NPO法人体験型安全教育支援機構 (旧ステップ総合研究所子どもの安全教育グループACE ニュース

犯罪・災害から自分で自分を守る力をつける体験型安全教育プログラム・実践の記録等の情報をお伝えします

事件の続き

2009-07-28 21:38:57 | 日記
こんばんは、ACE深見です。

きょうはちょっと子どもの安全実践編はお休みして、先日、男の人に手を掴まれ、噛んで逃げた勇敢な女の子のお話の後日談。

最近、その女の子のおうちの近くで、なんか変だな、と思われる挙動不審の男性を
この女の子のお母さんが見かけました。
お母さんが「ねえ、○○ちゃんの手を掴んだのは、もしかしてあの人じゃない?」とこっそり聞いたところ「違う、だって靴が違うもん。赤い靴だったもん」。と答えたそうです。

瞬時によく「見て」いたこの女の子は、すばらしいと思います。。
怖いと思った瞬間に、赤い靴が目に飛び込んできた。
そして、とっさに噛みついて逃げた。
とっさの判断力、決断力、行動力に優れているとおもいませんか。

きっと、この女の子は、きちんと普段から
「見る」ことをお母さんと一緒にしているのだと思います。

ところで、実は、靴というのは、あらゆる犯罪のポイントなのです。
なにか変だな、不釣り合いだな、この場に似合わないな、を見分けるのには、
靴を見るとよくわかる、というのが定説なんです。

新しいスーツを着ているのに、泥だらけのスニーカーを履いている、などの
なんだか「アンバランス」な様子がある人は要注意。

きっと、この女の子が赤い靴を鮮明に覚えていたのは、この犯人の赤い靴が、「なんだか変だな」と思わせるほど、その人に似合わずアンバランスな雰囲気を醸し出していたのかも知れません。

もっというと、こういう情報を集めて、犯人逮捕につなげていくことが大事です。
はやく、この犯人が見つかるとよいのですが、、、。
そうでないと、被害に遭った子どもたち、親たちも不安ですよね。


子どもの安全を守るための実践編~①6m先を「見る」こと~

2009-07-28 21:36:13 | 日記
こんにちは、ACEの深見です。

自分で自分の身を守るために大事なこと。
それはまず「見ること」。

以前ACE鈴木が4メートルまたは6メートル離れて走らなければ、
逃げ切れないというお話をしました。

4メートルというのは、追いつかれない距離でもあるのですが、
実は、人間のテリトリー、つまり人間がこの輪の中に入ってきたら
自分のテリトリーだから何をしてもよい、というのも6メートルなのです。

だから、もしも危険な人の4メートルのテリトリーの中に入ってしまったら、
なにか危害を加えられてしまう可能性が高くなってしまうのです

お子さんと一緒に歩く時、
まず4メートルがどのくらい先なのかを確認しながら歩く。
そして、いつも6メートル前方を眼の端に入れて歩く練習をする。
たとえば、4メートル先のお店や、人の特徴、お花の様子などを話しながら歩いてみてください

「あ、昨日はつぼみだったお花が咲いている」
「いつもおばあさんがお花にお水をあげているのに、今日はおじいさんがあげているね」
「いつもは一匹しか犬をお散歩していないのに、今日は二匹つれているよ」
等など、、、。
毎日歩いているからこそ気づく、「何かいつもと違うな」。
一見いつもと一緒の風景に見えても、天気や季節、時間帯によって、町は変わります。
いつもと違うこと。そして何だか「変だな」に「気づく」こと。
これは実は、子どもはとても得意なことかもしれません。

でもそのちょっと変だな、に気づいたら、見逃さず、誰かに告げる、注意を払う、覚えておくことは子どもは苦手です。
だって子どもは「今」を生きるのがとても得意な人たちで、「過ぎ去った過去」に関しては忘れてしまうのが子どもですものね。

でも、安全のためには「変だな」を意識の片隅にでも残しておくことがとても大事なのです。

「見る」ことは大事な学習です。
無意識にではなく、意識しながら「見る」「観察する」。
毎日毎日の積み重ねから安全教育は始まります。

子どもの安全を守るための実践編

2009-07-16 23:18:53 | 日記
こんばんは、ACE深見です。

子どもの安全を守るために何が必要か。
それは、地域の見守り、警察の見守り、そして一番大事なのが、自分が強くなることです。

自分が強くなるためにはどうしたらよいか。
まずは、よく「見る」こと。

ここでいう「見る」とは、「変だな」に気づく力。
そして、常に歩きながら「6メートル先を見る」力のことを言います。


なーんだ、そんなことか、とお思いでしょう、

しかし、6メートル先を見ながら歩くことがどれだけ難しいことか。
大人の私たちでもそうです。
「今、すれ違った人は何色の靴を履いていた?」
ときかれても、「え??何だっけ」
と思う方も多いのでは?


しかも、こどもはうろうろきょろきょろしながら歩いています。
まさに、うちの子どもたちがそうです。
すれ違ったことすら気付かないことがおおいのです。

でも、実は、周りをよく見て、「変だな」にきづくこと。
しかも6メートル先の「変だな」に気づくこと。
この力をつけることがとても大事なのです。

この力は、毎日毎日の積み重ねによって、培われるものです。
絶対に身に着けられるものなのです。

毎日、一緒にお散歩しながら、よく見る練習、してみませんか。

ACEでは、歩きながら、何をポイントにしたらよいか、プログラムを作っています。
次回はそのポイントを少し紹介します。


事件

2009-07-14 08:38:06 | 日記
こんにちは、深見です。

先日、私の友人のお子さん(小学校一年生)が、
下校中に、いきなり後ろから男に腕を掴まれ、
連れ去られそうになりました。

しかし、そのお子さんは、勇敢にも、
犯人の手に噛みつき!あわてた犯人は走って逃げました。

素晴らしい判断力と勇気ですよね!

そのお子さんは私の友人から「いざという時、噛みつきなさい!」と言われたことをとっさに思い出し、
実行したそうです。

危機に面した時に、言われたことを思い出すこと、そしてそれを実際に実行すること、想像するより難しいことです。怖さで震えて何もできなくなるのが普通なのに、本当にこのお子さんの危機回避の能力はすごいなと思います。

やはり、事前にお母さんとよく話をし、練習し、心得ていたからとっさの危機への対処ができたのでしょうね。

皆さんも、どうぞご家庭や学校で、とっさの時にどうしたらよいかよく話し合い、
練習しておくとよいと思います

自分の身を守るために、必死にならなければならないときがあるということを、
みんなで話し合う時間をつくってみてください






イギリスの安全教育(4)

2009-07-13 16:00:13 | 日記
こんにちは、ACEの深見です。

今日は、実際にイギリスでどのように安全教育がおこなわれているか、お話しましょう。
私が視察に行った数か所の地域の話ですが、
まず、教科書で危機状況、危機場面について学び、
そして、安全体験施設に行って、実際の危機的状況を体験し、
学ぶという方法があります。

私はイギリス内の体験施設2か所視察してきましたが、どの体験施設も、
危機状況がよく作られていて、子どもたちはリアルに状況を把握し、対処しなければなりません。場面設定が非常によく作られており、子どもたちは真剣に考えなければなりません。


主に、
1、子供部屋、リビング、キッチンの危険要素
2、公衆電話 (エマージェンシーコールの練習)
3、商店(万引きを見てしまったら)
4、暗い道(犯罪に遭遇しそうな道での歩き方)

などの場面が実際に作られていて、子どもたちは歩きながら、考えながら
その場その場でどのように自分がふるまったらよいか、真剣に学びます。

体験に勝る学習はなし。
安全に暮らすということは、一朝一夕にできるものではありません。
体験の積み重ねから、はじめてできるものなのです。

私たちがACEの活動を始めたのも、このようなイギリスの状況を
見て、日本にも体験教育が絶対必要であるという思いからなのです。

私たちは、日本でこのような体験施設を作ろうと、今がんばっています。
ACEはその活動の第一歩です。

どうぞ、私たちの活動にご興味のある方はどんどんお問い合わせください。

次回、私たちは8月に茨城県でACEの講演を行います。
大人の方向けの講演ですが、大人の方々にも実際に色々な体験をしていただこうと思っています。

(写真:2007年10月 ミルトンキーンズにて)

イギリスの安全教育(3)

2009-07-12 17:01:52 | 日記
こんにちは、ACEの深見です

イギリスの市民化教育の三回目。今日は、具体的にイギリスの市民化教育の中で
どのように安全教育が組み込まれ、行われているかお話しましょう。

イギリスの市民化教育は、

「個々人の発達」
「市民権」
「日常生活」
「人間関係」

について学ぶ科目です。
その中の「日常生活」のなかに、安全教育は組み込まれています。

安全教育の目的として、以下の項目が設定されています。

1.危険に気づき認識する能力、そして危機状況を判断し対応

2.「安全な生活」に影響を及ぼすさまざまな要因について学ぶ。
3.個人的、社会的なスキル -自分や、他の人の安全に責任を持つことができるような-  をつける。
4.危機的状況を認識し、対応するときの、感情のコントロールの仕方を学ぶ。
5.地域の安全を担う一員となることを学ぶ。

自分で自分を守ること、そして自分だけでなく、他人も守り、社会も守ること。このような人間を育てることを目的としています。

次回は、実際にどのように教育現場で授業が行われているか、お話します

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