NPO法人体験型安全教育支援機構 (旧ステップ総合研究所子どもの安全教育グループACE ニュース

犯罪・災害から自分で自分を守る力をつける体験型安全教育プログラム・実践の記録等の情報をお伝えします

事件に学ぶ2

2014-07-30 16:52:26 | 日記
長崎県佐世保市女子高校生による同級生女子殺害事件に思う

行われた犯罪行為の猟奇性により大変な騒ぎとなっている。その騒ぎは他の多くの人に語って貰うこととする。
事件の猟奇性や直接-間接の原因などは、全く過去の事件のリフレイン(繰り返し、焼き直しとしか思えぬ言葉が並ぶ。従って出される結論も過去と同様な結果を仰々しく並べただけとなっている。
宮崎事件、酒貴薔薇事件事などなど。過去の資料を読み返してみるがよい。同じだ。

この事件の報道に接する内に頭の中で渦巻いたことは、「メデイアはここまで方いて良いのか」「こういう表現を使って良いのか」といった思いであった。頭部や腕を切断までは許すとして、一部マスコミの中に「腹部を切り開き、その中を覗いた可能性がある」とまで報じている。遺体には様々に切りつけた跡があった、ぐらいではすまないのか。
いつも思うのだが被害者のご遺族にとっては、ここまで書き曝かれる必用があったのか、被害者の少女のご遺体が、もう一度、マスコミという社会の目で無機質興味本位に切り刻まれたなどという思いがするのではないか。

一番問題としたいのは、こうした事件をいかに未然に防ぐか、ということである。これまでに行われてきた「命の教育」が問われる。命の教育が喧伝され、全国の学校で広められた背景には、同じ佐世保でおこった、少女による同種の事件があった。命の教育が唱われた初めの頃から、現場で少年問題に取り組む専門家の中で「あんな坊さんが言うようなことをやって、すめば大したもんだ」という声があったのは確かだ。
今後「あれは高校生だから」という論調が出るに違いない。そうではない、高校生だから問題なのだ。彼/彼女らは小・中学校時代に十二分に「心の教育」を時間を掛け心と身に染みこませ、高校生になったはずだ。文部科学省を始め「心の教育」に携わって来た方々は、長崎佐世保の方だけでなく、全国の方が「何だったのだ、命の教育は」と深く考え方策を考えるべきではないか。

問題を解く鍵は既に考えられ用意されている。
酒貴薔薇事件の少年が立ち直った過程を辿ってみるべきだろう。また人間とは何ものか、という問を突き詰めて考えるべきだろう。もう一度いう、答えはある。その答えを導きだそうと努力しない限り再度の同種事件の発生、そこまで行かずとも「いじめ」の中から悲惨で凄惨な事件が生じてくるであろう。(清永奈穂・清永賢二)

7月25日(金)のつぶやき

2014-07-26 03:32:50 | 日記

防犯意識が身につく「さんぽ術」(NHK Eテレ「スクスク子育て」) goo.gl/uDEJmI


あきらめてはいけない。子どもは無力ではない。体験しながら身につける自助力。 goo.gl/Z8dkAF



あきらめてはいけない。子どもは無力ではない。体験しながら身につける自助力。

2014-07-25 22:32:39 | 日記
松戸で、連れ去り未遂事件が起きました、しかし、女子児童にけがはなく、叫んで逃げたため男は車に乗って逃走しました。県警によると、女の子が学校のプールの授業に向かう途中、男が待ち伏せし、無言で女子児童のほほを両手で触るなどしたということです。近くにはドアの開いた黒色のワゴン車があり、連れ去られると感じた女子児童は叫んでその場から逃げました。男はそのまま車に乗り、東方向に逃走したということです。子どもは、無力ではなく、力の限り抵抗することができます。知恵を働かせ、勇気をだし、声を上げて逃げる。。この女の子は素晴らしい、と思いました。どの子でも、このようなことができる様、体験型の安全教育を広めていきたい、そう思います。

防犯意識が身につく「さんぽ術」(NHK Eテレ「スクスク子育て」)

2014-07-25 17:02:57 | 日記
明日、NHK Eテレ「すくすく子育て」の「すくすくチャージ」コーナーで、「防犯意識が身につく「さんぽ術」」放送されます。小さいころからの地域とのつながり、歩き方などの積み重ねは、防犯のためにとても大事です。どうやったら、地域の人に見守られるようになるのだろう、、??と疑問をお持ちのお母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどなど、子どもの安全に関心のある方、お時間あればぜひご覧ください。

事件に学ぶ 1 岡山県倉敷市小学校5年生誘拐事件から学んだこと

2014-07-21 19:56:36 | 日記
事件に学ぶ1.岡山県倉敷市小学校五年生誘拐事件から学んだこと
上記事件から以下のような点を学び・確認しました。栃木県日光市で起きた「少女誘拐殺人事件」と合わせ考えると、様々な検討課題が浮かび実証されます。学び続けることは、大切な実学研究だと思います。

<学び>
①事件現場には、予兆・前兆がある。
②被害者を中心とし被疑者は、事前に徘徊・待ち伏せ・被害者選択などの行動を採っている。
③通学路は、実際の犯行現場として狙い目になる。
④子どもの連れ去り・誘拐には、自動車が利用される。
⑤多くの子どもは、「殺すぞ」あるいはそれに類する言葉を掛けられた時、心理的に抵抗できない。
⑥目撃者は、車のナンバーを瞬間的に少なくとも上3桁まで記憶しておくと、被疑者検挙につなが
りやすい。
⑦車の中に連れ込まれたら、子どもはほとんど抵抗できない。
⑧スマホを携帯していても、実際の被害者化を防ぐことはできない。
⑨被疑者や被害者の追跡には、地元住民の総力あげての協力が有効である。
⑩被疑者は、事件現場から、車を使っても、およそ半径10㎞に居住する。
⑪被疑者は、市域を越え、隣接市から犯行に及ぶ。
⑫この種事件の場合、一人住まいの者が多い。
⑬部屋に連れ込まれた子どもは、声もあげず「小鳥がうずくまる」ようにじっとしている。
⑭子どもを部屋に連れ込んだ被疑者は、余分な食料、消耗品、子ども用の衣服や雑貨、本などを購
入する。                 (株)ステップ総合研究所 清永奈穂


子どもの犯罪、性被害について

2014-07-18 00:16:39 | 日記

市原での女子中学生連れ去り未遂事件など、このところ子どもに対する犯罪が多発しています。
事件に共通することを、下記のようにまとめてみました。

①事件は、通学路で起きている。通学路は安全、と思われるが、しかし、これほど危険な道もない。市原、広島、今市など、通学路で起きる悲惨な事件は多い。
特に人通りの極端に少ない通学路、歩車道の区別のない道路は事件が起きやすい。犯罪者にとって「近づきやすい」「逃げやすい」場所だからである。

②性被害に遭った女性の6割は、その一週間前、あるいはそれ以前に犯人に顔を見られている。
一方的か双方的かは別として、犯人は被害者の顔を見ていて「あれはいい、あれにしよう」などと判定している。
しつこく、妄想を膨らませることにたけているのがこの性犯罪者で、逆に、被害者の4割は、ある時「あ、変に見られている」と思った時があるという。
だとすれば、被害者は危機の前兆をキャッチしている。
もちろん、出会いがしらの犯行もあるが、周到に計画した機会を利用して、襲い掛かることも多い。少しでも前兆を察知したら、犯罪者に「機会」を与えない努力をしなければならない。

③性犯罪者は、偏執的、妄想癖、があり、それらがエスカレートする特徴がある

③犯罪者は、だいたい半径500メートル先から「獲物があるか」みながら徘徊する。
 そしてだいたい半径200mの街区空間を「このあたりでやる」と本格的に意識する。徘徊段階から、「あそこかここか」「前に目をつけていたあそこ」と意識して獲物探しにかかる。
同時に、それまでの「いい獲物があるかどうか」に「見とがめられない」という条件が加わる。
 20メートルの近隣空間になって、実行決定段階に入る。「ここでやる、この獲物をやる」と意志を固める。
心理的な探索状態から、個別具体的な襲撃マインドに変わる。狙いを定め、すきをうかがうのだ。
この意思決定を支えるのが、元犯罪者たちの証言や調査によれば「いい獲物がある」「見とがめられない」「やりやすい」という三つの心理だ。
ここまで来ると、犯罪者自身が本当に気にするのは、獲物の評価や周囲に見とがめられないことより「今、やりやすいか」、すなわち一瞬の「機会」があるかどうか、である。
やりやすいか、とは「近づきやすい」「逃げやすい」「’犯罪者にとって)いいイメージがある」である。

④20メートル先から狙ってくる犯罪を防ぐためには、20メートル先を意識する。すれ違う時は相手の身長×0.8、の間は空ける、
全力で20メートル以上は走る、大声を全身で出す(手などふりながら叫ぶ)、最後は噛みつく

④警視庁の統計では、「ここでやろうか」、と思いながら下見をしたり子どもに話しかけている不審者に、迷惑防止条例をつかって警察官が注意をしたところ、
9割が、犯行をあきらめた、という統計がある。声をかける、二度見るということで防ぐこともできる。

(出典「犯罪者はどこに目をつけているか」新潮新書 清永賢二 清永奈穂」)