安藤美由紀・大杉はるか両記者による、東京新聞のインタビュー記事【憲法 変えるのではなく世界に広げて 24条草案者の長女ニコルさんに聞く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201908/CK2019082902000139.html)。
《日本国憲法の成立過程で男女平等などの条項の草案を書いたベアテ・シロタ・ゴードンさん(一九二三~二〇一二年)の長女ニコルさん(64)…「母はいつも、二四条の家庭での個人の尊厳と男女平等、九条の平和条項について『世界のモデルであり、変えるなんてとんでもない、世界に広げるべきだ』と話していた。憲法の制定過程では、日本人は戦争の悲惨さを経験して九条への反対は全くなかったと聞いています。反対があったのは男女平等の条項で、合衆国憲法にもない条文です。母が各国の憲法を読み込んで最善のものを書き込んだ、まさに贈り物なのです」》。
『●「韓と恨」と日本人/『週刊金曜日』
(2013年1月25日、928号)、927号についてのつぶやき』
「平井康嗣氏選「本箱」の一つ、『僕たちの時代』青木理・久田将義=著、
毎日新聞社。中嶋啓明さん「長官銃撃国賠判決
司法制度の根幹ゆるがす低劣なメディア」。投書のいくつかは、
亡くなったベアテ・シロタ・ゴードンさんについてなど」
『●宮崎駿監督「憲法を変えるなどもってのほか」』
《多くの国民が危機感を抱いているからだろう。日本在住の米国人、
ジャン・ユンカーマン監督が撮影し、05年に公開された
「映画 日本国憲法」(製作・シグロ)に注目が集まっている。
首都圏を中心に全国で再上映されているのだ。
「アメリカの押し付け」「1週間で作られた」と批判される
現憲法は、民主主義の「世界の理想」を反映したものだ。
映画では、草案に関わった故ベアテ・シロタ・ゴードン氏らの
そんな証言も盛り込まれている》
『●「戦争放棄を定めた憲法九条を支持する宣言や声明が
繰り返されてきた…九条は世界で必要とされている」』
《ガーナからの出席者は「アフリカでも九条の精神を解釈し、
紛争と戦争に終止符を打てれば貧困を終わらせることができる」
と期待。連合国軍総司令部(GHQ)で日本国憲法の草案づくりに
携わったベアテ・シロタ・ゴードンさん(故人)は、改憲しないで
他国に伝えれば「いろんな国のモデルになる」と話した》
《日本国憲法の成立過程で男女平等などの条項の草案を書いたベアテ・シロタ・ゴードンさん》は《改憲しないで他国に伝えれば「いろんな国のモデルになる」》と仰っていたようです。《九条の平和条項について『世界のモデルであり、変えるなんてとんでもない、世界に広げるべきだ』と話していた》。
『●「ト」な自民党改憲草案の押し付け…
押し付けられた「押し付け憲法論は、賢明なる先人に対する冒涜」』
『●壊憲…「緊急事態という口実で、憲法が破壊される恐れが…
ヒトラーは非常事態を乱用して独裁を築いた」』
『●争点は「壊憲」: 「ト」な自民党改憲草案は
「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」』
『●「ト」な新三原則「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」
「基本的人権の制限」…壊憲して本当にいいの?』
『●アベ様独裁下の《黙って見過ごすわけにはいかない
日本の問題》があまりに多すぎる…躾けられてはいけない』
アベ様の壊憲の「ト」な新三原則。《何を変えてはいけないか》の判断はとても容易だ。「ト」な自民党壊憲草案の「新たな三原則」…「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」「基本的人権の制限」である。この三点の《変えるか、変えてはいけないか》の判断は自明だ。日本は、十分に《歴史に学んだ》はずではないか。加えて、緊急事態条項追加をしたいニッポンの腐った政権・与党、日本会議に代表されるアベ様信者や支持者…、彼・彼女らに絶対に変えさせてはならないし、ベアテさんの《贈り物》を壊憲させてはならないはずだ。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201908/CK2019082902000139.html】
憲法 変えるのではなく世界に広げて 24条草案者の長女ニコルさんに聞く
2019年8月29日
日本国憲法の成立過程で男女平等などの条項の草案を書いたベアテ・シロタ・ゴードンさん(一九二三~二〇一二年)の長女ニコルさん(64)が、本紙のインタビューで、母から受け継いだ男女平等や平和への思いを語った。 (安藤美由紀、大杉はるか)
-母のベアテさんが日本の憲法に深い影響を与えたことは知っていたか。
「私と弟は子どものころから、両親が日本の憲法に携わったことを何となく分かっていました。後に母が果たした役割が公になりましたが、ちょうど十代のころで親に対する反発心もあり、その価値をあまり理解していませんでした。法科大学院で法律を学ぶ過程で理解を深めましたが、本当にその価値が分かったのは母の死後。日本や米国で開かれたしのぶ会で、多くの人が母を愛し、その仕事を高く評価し、尊敬していることに気付いたからです」
-どんな母親だったか。
「子どもに高い期待を寄せてはいたが、こうしなさいといった細かい指示はなかった。仕事をしていたので、子どもにそこまで関心がなかったのかも。ただ(連合国軍総司令部=GHQ=民政局員で日本語通訳だった)父は母の仕事を常に支えており、女性でも仕事と家庭を両立させることは当たり前の雰囲気でした。私の夫も献身的です。社会正義の仕事をしたいと思い、弁護士を選びました」
-法律家の立場から見た日本国憲法の価値は。
「母はいつも、二四条の家庭での個人の尊厳と男女平等、九条の平和条項について『世界のモデルであり、変えるなんてとんでもない、世界に広げるべきだ』と話していた。憲法の制定過程では、日本人は戦争の悲惨さを経験して九条への反対は全くなかったと聞いています。反対があったのは男女平等の条項で、合衆国憲法にもない条文です。母が各国の憲法を読み込んで最善のものを書き込んだ、まさに贈り物なのです」
-二四条は結婚を両性の合意のみに基づくと定めるが、同性婚は想定していると思うか。
「(先の大戦が終わった)一九四五年当時は誰の頭にも同性婚はなかった。でも、母は亡くなる直前のインタビューで、(個人の尊厳を定める)条文の原理原則からすると、どのジェンダー・アイデンティティー(性自認)の人にも当てはまると話していた」
-世界の現状は、個人の多様性を認めているか。
「最近は、人との違いを際立たせて、少数の人を切る政策が世界中で起きている。あちこちの国で攻撃的な人が(リーダーに)選ばれている。とても悲しい」
◆日本国憲法第24条
(1)婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
(2)配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
◆ベアテさん資料 女性教育会館に
ベアテ・シロタ・ゴードンさん=写真=は一九二三年、ウクライナ系ユダヤ人の著名ピアニスト、レオ・シロタの娘としてウィーンで生まれた。五歳から約十年間、日本で育ち、親の承諾がなければ結婚できないなど、日本女性の地位の低さを知った。
四五年にGHQ民政局の通訳の仕事を得て再来日。日本国憲法草案の策定では各国憲法を集め、二四条などの人権分野の草稿を書いたほか、日本側との折衝で通訳を務めた。二〇一二年に八十九歳で死去。一九五四年に生まれた長女ニコルさんは現在、弁護士。
ベアテさんの資料の大半は米国の母校へ寄贈されたが、憲法草案作成や日本での講演活動に関する資料は、埼玉県嵐山町の独立行政法人「国立女性教育会館」へ寄贈された。
これを記念して同館では、二十九日午後一時十五分から、ニコルさんと明治大学法科大学院の辻村みよ子教授による特別講演が行われる。九月三十日までは、ベアテさんの足跡をたどる展示を行う。いずれも入場無料。
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