NPO法人体験型安全教育支援機構 (旧ステップ総合研究所子どもの安全教育グループACE ニュース

犯罪・災害から自分で自分を守る力をつける体験型安全教育プログラム・実践の記録等の情報をお伝えします

「大地震に遭った子どもたち~日本海中部地震の教訓」2

2011-04-28 11:28:51 | 日記
1983年(昭和58年)5月26日午後零時に、日本海中部地震が起こった。
今回の東日本大震災と類似する点は、
学校に子どもたちがいる時間に大きな地震が起こったことだ。

日本海中部地震が起きた後も、阪神大震災、中越、能登などでも大きな地震は起きたが、いずれも、学校のある時間帯ではなく、子どもたちは家や、その他の場所で被災している場合が多い。

今回の東日本大震災においておきたことを、未来の子どもたちにも伝え、そこからよいより未来が開けていくようにするには、まず、歴史から学ぶことが必要であろう。

1983年の地震の際の貴重な学校の記録を、少しずつ連載していくことにする。


「大地震に遭った子どもたち~日本海中部地震の教訓」
 (NHK出版1984年、清永賢二、小出」治、平井邦彦、井辺洋一)

 2章 子どもたちはその時 (より抜粋)

震動する学校~前触れもなく突然に

 冬の訪れの早い青森や秋田では、五月から六月に遠足や修学旅行を行う学校が多い。
バスを連ね、汽車に乗って、その朝も、多くの子どもたちが出かけた。
 秋田県の合川南小学校では、6年生は北海道方面への修学旅行、4,5年生は秋田氏から男鹿半島を経て遠い場所の遠足、1,2,3年生は近場の遠足に出かけた。
また、青森や秋田では、このころに運動会も催される。体育着を着て、グラウンドで走り、おどり、更新する子どもの姿が見られた。青森県北津軽郡にある中里町立武田小学校では全員がグラウンドに出て、行進の練習を終わった後だった。普段と変わらぬ平凡な学校の一日が過ぎるはずであった。

《4時間目の終わりころ、地震が来ました。
初め、地面がぐらっと動いた時は、「地震がきたのか」と、思っただけでした。
それは、私達の方へくる地震と言えば、弱いものばかりだったからです》
(西津軽郡深浦町修道小学校 5年 鴨美智子さん)

天災と呼ばれる現象がすべてそうであるように、
日本海中部地震も何の前触れもなく突然に襲いかかった。
先生たちの多くは、大地震は関東地方に起こるもので、
青森や秋田では発生するものではないと思っていた。
また、子どもたちは、先生たち以上にそう思い込んでいた。
それが、心のすき、備えのすきを作りだした。

天災は忘れたころにやってくる、と同時に、
天災と呼ばれる大地震は全国のどこででも発生する危険性がある、
と言うことをもう一度確かめておかねばならないだろう。

何百人あるいは何千人の子供が集まり学ぶ学校では、
大地震に対する備え場より確かなものとしておかねばならない。
地震と引き換えにするには、子どもたちの生命はあまりに重く、将来の可能性は大きい。


「地震だ、地震が来た。」

様々なことが一度に起こった。
破局とはそういうものであろうが、日常の平穏を突き破って、様々な現象、行動が渦を巻いて噴出した。

《最初は、上の階の三年生が騒いでいると思いました。そのうち、床の揺れが激しくなり、次に上下にドーンという激しい揺れが来ました。之は大変だと思い、すぐに子どもたちに「早く机の下に隠れなさい」と指示しました。子どもたちは、本当に「あっ」と言う間に机の下にもぐりこみました。最初は「おもしろいな」というような声も聞かれましたが、次第にその声も出なくなり、私の「お話ししないでね」「泣かないでね」という指示を黙って聞いていました。
子どもたちのうちで、一人だけ地震の意味がわからず机の下に隠れようとしない子がいました。何度か声をかけましたが動きません。頭を押しこめるようにして潜らせたのを記憶しています。
廊下側のドアは全部開いていましたが、通行不能になっては大変と思い、ともかく窓を全部開けました。歩くのがやっとという思いでした。一人の女のことが泣き出しましたが、その時、周りの子どもたちが「泣くな」「大丈夫だ」と声をかけていました。
そのうち電気が消えました。つるしてあった蛍光灯が大きく揺れ、天井にぶつかりそうになり、落ちてくるのではないかなと思って、本当に天井ばかり見ていました》
(能代市能代第4小学校 二年担当 工藤綾子先生)

まったく幸いに、と言わねばならないだろう。
大揺れに揺れる学校から火が出なかったのだ。

時間はちょうど午後零時。
昼食の用意がなされており、火が出てもおかしくはない時刻ではあった。

火が出なかった理由として、子どもたちの給食は、11半ごろに作り終え、
例時頃には教室に運ぶ用意をしていた(実際用意された給食の大部分がこぼれてしまい、避難先で子どもたちは大変な空腹に悩まねばならなかった学校も出た)、また、大勢の子どもを抱える学校であっただけに、給食室やガス貯蔵部分の管理が負d何からしっかりしており、それが有効に作用したなどの理由が挙げられている。
地震時に一番心配される火事は一校も出なかった。しかし、地震のお揺れは、学校のすべてを揺さぶった。校舎の土台を、子どもや先生の心を。

大揺れに伴い渦を巻いて発生した破局の状況を、いくつかの自然現象と、子どもの動きや先生の行動に解きほぐし、
渦の中をさらに細かく見ていこう。

(つづく)



「伝説の大泥棒~幻の日記に賊たちの巧みと人生を読む~」

2011-04-21 09:16:48 | 日記
こんにちは、ACE清永です。
今日は、新刊のお知らせです。

「伝説の大泥棒~幻の日記に賊達の巧みと人生を読む~」
東洋経済新報社刊;450頁
清永賢二(日本女子大学客員教授)


450ページという、枕になりそうに厚い本が、
いよいよ発刊されることとなりました!

犯罪者の日記を元犯罪者と読み、それに加えて、
ACE特別顧問、清永教授が行いました各種実験時の写真、
空中を飛翔する天才泥棒、彼の目の玉の動き、
元犯罪者対象調査等々がまとめられています

犯罪者はなぜ、どの様にして犯行を決意し、
どのような技を使って実行し、どうして逃げるのか、、、等々。

おそらく犯罪者に関するこれ以上の記述は、国の内外を問わず、
存在しないことは確かです。自信を持って云えます。

どうぞお楽しみにしていてください!




チャリティ安全教室

2011-04-12 20:29:41 | 日記
こんにちは、ace清永です。


新一年生のチャリティ安全教室に参加してくださった皆さま、
誠にありがとうございました。
義援金は、すぐに、日本赤十字社に振り込みました。
子どもたちから子どもたちへ、お母さんからお母さんへ、
気持ちが伝わりますように、、。



地震に便乗した犯罪に注意!!!

2011-04-12 20:29:16 | 日記
こんばんは、ACE深見です。

地震から約一カ月。
時間がたつにつれて、被災地での犯罪が増えています。
被災地のみならず、東京や、関西でも、義援金詐欺やひったくりなどが多発しているようです。

被害者にならないようにするにはどうしたらよいか、私達も緊急連載を始めました。

こういう時には、人間の基盤が揺らぎ、
予想だにしない犯罪が増えます。
悲しい連鎖がふえないよう、それぞれができる対策をしていきましょう。

詳しくは、http://www.ri-step.co.jp/
「東日本大震災と犯罪防止」のページをご覧ください。

今できることーもう一歩を超えるということは何か、そして母として思うことー

2011-04-09 20:19:08 | 日記
こんにちは、ACE深見です。

わたしも、毎日、子どもを持つ母親として、
被災地の子どもたちの様子をニュースや新聞で見るたびに、
胸が痛む思いをしています。
同じ立場になったら、私はこの方たちのようにふるまえるだろうか、
自分が同じ立場だったら何がしてほしいか、何がしたいか、
私に何ができるだろうか、今すぐすっ飛んで行ってこの子たちのためになにかしたい、、、

このようにおもっているお母さんたち、お父さんたちが日本中にたくさんいると思います。


震災前と震災後では、
被災地でないにもかかわらず、
今できることを一生懸命やるだけで大変です。
今まで普通に取っていた水、空気、食べ物それを子どもに今までのように
接しさせることができない苦悩、
登校時間や下校時間の安全対策の変化、
節電による様々な生活の変化、、

親として思うことは、
今まで普通にやってきたことを、いまできることとして 行うこと。
被災地につねに心を寄せながら、
自分の生活も丁寧に行うこと。
今できることを一人一人がやることが今は一番大事だと思います。

 それがつまり、無理して「今できることを一歩越えよう」としなくとも、
結果として今できることを一歩越えた行為になると思います。






さっそく、安全基礎体力プログラム、使っていただいています。

2011-04-07 14:35:54 | 日記
ACE深見です。

HP等で御案内している
安全基礎体力プログラムを使用して、
さっそく地域の安全教育指導をしてくださっている指導者の方々がいます。

私達と同じように、
メジャーを使って子どもの危機回避距離を教えたり、
ランドセルを使って防犯ブザーの付ける位置を指導したり、
すれ違う時の距離を教えてくださったりしている皆様、

ありがとうございます!

参考にしてくだると、私達も作ってよかったな、と思います。


うれしいです。

わからないことがあれば、お聞きください。

これからもよろしくお願いいたします。






新一年生のためのチャリティ安全教室

2011-04-07 14:11:34 | 日記
子どもの安全教育グループACE 清永です。

4月5日に、チャリティ安全教室を行いました。

被災地にはすぐにはいけないし、何もできないけれど、
ここにいて、何かできることはないか、
私たちならではの、なにか手段はないかと考えたメンバーによって、
「チャリティ安全教室」、無事開催できました。
ACEスタッフの中にも、新一年生になる子どもを持つ者もおり、
自分の子どものためにも、そして地域の子どものためにも、
そして、被災地の子どものためにもなるイベントはないかを考え、
今回の開催となりました。


お陰様でたくさんの新一年生の親子の皆さんが参加してくださり、
また義援金も多く集まりました。
皆様のご協力、本当に感謝いたします。

新一年生になるお子さん、保護者の皆様の不安解消に少しは役立てましたでしょうか?

自分の命は自分で守ることができます。
でも、まだまだその力が備わっているない一年生は、
親子で、そして学校や地域の皆さんと一緒にスクラムを組むことで、
安全に、元気に、学校に行くことができます。

ご入学おめでとうございます。
みんなのことは、周りの大人がしっかり見守っているので、
安心して、元気に、学校に通ってくださいね!
そして困ったことがあったら、どうぞ、いつでもご相談ください!



岩手からのお便り③

2011-04-07 14:09:17 | 日記
特別研究員Sさんからお便り第三弾が届きました。

岩手からの便り③
今、直接の罹災地ではありませんが、周辺の市町村で「義援金を求める」といった詐欺事件がはやっています。それも権威を付けるためNPOの名前だけでなく、大学の先生の肩書きを語っている詐欺もあるようです。大学の先生方も大変迷惑を被っているようです。(2011年4月3日)

確かに大学の先生が学生ボランテイアを使って義援金集めているというのを知っています。本当に大学の先生のその肩書きが正しいか確かめてから何事も行うことが必用ですね。みなさん偽の肩書きに注意しましょうね。

岩手からのお便り② 

2011-04-07 14:07:49 | 日記
㈱ステップ総合研究所特別研究員のSさんから、
お便り第二弾がきました。


岩手からの便り②
強盗が徘徊し、銀行のATMが壊され、現金が抜き取られてました。
また半壊した旅館から、地デジに変えたばかりのテレビ4台が盗まれていました。

しかしこうした一方で、通帳や印鑑など大事だと思われるものを発見した人が届けてくれた、という話もたくさん聞きました。(久慈市2001年4月2日)

こういう報告を聞くと前半の報告にはそういった泥棒への強い怒りを、後半の報告には人間に対する信頼の念なんとはなしの感謝の念を抱いてしまいます。(2011年4月2日)


被災した研究員と連絡が取れました。今できることをがんばって、と逆に元気づけられました。

2011-04-02 15:23:56 | 日記
こんにちは、ACE清永です。

弊所特別研究員Sさんが、岩手で被災しました。
しばらく連絡が取れなかったのですが、無事に避難所にいることが確認できました。
彼女は、東京の大学にいる学生時代から
研究を一緒にしてくれていたのですが、
一時的にご両親のそばに帰っており
そこで、今回の地震に遭いました。

どうにかこうにかして連絡が取れたのは、震災から5日目。
その後彼女ととぎれとぎれに連絡を取っていますが、
心配することしかできず、自分の無力さを感じています。

不自由な生活の中で暮らしているSさんですが、少しずつ取材を進めてくれています。
できるだけ彼女のレポートをご紹介していけたらと思っています。

Sさんが被災した場所は、高齢の方が多く住んでいる場所で、
海の近くではなかったのですが、それでも写真の通り、
内陸まで押し寄せた波によって漁船が流れ着いています。

震災から3週間たった今、
子どもも大人も、少しずつ自分の家のあった場所に戻り、
思い出のものや必要なものをなんとか取り出しているそうです。

そんな中、壊れた家の中から子供が泥だらけのポケモンのおもちゃを見つけて
ポケットに入れてる様子が印象に残っている、とSさんは語ってくれました。

「私のいるところはもう水道も通るようになったから、全然大丈夫です。
もっとひどい被害を受けた人に申し訳ない、、」といっているSさん、
そうはいっても大変だと思う。
私達はいつも忘れていないから、そばにいるから、
というと「奈穂さんは東京でできることをやってください」
と言われました。

今自分ができることを一生懸命やるしかない、彼女にカツを入れられました。