アルパインクラブ モルゲンロート

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谷川岳 天神尾根(2016.3.19~20)

2016-03-23 07:07:11 | 個人山行(2015~2022年度)

 
 

僕たちは小雨のパラつく新所沢を前夜22:30頃に出発し、谷川岳ロープウェイ土合駅駐車場には25時に着く。駐車場の防風ネットのみの中で地面に寝る若手3名と車で寝る4名は、4時間余りの仮眠を取る。

 1日目の19日(土)は、西黒尾根を登っての谷川岳肩の小屋泊だったが、前夜からの雨は小雨となりもう止んだ様だが、天気予報は傘マークが並んでいることもあり、ロープウェイを使い天神平からの登りとなる。

 
天神平駅を出て右横の「登山入口」看板と朝日岳、笠ヶ岳、白毛門の展望


 天神平駅から右の登山入口とある看板に沿って、スキーコースの脇を天神尾根に向け登って行く。尾根上からは一旦緩やかな下りから始まり、縦走路が続く。

遠く続いている様な縦走路

 登り返してからの二つ目のピークを下った、展望の効く場所が最初の休憩地点。存在感を見せているのは阿能川岳か、前方には肩の小屋から万太郎山に抜ける白い稜線の手前に、俎グラの黒い稜線が被さっている。


存在感のあるのは阿能川岳?


白い稜線に黒い稜線が被さる


 途中の熊穴沢避難小屋は半分以上まだ雪に埋もれており、

熊穴沢避難小屋

そこから30分ばかり頑張って登ると大きな岩は天狗の留まり場だ。ここからは白一面の大斜面が続く。

白一面の大斜面

先に見える人影の処まで遠い様に思えるが、一歩一歩と歩みは遅いがそこまで間違いなく近づいて行くのがうれしい。でも、北の新潟側から稜線を越えてガスが降りて来ている。そして、指導標の鉄塔が見えて来ると肩の小屋はもう直ぐだ。

肩の小屋到着

 今日お世話になる無人の肩の小屋にリュックを置き、トマの耳に行く。今はまだ、指導標の鉄塔の上の空は高く、真っ青だ。

真っ青な空

 谷川岳は二つの山頂を持つ非対象線が形作る双耳峰、その一つのトマの耳に着く。

風に向かって、トマの耳に立つ

オキの耳方面に目を向けると、マチガ沢と切り立った岩壁が目の前にある。



オキの耳方面


 明日はオキの耳に立ち寄り一の倉岳から堅炭尾根に下る予定だったので、今日はここまでにして肩の小屋に戻る。

もうガスが押し寄せる

 トマの耳ではあんなに好天だった空は急にガスが流れて来て、僅か10分くらいでまわりは灰色の世界に変わってしまう。

指導標も灰色の世界に包まれる


今までの青い空は、ほんの2~3時間の自然が呉れたプレゼントだった様だ。午後3時頃にはもう、風も強く雨も横殴りとなっている。


 2日目は5時起き、台風並みの風の中、ヘッドランプを点け外に出て様子を見ると濃いガスに囲まれている。小用を足そうと戸外に出、風の通り道に立つと身が飛ばされそうなほどで、一瞬の気も緩めることができない。この天気ではもう堅炭尾根も西黒尾根の下りも止めて風の緩むのを待ち、帰りも天神尾根を下ることにしたが一向に天気は回復せず。痺れを切らして、9時には小屋を後にする。

昨日とは別世界の小屋前

 これはまるで映画のシーンみたいと誰かが云っていたが、これは現実なんだ。台風並みの風と雪にホワイトアウトに近い地吹雪、視界も15~20m先しか効かず。この天候条件ってそんなにあるとは思えず、このシーンを写真に収めようと迷ったが措いてけぼりを喰ったりしたら下るルートも見失いそうなので、カメラを取り出すそんな余裕もない。

 先に下るTさんの青い姿がガスと雪で見えなくなったりしたが、途中途中にあるピンクテープのマーキングを見つけるとホッとし、後を付いて行く。

 肩の小屋を出て熊穴沢避難小屋までは、昨日の登りの丁度半分の35分で着く。風も緩み、そして視界も効いてきておりここで一息を付く、ここまで来れば一安心か。

これでも天候が良くなりホッとしている処


 昨日と比べ、この悪天候でもどんどん登りの人たちがやって来る。そして、風は帰りのゴンドラもまだ揺らしていたんだ。

 今日9時、谷川岳肩の小屋付近のブリザードと云ってもいい様な灰色の世界から、そして今自宅玄関脇のユキヤナギや庭先の水仙に春の温もりを感じたのは同じ日の14時前。この落差は一体何なんだ、でも堪らない。
          
さっきまで履いていた登山靴と、自宅玄関脇のユキヤナギに庭先の水仙


メンバー:田(L)、中(SL)、宮、河(記)、會、長、小


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