『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の伊勢崎馨氏による記事【福島の子供のがん多発はやはり原発事故が原因だった! 統計学の専門家が証明、原発推進派の「過剰診断」説は嘘】(http://lite-ra.com/2016/08/post-2489.html)。
《しかし今回、その根拠が崩れたのだ。この結果が意味することは大きいはずだが、検討委員会はそれでもなお「これまでのところ被曝の影響は考えにくい」などと非科学的態度、抗弁を続けている。結局、検討委員会は政府や電力会社のことしか考えない“御用委員会”であり、福島の子どもたちの健康など一顧だにしていないことがあらためて浮き彫りになったかたちだ》。
『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・
取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?』
『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
・・・2011年から「X年後」を怖れる』
『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの
参加者だということがわかっているのだろうか」?』
『●黙殺される東電原発人災『X年後』:
「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」』
『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」
…では、何が原因なのか?、を説明して下さい!』
『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で
放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?』
子供達の『X年後』の現実を見て見ぬふりのオトナ達の冷酷。疫学的にも統計学的にも《福島の小児甲状腺がんの多発の原因は原発事故》、なのに《福島の子どもたちの健康など一顧だにしていない》…星北斗座長(県医師会副会長)をはじめとした「県民健康調査」検討委員会、アベ様ら、電力会社やマスコミ。残酷すぎやしまいか?
どうやら《安倍政権は強引に押し進めるのが帰還困難区域の解除であり、それに伴う“被曝地への住民帰還作戦”》を推進し、2011年3・11東電核発電所人災を無かったことにしたいようだ。その犠牲が子供たち。子供たちを傷つけ続けて平気な、アベ様らの核発電「麻薬」患者の皆さん。そして、何事も無かったように、各地での核発電所の再稼働や、上関や大間の核発電所建設。狂気。
子供たちを見捨てておいて、そんな自公の議員に投票できるオトナ達の気が知れません。
『●内閣府原子力被災者生活支援チームが
「自分たちの都合に合わせた数字いじり」』
『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」
などという詭弁を川内村住民は容認してはいけない』
「年間20ミリシーベルト以下などという根拠を、そして、
「政府側は「国際的に一番厳しい基準を設けている」
などと答弁」(詭弁、ウソ吐き)したことを、住民は絶対に
容認してはいけない。東電・政府に責任を持って
1ミリシーベルト以下にさせるべきだ。川内村東部の
詳細な「放射能汚染地図」を開示し、東電や政府は
「子どもも住み得る」「子どもも生活し得る」ことを
実証して見せねばならない。原発再稼働や原発輸出
といったことに、「よそ見」している暇などないはず」
『●年20ミリシーベルトでOK!?: 20倍にアップ、
そして「自己責任」に逃げた原子力「推進」委員会』
『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない』
『●「避難指示解除準備区域」樽葉町:
帰還しないと判断した住民が差別されてはいけない』
『●自身の家族を説得し、そこに住まわし得るのか?
『X年後』に何の影響も全くないと言い得る根拠は何か?』
『●電力会社やアベ様、原子力「寄生」委員会は「原状回復」して見せよ』
『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?』
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【http://lite-ra.com/2016/08/post-2489.html】
福島の子供のがん多発はやはり原発事故が原因だった! 統計学の専門家が証明、原発推進派の「過剰診断」説は嘘
伊勢崎馨 原発 2016.08.11
(宗川吉汪・大倉弘之
『福島原発事故と小児甲状腺がん』(本の泉社))
このお盆、全住民がいまも避難生活を余儀なくされている福島第一原発がある福島県双葉郡大熊町で、一部住民に自宅への宿泊を特別に認める特例宿泊が始まった。
しかし、こうした住民帰還を推し進める動きの一方で、現在も完全に隠され続けているのが、原発事故の健康被害の実態だ。
たとえば、今年6月、福島県が設置した第23回「県民健康調査」検討委員会が福島の子どもたちに行った甲状腺検査で、今年1月から3月の間に甲状腺がんと確定した18歳以下の子どもの数が新たに15人増えて計131人となったこと、さらに、新たに診断された15人のうち1人が事故当時5歳だったことが報告された。
これまで検討委員会は、子どもたちの甲状腺がんについて原発事故の影響はないとしてきたが、その根拠のひとつが「チェルノブイリで多発した5歳以下のがんが発生していない」ことだった。しかし今回、その根拠が崩れたのだ。この結果が意味することは大きいはずだが、検討委員会はそれでもなお「これまでのところ被曝の影響は考えにくい」などと非科学的態度、抗弁を続けている。
結局、検討委員会は政府や電力会社のことしか考えない“御用委員会”であり、福島の子どもたちの健康など一顧だにしていないことがあらためて浮き彫りになったかたちだ。
実際、昨年10月には岡山大学大学院の環境疫学の専門家である津田敏秀教授を中心とした研究グループが「福島県内の子供たちの甲状腺がんの発生率は全国平均の20〜50倍で、今後さらに多発する可能性は大きい」として、原発と甲状腺がんの因果関係を指摘する論文を発表したが、検討委員会や政府、電力会社はこれを無視したままだ。
そんななか、今度は免疫学とは別のアプローチでその因果関係を調査した専門家が登場した。
「福島の小児甲状腺がんの多発の原因は原発事故でした」
こう明白に結論付けたのは、京都工業繊維大学教授で生命科学の専門家である宗川吉汪氏と、数学(確率論)を専門とする大倉弘之氏だ。
2人は、福島県が発表した「第20回県民健康調査」をもとに福島の甲状腺がんの発生率を統計学的に解析、その結果を今年1月に発売された『福島原発事故と小児甲状腺がん』(本の泉社)で公表した。その結果“95%の信頼性をもって”上記の結論が導き出されたのだ。
宗川氏らが着目したのは、事故後3年間に行われた「先行検査」だ。これは事故当時0歳から18歳だった福島の子どもたち約37万人を対象にした、いわゆる“一巡目”の検査だが、この検査の位置づけはあくまで「事故前の甲状腺の状態を把握するため」に行われたものだった。
それは「チェルノブイリ事故では3年間はがんは発生しなかったというデータに基づいています。先行検査は甲状腺がんの発生に対して原発事故の影響がなかったと仮定した上で行われた調査」だったからだ。
そして、比較したのは事故から3年後に行われた二巡目以降の「本格検査」だった。
「先行検査と本格検査で甲状腺がんの発生率を比べて、両者が等しければ
原発事故の影響はなかったことになります。しかしもし、本格検査の方が
先行検査より発生率が高くなれば、がんの発生に原発事故が影響したことに
なります」
その方法は、まず先行検査から陽性者の比率を計算し、それを本格検査と比較するものだ。その結果は10万人あたりの発生率が先行検査で90.2人、そして本格検査では162.6人と実に1.8倍の結果が出ている。
これに加え、がん発症の頻度や陽性者全員が二次検査を受けていないなどの誤差を統計学的に計算した結果、その比率は11.7対35.4、つまり3.03倍になり、子どもたちの甲状腺がんの67%以上は原発事故によるものと推定されるのだ。
そのため113人の患者が発見された15年6月の段階で、それを大きく上回る326〜464人の患者が推定される。
それだけでない。本書ではさらに興味深い調査結果も示される。それが、がん発生の男女比だ。
「甲状腺がんはもともと女性に多い病気です。国立がん研究センターの
2010年のデータによると、全国罹患率推計値(人口10万対)は、
15歳から19歳で男子0.4:女子1.9(1:4.75)、40歳〜44歳で
男性4.9:17.9(1:3.65)、60歳〜64歳で男性12.4:女性26.3(1:2.12)でした。
このように自然発生の甲状腺がんは、年齢とともに男女比が変化しますが、
特に若年では女子に大変多い病気です」
ところが、福島での男女比は先行検査で男子26:女子45(1:1.73)であり、さらに本格検査では男子11:女子14(1:1.27)と、男子の比率が上がっているのだ。
これまであり得なかった統計上の男女比。しかも、チェルノブイリでも同様の現象が起こっていた。それは放射線被曝によって発症の男女比が変化したと考えられ、さらにチェルノブイリ同様に放出された放射性ヨウ素による内部被曝が原因と考えるのがもっとも自然だという。
IAEA(国際原子力機構)や検討委員会が「福島事故の甲状腺被曝量は概して低く、甲状腺がんの増加は考えにくい」と主張しているが、統計学が示す明確な事実がある以上、むしろその主張のほうがおかしいと疑念を提示する。
「(もし福島事故での被ばく線量が低いなら)かなり低い線量でも
甲状腺がんを引き起こす、ということになります。あるいは、実際は
もっと多量の放射性ヨウ素が放出されていたかもしれません」
この統計調査の結果で重要なのは、これがあくまで県が公に公表した“原発事故の影響がない”と仮定して行われた先行検査と、その後の本格検査の数字をもとにしたものだということだ。そうした数字から導かれた「原発事故が原因」という結果は重い。
先に紹介した免役学的な「全国平均の20〜50倍の発生率」というデータに加え、今回の統計学アプローチでの原発が原因とする科学的検証による重大な結論。しかし、国や電力会社、検討委員会、またマスコミもこうした調査をまるで闇に葬るがごとく無視したままだ。
一方で、安倍政権は強引に押し進めるのが帰還困難区域の解除であり、それに伴う“被曝地への住民帰還作戦”だ。まるで原発事故や、放射線の影響などなかったかのような、被災者軽視の政策が現在も進行している。被災者、そして国民軽視をこのまま放置していいのか。国民ひとりひとりが、もう一度原発事故の悲惨さを思い起こし、放射線への人体の影響、さらに原発再稼働の危険性について考えてほしい。
(伊勢崎馨)
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