─光る波の間─

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『生きて死ぬ智慧』

2005-08-25 00:18:41 | 
今日は「地蔵盆」という日だそうですが、
残念ながら何をすれば良いのか解らなかったので、
(゜◇゜)ぼーーーっとしたまま過ぎました。

それはさておき。

仏教で、宗派を超えて読まれる「般若心経」。
それほどポピュラーでありながら、
難解で意味がわからないといわれ続けています。
よって、解釈本がたくさんある。
必死に「解りやすく・易しく」しようとした結果、
般若心経そのものの存在感のない本もけっこう多いと思う。

かくいう私も、思想的な興味とか、
また心理・カウンセリングと仏教の近さへの興味から、
大雑把でいいから内容を知りたいと思って本屋へ出かけてはみても、
「どれみてもわかんねぇ~~。…もっとシンプルなのは無いの?」
と常々思っておりました。 そこで…

これこの本。『生きて死ぬ智慧』はいいです。

玄侑宗久さんがよくおっしゃる、「物理の量子論がすでに語られている」
に当たる一節も語られています。
河合隼雄さん、中沢新一さん、養老孟司さんなど、みな仏教に言及してます。
科学と宗教が融合できる可能性や、宗教を超えたメタ宗教になれる可能性が
仏教にはあるといわれてます。っていうとめんどくさくなる?

もっとシンプルに、日々をラクに生きる智慧の話ってことでいいか。

書かれた方は生命科学者で、「あくまで私にとっての般若心経です」と
おっしゃってますが、それだけに我々に身近な感じがします。
それと挿絵が豊かですね。
日本画家の作品だそうですが、日本画という感じがなく、
フランク・ハウエルのインディアンの絵によく似た雰囲気。

お釈迦様の言葉は、戒律とは趣きが違って、一人ひとりの個性に合わせたものであり、
指導の仕方も違ってました。
「決まりを作ってくれ」といわれても、「問題があったら私に直接聞きなさい。」といって、
ひとつひとつ、その問題や人物に合わせた答えをしていた。
だから、それを平面に並べてしまうと「言ってることが違う・矛盾がある」と
思われてしまいますが、そういう面こそカウンセリングに近いんですよね。

そういう感じなので、読んだときに何を思うかはまた個人個人のもので、
わからないなら解らないでも、いっこうに構わない。
第一、西洋的教育法で馴らされた我々に“自分は存在しない”と言われたって、
「はぁ~?なに言ってるの?」に…そりゃなるもんね。

しかし、資本主義や科学偏重のおおもとは西洋的一神教思考で、
いまやその限界がとうに見えている。
日本も一神教的思考の時代があった。戦国時代がそれだ。
それで色々なところで破綻してしまった反動と反省で、江戸時代ができた…。
繰り返してるね。でも単に進歩がないと嘆くことでもない。
振り子みたいに行ったり来たりすること、動くこと、変化することでエネルギーが
生まれているんだから。

仏教は、生きてるなかで役に立つ智慧がいっぱいある。
生きてるときこそ必要な智慧が。
“「空」のこころを持つ人は迷いがあっても迷いがないときと同じこころでいられる。
 苦しくても、苦しいままで幸せに生きることができる…”


お釈迦様は、「生きるとは苦だ。だから、こころが楽になる智慧を」と言い、
最後には「この世は美しい。人生とは甘美なものだ」とおっしゃった。
外国の心理学者にも、同様のことを言った人がいる。
「親が子どもに教えなければならないこととは、“人生とは甘美なものである”ということだ」と。

自己啓発や、癒しの本は山ほどある。
そのなかの1冊にでも、加えておきたい本。
英訳も付いてます。

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余談ですが。
教育テレビの子ども向け番組「からだであそぼ」で、
男の子が禅寺に修行に行ってます。
ロケ地は横浜の曹洞宗総持寺だそうで。
姿勢やものごとへの心構えなど、教えられてます。

がんばれ!たいきくん!(^^)

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