面会を受け、藤村修官房長官は
    記者会見で「一つの連合体との話はこれで終わっている」と、
    今後の面会予定はないとの考えを示した」

・・・そうなので、要は形だけ実施して、脱原発なんてお題目だけで、やる気など全くないことを表明し、ご意見拝聴の場を設けたという既成事実だけを作りたかったわけ。

   「首相は反原発連合との面会後、日本商工会議所の岡村正会頭とも
    官邸で会談。原発再稼働の必要性などについて意見交換した」

・・・そうなので、要は、財界大企業の方しか向いていない。

   「反原発連合側は「承服しかねる。福島の事故も収束していない。
    安全を保てない政府を国民は信用していない」と反発。
    首相に官邸前での抗議活動の参加者に直接、説明をすることを求めた」

・・・そうだが、抗議の声も耳に入らず、官邸でお食事会でも開いているようなムダ首相ですから、しょせん無理なお話でしょう。

 消極派にしろ、即時廃炉の積極派にしろ多くの人々の「原発0%」の決意は既に見えているのではないか。私自身は、即座に廃炉にすべきだと思う。また、核燃サイクルの幻想もすぐさま捨て去るべきだ。原発関連の事業は、福島第一原発4号炉の使用済み燃料プールに集中すべきだし、今後、10,0000年とも、100,0000年ともいわれる核廃棄物死の灰の管理に集中すべきだと思う。

   『●核燃サイクル: 核燃料再生率に根拠無し、15%どころか1%?
   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●玄海原発プルサーマル賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!
   『●プルサーマルの無意味さ再び: 核燃サイクルという幻想の破綻
   『●原子力ムラは土台から腐ってる

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http://www.asahi.com/paper/editorial20120823.html

2012年8月23日(木)付
首相との対話―開かれた政治の一歩に

 両者の溝は埋まらなかった。それでも意義は小さくない
 首相官邸前で「脱原発」を求める抗議行動の主催者らが、きのう官邸内に招かれ、野田首相に会って抗議した。
 経済団体や労働組合に属さぬ「組織されない市民」が首相に直接訴えるのは異例だ。これまでの政治の意思決定の仕方や、政治文化を変える可能性をはらんでいる。評価したい。
 20分の予定は30分に延びた。だが、中身は平行線だった。
 主催者の市民らの要求は)大飯原発の再稼働中止()全原発を再稼働させない()全原発廃炉への政策転換()原子力規制委員会の人事案の白紙撤回、だ。
 主催者らは口々に訴えた。原発がとまっても電力は足りている。大飯には活断層の存在が疑われ、危険だ……。
 首相は、中長期的に原発依存を改めるとの政府方針を説明したが、それ以上の歩み寄りはなかった。「ほとんど承服しかねる」が、主催者らの返答だ。
 溝は深かった
 それにしても、もっと時間をとり、首相の口から説明を尽くすべきだった。そうすれば、意義はより大きくなった。
 むろん、主催者たちは民意を広く代表するわけではない。抗議行動の場を提供しているが、参加者の代表とも言いがたい。
 しかし、面会の模様はネットで生中継され、数多くの市民がみた。それは、首相と市民とをつなぐ新たな回路の役割を果たしただろう。
 市民の抗議は、再稼働だけに向けられているわけではない。
 それを決めた意思決定の仕組みと、民意を代表すると想定されている間接民主主義の機能不全への異議申し立てだ。
 ものごとを政治家と既得権を持つ組織の代表や一部の専門家で決め、ふつうの市民はかかわりにくいのが、従来の「ムラ社会」型の意思決定の仕組みだ。
 典型が電力であり、「原子力ムラ」による政策決定だ。
 電力会社の利益が優先され、自分たちの安全が軽んじられるのではないか……。
 不信はそこに根ざしている。
 組織されない市民の声を、どう政策決定に組み込むか。エネルギー政策の意見を聞く討論型世論調査は試みのひとつだが、ほかにも様々な回路を開かなければならない。
 今回のような面会も、一回で終わらせず、次の機会を持つべきだ。今度は抗議だけに終わらせず、胸襟を開いた対話と呼べるものにしよう。
 これを、開かれた政治への一歩とすべきである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082302000121.html

【社説】
市民団体と面会 反原発の声受け止めよ
2012年8月23日

 野田佳彦首相が、毎金曜日夕方に官邸前での反原発デモを呼び掛けている「首都圏反原発連合」代表らと面会した。首相は反原発を訴える国民の「声」を受け止め、原発稼働の停止を決断すべきだ。
 首相が官邸で市民団体代表らと会うのは異例だという。約三十分で打ち切られ、主張は平行線に終わったが、首相が市民団体の意見を直接聴く場を持とうとしたことは率直に評価したい。その上で双方に注文がある。
 原発依存からの速やかな脱却はもはや国民の「声」である。
 共同通信社による直近の全国電話世論調査によると、二〇三〇年の原発比率「0%」を求める意見は最も多い42%と半数に迫る。
 政府の「討論型世論調査」でも三〇年の原発比率で「0%」を評価する人が46%と最も多く、この数字は討論を経て増えていったことが重要だ。「原発ゼロ」は原発事故後の一時の感情や、短慮や浅慮では決してないことを意味する。
 しかし、首相は明確な安全基準を欠いたまま、関西電力大飯原発3、4号機を再稼働させた。「国民の生活を守るため」という詭弁(きべん)が、国民を逆に不安にさせている矛盾になぜ気付かないのか。
 毎週末、多くの人が官邸前の抗議行動に足を運ぶのも、国民との約束や思いが政治に反映されず、代議制民主主義が機能不全に陥っているという危機感からだろう。
 原発なしでも節電など国民の努力で暑い夏を乗り切れそうなことは、今夏が証明している。
 首相は国民の声を真摯(しんし)に受け止め、再稼働させた大飯原発を停止させ、今後予定するほかの原発の再稼働も取りやめる。持続可能なエネルギー源の開発に力を注ぐ。消費税増税に費やすような政治的情熱はむしろ、エネルギー構造の改革にこそ振り向けるべきだ。
 市民団体の側にとっては、首相との面会はゴールではなく、通過点の一つにすぎない。
 原子力規制委員会の委員長と委員の人事案の撤回を求められた首相は「最終的には国会に判断いただく」と述べた。同意人事の可否を判断するのはもちろん、首相を選ぶのも、原発政策に関する法律をつくるのも国会だ。
 脱原発を揺るぎないものにするには官邸前のエネルギーを実際の投票行動につなげる必要がある。
 脱原発に無理解だったり、原発維持を画策しようとする経済界や官僚になびくような政党や議員が選ばれては、せっかくの民意の広がりも報われない。
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http://www.asahi.com/business/update/0822/TKY201208220162.html?ref=reca

2012年8月22日14時50分
原発0%支持、伸びる 討論型世論調査

 政府がエネルギー政策の意見を聞いた討論型世論調査の結果が22日、まとまった。2030年の電力に占める原発割合を「0%」「15%」「20~25%」とする三つの選択肢のうち、0%支持が討論や学習を経て32.6%から46.7%に増え、最も多かった。エネルギーには「安全の確保」を重視する人が増えたためだ。
 15%支持は16.8%から15.4%に減り、20~25%は13.0%のまま横ばいだった。政府は「国民的議論」を経てエネルギー政策を決めるとして討論型世論調査をとり入れており、0%支持の増加は政策決定に大きな影響を与える。
 調査は、三つの選択肢について「強く反対(0)」~「強く賛成(10)」の11段階で支持の度合いを聞き、最初の電話調査(1回目)、討論会前(2回目)、討論会後(3回目)の調査でどのように意識が変わったかを調べた。

・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082390070419.html

原発ゼロ 民意鮮明 意見公募経過89% 意見聴取会81%
2012年8月23日 07時04分

 二〇三〇年時点の原発依存度をめぐる国民的議論の結果を検証する政府の第一回専門家会合が二十二日開かれ、パブリックコメント(意見公募)の集計経過や、意見聴取会のアンケート結果が報告された。それぞれ89・6%、81%が原発ゼロ案に賛成。国民同士で議論して意識の変化を調査する討論型世論調査(DP)は事前に32・6%だった原発ゼロ案が最終的には46・7%に拡大した。いずれも原発15%案や20~25%案を圧倒しており、「原発ゼロ」の声を無視できない状況に政府を追い込んでいる。 (山口哲人)

 政府が今後のエネルギー・環境戦略に反映すると位置付けるのは、意見公募や全国十一都市で開かれた意見聴取会のほか、DP、報道機関による世論調査など。原発ゼロを願う民意の大きなうねりは明確なデータの裏付けを土台にして、揺るぎないものとなった格好だ。
 意見公募では、約八万九千件の意見が寄せられ、うち約七千件の分析が終了。81%が即時の原発ゼロを求めたほか、8・6%も段階的な原発ゼロを訴えた。
 意見聴取会で来場者約千二百人を対象に行ったアンケートでは、「その他」意見を除くと原発ゼロ案支持が81%。会場での発言を希望した人への調査でも68%が原発ゼロ案を選択した。
 DPでも、電話調査時には32・6%だった原発ゼロ案が、議論などを経て最終的には46・7%に伸びた。15%案を最も評価したのは15・4%、20~25%案は13%にとどまった。
 この日の会合では、各種調査による意見や情報をどう解釈するかを議論した。田中愛治・早稲田大教授が、意見公募について「強い意見を持つ人が出すので、(比率は)偏る可能性が高い。世論調査が(本当の)国民の縮図なのでは」と指摘する場面があった。
 だが、小幡純子・上智大法科大学院教授は「意見公募は世論調査とは違って誰でも意見を出せ、国民参加が保証されている」と反論。
 今後、二十七日の専門家会合を経て、九月ごろに開くエネルギー・環境会議で政策を決定する見通しだ。鮮明になった民意を政府がエネルギー政策にどう反映させるのか。国民は厳しい目で見つめている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082402000119.html

【社説】
原発ゼロ 熟慮の民意が表れた
2012年8月24日

 二〇三〇年の原発比率をめぐる「国民的議論」の結果が出た。負担増を受け入れても安全を優先させたい「原発ゼロ」の民意が読み取れる。国民の覚悟の選択を、政府はただちに尊重すべきだ。
 これで「原発ゼロ」の声は無視できなくなったろう。野田政権が今後のエネルギー・環境戦略に反映させるとした国民的議論の結果が出そろった。意見公募(パブリックコメント)と、全国十一都市で開いた意見聴取会、さらに討論型世論調査である。
 これらの「国民的議論」は、三〇年の原発比率について「0%」「15%」「20~25%」の三つを選択肢とした。意見公募と意見聴取会の会場アンケートは、ともに八割以上が「0%」を支持した。
 とりわけ注目すべきは、国民同士の議論や専門家の話を聞き、その前後で意見が変化したかを調べる「討論型世論調査」の結果である。最多は「0%」支持で、討論前の32%から討論後は46%に大きく増えたのが特徴だ。
 事前の予想では、専門家の話を聞けば「原発ゼロ」支持は減るとの見方があったが、結果は逆だった。このことは「原発ゼロ」の選択が一時の感情などではなく、賛否多様な意見を踏まえ熟慮した末の決定を意味するものだろう。
 しかも、選択する上で何を最も重視するかとの問いには、「安全の確保」が80%強を占めた。原発維持派の大きな論拠である「電力の安定供給」(15%)や「発電費用」(2%)を圧倒したのは、電気料金が高くなったり省エネなど不便な生活をも引き受ける国民の覚悟の表れである。
 経済界は、脱原発では電力不足やそれに伴う企業の海外移転、失業増など経済が停滞すると主張している。これは、原発で稼いできた東芝、日立製作所や東京電力が中枢を占めてきた経団連の言い分である。枝野幸男経済産業相が「(原子力)依存度低下は経済のマイナスにつながらない」と反論したように、考慮すべき材料だが鵜呑(うの)みにすることはできない。
 低成長が定着し、大量生産・大量消費の時代はとうに過ぎ去り、国民の多くは省資源・省エネの暮らしを志向している。討論型世論調査でも、懸念される電力不足に対し、参加者の七割が「国民、産業とも省エネ余地がある」と、エネルギーを減らすライフスタイルへの転換を提案した。
 国民の重い選択を考えれば、政府が九月までに下す選択は「原発ゼロ」しかない。
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●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者

2012年03月30日 00時00分38秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031590070655.html)。

 かつて財界総理なんて言う言葉があった。経済団体連合会(経団連)の会長を指していた。野田総理も原発推進・消費税増税派なのだから、身の丈に合った財界総理なのは当たり前なのかな。それ以前から萌芽はあったものの、小泉純一郎氏あたりでとどめを刺し、財界の方その後はクズ「総理」ばかりか。
 いまや、電力会社を含めた大企業の単なる代弁者。消費税増税でも痛くもかゆくもなく、むしろ儲かるのだから、反対する訳がないか(『●『消費税のカラクリ』読了』)。原発も再開を唱えるアホさ加減だ。それに対して、中小企業等の経営者ら、あるいは、城南信金のような良心ある〝財界〟の頑張りが日本の「未来」を大きく左右しそうだ。総理や「財界総理」など原子力ムラの住人になど、任せておけない。また、FECに着目しているところも素晴らしい。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012031590070655.html

エネ自給実践へ 中小120社 脱原発ネット
2012年3月15日 07時06分

 経済界のトップたちが「経済活動の安定には原発の再稼働が必要だ」と足並みをそろえる中、全国の中小企業や団体の経営者らが脱原発を掲げ「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」を立ち上げることになった。まずは約百二十社が参加し、二十日に都内で設立総会を開く。単に脱原発を唱えるだけでなく「原発がなくても経済は回る」ことを地域からの実践で証明していく考えだ。

 同会議には鈴廣(すずひろ)かまぼこ(神奈川県)、セゾンファクトリー(山形県)、LLC場所文化機構(東京都)、出雲殿(愛知県)など全国の企業経営者ら約百二十人が世話役として参加。それぞれの地元で仲間を募り、会員企業を増やしていく。アドバイザーには首長や飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長、哲学者の内山節さんらが加わる。

 「ネットワーク」では、勉強会や地方視察などを通じて、再生可能エネルギーの先進事例を調べて情報を共有。自治体と連携してエネルギーの自給自足体制を目指す。脱原発によって健全で持続可能な社会ができる具体案も発信していく。

 呼び掛け人の鈴木悌介・鈴廣副社長は「一基ずつ原発が止まるたび再稼働を求める“経済界”の声が大きくなっている。『私たちの考えは違う』と訴え、行動しなければならない」と設立の趣旨を説明している。

 経団連、経済同友会、日本商工会議所などの主な経済団体は、生産や設備投資などの経済活動には安定的な電力供給が不可欠という立場から、原発再稼働が必要との姿勢だ。

 経団連は昨年十一月のエネルギー政策に関する第二次提言で、「安全性の確認された原発の再稼働が非常に重要」と言及した。日商も今月一日、電気料金値上げを抑制する観点からも再稼働が必要と訴えている。

(東京新聞)
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