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NPO法人体験型安全教育支援機構 (旧ステップ総合研究所子どもの安全教育グループACE ニュース

犯罪・災害から自分で自分を守る力をつける体験型安全教育プログラム・実践の記録等の情報をお伝えします

カナダのFirst nationsの子育て~危険の教え方①~

2010-02-14 16:52:06 | 子どもの安全
バンクーバー冬季五輪にちなんだ第二弾。

昨日の開会式の主役だったカナダの先住民の皆さん
(カナダではFirs nationsと呼んでいます)
のカラフルな衣装、とても素敵で印象的でしたね

カナダの北西部、北極に近いタイガの林の中で暮らしている
ヘアー民族と延べ11か月(1961~1963年)暮らしたことのある人類学者の
原ひろ子さんによると、
ヘアーの大人たちは、火や、刃物に非常に小さいころから子どもに触れさせ、
危ないことも含めて教え、使いこなすよう教育するそうです

夏でも寒いカナダの北西部は、
夏でも冬でもストーブを焚くそうなのですが、
よちよち歩きの幼児がストーブに興味を示し始めると、
少しあつくなりかけたストーブをわざと触らせるそうです
肌が少し水ぶくれになることもありますが
そういうふうにしておけば、大やけどしないで、
ストーブを避けて体を動かすようになるのだ、とおとなたちはいうそうです。


また、原さんは、4歳4カ月の女の子が小さい斧を振り上げて、
短い丸太を割ろうとしている場面に出くわします
「危ないッ!」と叫びそうになりましたが、
しかし思い直し、見守っていると、
小さな女の子は斧をふりおろし、
丸太を見事に二つに割っていました



ナイフの次は斧、斧の次はのこぎりと、
次々に刃物に親しんでいく子どもたちを見ながら、
原さんは「ここの子どもたちの世界では’ものを切る’とかものを’割る’
ということは’創る’ということにつながっている」
ということに気づきます。

また、ヘアーの子どもたちは、
10歳くらいの子どもでもちょっとしたキズの応急処置ができ、
鋭い刃物で切った傷は治りが早いけど、
鈍い刃物やさびのついたもので切った傷は恐ろしい、
ということを知っているのだそうです。

自分を傷から守るのは、親や年上の誰でもなく、
自分しかいないのだ、ということを肝に銘じて知っているのです。


ヘアーの子どもたちは小さい時から自分個人の責任において判断し、
行動するといった点で徹底している、と
原さんは著書「子どもの文化人類学」の中で述べています


このヘアーの子どもたちが刃物を使いこなすさまを見ながら、
次第に原さんは「人間の子どもというのは、恐ろしく幅広い能力と可能性を持っているのだ」と感慨を抱くようになったそうです。

次回、またこの興味深い子育てについて続けます。

参考・引用文献 原ひろ子「子どもの文化人類学」晶文社 1979年


楊 奈穂










バンクーバーオリンピックにちなんで

2010-02-13 22:14:52 | 子どもの安全
バンクーバーオリンピック、はじまりましたね!
うちの子どもたちも開会式と、ジャンプの予選を見て
盛り上がりすぎ、ジャンプのまねを椅子から飛び降りてしていた息子は、
鼻血を出してしまいました

今日は、オリンピックにちなみ、
カナダやアメリカなどのスキー場で使われている、FLaikというGPSの話題。

ウィスラーでは今シーズンからGPSによるトラッキングシステムが
スキーレッスンプログラムに導入されたそうです。その名もFlaik。

まず、足の膝の部分にサポーターのようになっているGPSを巻きます。
そして一日の終わりにサイトにログインして子どもの滑りを振り返ると、
どこを滑ったかが早送りでアニメーションで見ることができるそうです。

位置情報だけでなく、滑走時間、滑走距離、
平均速度、滑走高度まで全て知る事ができるのだそうです

ひろーい、ウィスラーのこと、迷子になる子どもも多いらしく、
すかさず位置を知る事ができるので、安全のためにも役立つとのこと。

ただ位置がわかるだけでなく、子どものスキーの滑走速度!までわかるっておもしろいですね!
詳しくは⇒http://www.flaik.com/

ACE深見

「子どもの安全を科学する」

2010-02-11 21:43:17 | 子どもの安全
研究というのは、一人ではできません
様々な発見は、色々な人々が一つの課題を探求し、かかわってできるものです。
でも、ケースバイケースですが、やはりリーダーの存在というものは重要です

私が今かかわっている研究も、様々な方が加わっており、
それぞれが知恵を出し合い、日々研究しています

そんな中で研究がぶれないでいられるのは、
中心になる人物とコンセプトがあるからです
今私たちの中心にいるのが、日本女子大学の清永賢二教授です。
清永先生は、「犯罪からの安全・安心な日本づくり」を求め、
警察庁の科学警察研究所で犯罪学の研究を40年前にスタートしました。

清永先生は多くの事件現場に赴き、特に子どもの犯罪被害事件、
青少年が犯した凶悪事件の現場に立ち、
「なぜこの事件が起きてしまったのか」
「なぜこの犯罪を防ぐことができなかったのか」
「なぜこの子がこの場所で被害に遭ったのか」
を研究してきました。

これらの研究から、「子どもたちの明日を確かなものにするために」、
曖昧な安全教育ではなく、
「科学的に」
そして「発達段階に沿った」
「安全教育」が必要と考え、
いまそのためにさまざまな
研究を続けているのです

この考えに共感し、一緒に研究を行い、巣立っていった研究者がたくさんいます
ブログなどで、まさに今日のタイトルの「子どもの安全を科学する」をテーマに綴っている方もいらっしゃいます。この言葉は、私たちが研究会で使っていた言葉で、
清永先生から教わった言葉です

たとえば
Q.「変な人」といいますが、具体的にどんな人が「変な人」ですか?
Q.「危ない場所はだめ」といいますが、「具体的にはどんな場所ですか」
Q.「危険な人」から子どもが逃げ出すのは「何メートル手前」から?
(以上『防犯先生の安全マニュアル』東洋経済出版社 清永賢二より抜粋)

いかがですか?子どもに尋ねられたらきちんと答えてあげられるでしょうか

子どもが犠牲になる事件が相次ぐ中、もちろん、子どもの安全を守るための
注意は欠かせません。しかし基本的なポイントを理解しないまま注意しても、
子どもたちはおびえるばかりです。

そこで、清永先生は「子供の安全を科学する。科学的に子どもに具体的におしえなければならない。誰を見ても逃げだす子どもや、どんな場所にも怖くて行けない子どもが育ってしまったら、私たちの社会はどうなるのだろう。」

と考えたのです。

この清永先生のコンセプト「子どもの安全を科学する」
をもとに、いま、私たちは文科省の研究を行っています。

ACE深見

恵那市防犯まちづくり講演会

2010-02-08 08:00:47 | 子どもの安全
昨日岐阜県の恵那市に参りました。
恵那市は歴史のある古い街で、美しい田園風景も広がる、とても豊かな街です。

東京から名古屋に新幹線ででて、
そこから中央線で恵那市まで約一時間
思ったよりも東京から近く、それでいて、
古い日本にタイムスリップしたような、不思議な気持ちになれる場所です

そんな素敵な場所で、「防犯まちづくり講演会」が開催されることになり、
少しだけ私も「地域で守る子どもの安全~犯罪からの子どもの安全~」
と題し、お話ししてきました

恵那では、街ぐるみで、様々な年齢の方々が、様々な方法で
パトロールや青色灯パトカーによる防犯活動を行っています
たとえば、山岡町の方々は老人会の皆さん、主婦の皆さんが子どもの登下校の時間に
自宅の前に立って子どもを見守ったりしています。働いているお父さん方は、
夜8時くらいから青色灯パトカーで街中を一時間半くらいかけてパトロールしています

このような熱心な活動が認められ、岐阜県で表彰もされました。
一見安全な街でも、いつ何時子どもたちが被害に遭うかわからない、
でも、私たちの町ではそういった犯罪は起こさせない、
そういう熱意を感じました。


明日は、恵那の防災センターについてお話しします。

ACE楊




危機遭遇体験調査

2010-01-25 21:44:39 | 子どもの安全
日本女子大学では、2006年度から2007年度にかけて、
子どもの危機遭遇体験調査をしました。

全国で、どのくらいの子どもが「ヒやり・ハッと」する体験をしたことがあるか、
そのとき子どもはどうしたか、どういう被害があったか、
その時学校や家庭はどうしたか、
ということなどを、
調査したものです。

その後、部分的にはまとめて発表していましたが、
考察を加え、もうすぐまとめた報告書を出します。

調査のあと2008年、2009年の間に子どもの状況はまた変わってきましたので、
さらに調査結果を加え加筆いたしました。
主な執筆者は
清永賢二(日本女子大学教授)
田中賢(日本福祉大学准教授)
篠原惇理(日本女子大学市民安全学研究センター研究員)
楊 奈穂(日本女子大学市民安全学研究センター研究員)
川嶋宏昌(株式会社ステップ総合研究所研究員)
藤村友里(株式会社ステップ総合研究所研究員)

です。
ご興味のある方は、どうぞ、このブログのメールアドレスまでお問い合わせください。
お待ちしております。

日本女子大学市民安全学研究センター研究員
楊 奈穂


大地震の経験を交換しあうこと

2010-01-17 21:28:03 | 子どもの安全
今日で阪神淡路大地震から15年になりますね。
昨日NHKで「復興の二番底」
という特集が放映されていました。
ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

地震後から今までに自分の気持ちがどう動いたか、
100人の方に線で気持ちの移り変わりを描いてもらったところ、
地震後3年たって気持ちがまた「どん」と落ちてしまう方々が
3割もいたという事実がありました。

たとえば、復興後家族のため、生活のために、無我夢中で毎日過ごしていたのが、
3年くらいたって疲れ果て鬱状態になってしまった方。
震災による怪我が思ったよりひどく、仕事を辞めざるをえず、
家族の気持ち・絆がばらばらになりそうで、
でも毎日の生活の中なんとか気持ちを奮い立たせている方。。

お一人お一人それぞれ違うけれど、どの方からも震災が人生に及ぼす影響の
大きさを感じました。

地震や災害というのは、突然やってきます。
そして色々な物を壊していってしまいます。
防災訓練というと、地震があった時の対処しかほとんどしていません。
でも、地震で生き残った後、私たちは生きていかなければならない。
その方がずっと大変だと思います。

15年たっても心の傷がいえない人が多いこと。
そんななかで元気に生きていこうと頑張っている人。
頑張ろうと思ってもどうしても元気になれない人。

もし私だったら、どうやって生きていくだろう。
そう思いながら、番組を見ていました。
もし私が子どもを亡くしてしまったら、こんな風に生きていけるだろうか。
自分が怪我をしておもうように動けなくなったらどんなふうに生きていくだろうか。


自分の身におきかえて、
阪神淡路大地震や、新潟の地震、能登の地震など、
地震を体験した方々から、学ばなければならないことがたくさんあります。

経験を交換し、学び、伝えあうことが大事だな、と思います。

ACE深見

安全基礎体力向上に凧上げが役立ちます!

2010-01-16 21:48:02 | 子どもの安全
今日、東京は晴天、そしてちょっぴりよい北風が吹いていたので、
子ども二人と凧上げに繰り出しました。

凧上げはうちの子どもたちが好きな遊びなのですが、
いつも手作りの凧でやっていました。
ところが、たまたま「いまどきの凧って、どのくらい上がるのかしら、、、
と思いおととい既製品を購入。

今日は絶好の凧上げ日和だったので、
近くの学校の校庭開放で試してみました、、、

それが、、、、それが、、、
今まで私が苦労して作っていた凧は何だったんだ
というくらい、簡単に、すごく高く上がったのです

私はかなりショックだったのですが、
子どもたちはいつもに比べてあまりにラクラク高く凧があがったもので、
楽しくて楽しくて校庭をぐるぐるぐるぐる走る走る

背後に上がる凧の様子をかがいながら後ろを振り向きつつ全速力で
走る様子を見て、
「これって、安全基礎体力作りに役立つじゃないか

走るのをやめたら落ちてしまう凧のために、
子どもたちはとにかく全速力で走ります。
それも、凧がどうなっているのか背後をうかがいながら
注意して。

これはいざという時走る練習になりますよね。

皆さんも、よく上がる凧で、
お試しください、きっといざという時走って逃げる練習になります

ace深見

新一年生になる前に。

2010-01-14 11:58:36 | 子どもの安全
こんにちは、ACEの楊です

もうすぐうちの子どもも一年生になります。
先日教育委員会から通知書が来て、
それをみてうちの子は「大喜び」!

子ども「そういえばこの前学校に行った時(就学時健診)、
歯医者さんが「みしょちなしみしょちなし」って言ってたから
うかったんだ~

私「みしょちなしみしょちなし??
あ、、、’未処置なし’か~

なるほど。子どもなりに緊張していて、
やっとこの通知で「さくらさく」の気分なのだなあ~と納得しました。

形式って大事なんですね


ところで、
実は、自分が犯罪者の行動や、子ども・地域の安全に関して勉強していても、
実際に自分の子どもが一人で学校に行くとなると、
漠然とですが、不安になります

子どもが、学校の行き帰りや
さらわれないか、ついていってしまわないか、いたずらされないか、
無事に帰ってくるか。
ご心配の保護者の方、たくさんいらっしゃると思います。

私も本当にそうです。

でも、ただ不安になっていてもしようがありません

子どもはいつか一人で行動しなければならないのです

そのために、幼稚園年長後半の今から、まず、
1、学校まで歩く体力
2、そしてできるだけ前を見て(注意して)歩く力
3、自分の生活圏のなかでよく会う人には
  「おはようございます」と言える力

を少しずつつけておくのがよいと思います。

上記は、親子で、一緒に幼稚園まで歩いていける今だからこそ
できることだと思います


あともうちょっとで送り迎えがなくなってしまうと思うと、
「楽になるな~」と思う反面、
「ちょっとさびしいな~」と思うこのごろ。

数えてみたら、幼稚園に行く日が、あと40日もない

普段心に余裕がなくて、なかなかゆっくり子どもと
向き合えない私も、
子どもが安心して学校に通うために、
一日一日大事にせねば


(写真は夕方公園であそぶ子どもたち。足立区にて2009年12月)
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登下校の安全教室開催予定

2010-01-13 13:07:00 | 子どもの安全
こんにちは、ACE深見です。

あっという間に一月も半ばになりましたね

今年はACE主催のワークショップをたくさん行う予定です。

どんなワークショップか
まず考えているのは
「子どもと大人のための(犯罪からの)安全を学ぶワークショップ」
です。
ただ、知識を学ぶだけではなく、
楽しくたくさん色々な体験をしていただきながら、
気が付いたら危機を回避・対峙する能力が付いている♪
というワークショップにしていこうと計画しています

第一回目は登下校の安全に関して行います。
開催時期は3月末から4月上旬を予定しています。

詳しい情報は
このブログでもお知らせしますが、
http://ri-step.co.jp
にも載せますので、チェックしてみて下さい。

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お気に入りのランドセルで安全通学♪

2010-01-10 20:05:08 | 子どもの安全
こんばんは、ACE深見です。

さて、昨日、息子のランドセルを購入いたしました

色は、やはり息子が頑としてゆずらず、あざやかな「マリンブルー」
にいたしました
でも、お店の方によると、このマリンブルーが、
今男子人気ナンバーワンなのだそうです。

ただ、どのお母様もあまりよい顔をしないので、
結局濃紺を購入していくとのこと
うちは、息子に根負け、というか自分で選んだのだから、
あきても汚れても文句いわせんと思い、
マリンブルーに決定いたしました。

でも、よくみるとこの色、とても遠くから目立って、良いかもしれません。
軽くて、丈夫で、防犯ブザーをつける位置もばっちり
「防犯ブザー携帯中」(写真)というカバーもいただきました。
これは反射布でできていて、暗くても光るし、
お守りになりそうです。


さっそく息子は防犯ブザーをつけ、
「ママ―、うしろからおそってみて~
とうれしそうにいうので、後ろから思い切り羽交い絞めにしてやりました
でも、上手にブザーを鳴らし、得意顔。(ちょっとゆるめてあげたため
自信をつけて、しっかりと通学してほしいものです。

「さあ、ランドセル背負って走る練習しようね!」
「うん!」

、、、しかし、真新しいぴかぴかのランドセル、、、。投げ捨てる練習は
もうちょっと後にするか
いやいや、安全のためにするべきか、、、。
どうしましょう

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