Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

辻邦生「風の琴」

2021-10-03 10:26:02 | 読書
文藝春秋 (文春文庫 1992/05).
9月までコロナのため図書館が閉館していたので,昔の本を引っ張り出した.

KINOKUNIYA WEB の内容説明*****
ブリューゲル、レンブラント、セザンヌ…。西洋美術史をキラ星のごとく飾る24 の名画。その色と形が呼び起こす感興を、同じ強度のまま、短篇小説で再現するとどうなるか?2つの芸術ジャンルの間で白熱する感動の変電実験。こうして炉辺の語りの楽しさを堪能させる 24 の物語が生まれた。巻末に作者による図版解説を付す。*****

著者 1925-1999 を誤って芥川賞作家と思い込んでいた.近代文学賞,毎日芸術賞,谷崎潤一郎賞などいっぱいもらっているが,「江戸切絵図貼交屏風」のような,捕物帳も書いている.
これは月刊・文藝春秋の2年にわたる連載が,2冊の単行本を経て1冊の文庫になったもの.純文学でなく,商業ベースの連載はそれなりに難しかったかようで,同工異曲も散見する.前半・肖像画の物語の方が,後半・風景画への旅に比べ,ペシミスティック.

トップ画像左のカバーは,コロ Corot の モロトフォンテーヌの思い出 Souvenir of Mortefontaine の部分.本文では部分ではなく全体が「霧の柩 - 森に囲まれたある森の物語」と化している.

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