がんの放射線治療とは,要するにがん細胞を焼き殺すわけで,がんにお灸をすえるということだろう.熱くは感じないが,それなりの損傷は当然である.もっとも灸は火傷させることが目的ではなく,自律神経などに作用して内分泌に影響を与えて効果をもたらすのだそうで,ある意味 放射線照射より間接的にして文化的である.
昭和 10-20 年代の幼少時代には,悪いことをするとお灸をすえるよといわれるのが恐怖だった.
銭湯では,背中に賽の目の六の配列の火傷跡・化膿跡 すなわち灸の跡を自慢する年寄りがいた.
テレビのない時代にはラジオで落語を聞いて喜んでいたのに,父親は「寄席で見なければつまらん」とよく水を差した.たしかに,「蒟蒻問答」もそうだが,この「強情灸」もビジュアルでこそ面白い.
Youtube には先代小さんの「若いとき」というコメントがあったが,自分の記憶に残っている小さんはこんなものだ.高座でぶつくさ言っているだけであまり面白くないと思ったが,今見るとなかなかよろしい.
弟子・談志に手を焼いたり,圓生一派に落語協会を離脱されたりしたところをみると,師匠職・会長職はうまくなかったらしい...それにしては,弟子がたくさんいた.
夕食にちらし寿司を出前でとり,「うまかった.明日はいなり寿司にしよう」といって寝たが,翌朝になったら死んでいたという話を聞いたことがある.あやかりたい !