─光る波の間─

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隣国の若者たちが中東を1つにした/アラブ・エクスプレス展

2012-07-21 21:05:20 | 音楽・映像・アート

先週末、招待券を頂いたので森美術館で開催中の
「アラブ・エクスプレス展」を観に行った。
土地柄もあるのかもしれないけど、 
連日夜10時まで開いているなんて、最高だね♪
ゆったりと夜を楽しむ他の人々とともに、中東の現在へGO!



窓外の風景まで取り込まれた展示は見応えがある。
今回の展示では「黒い噴水」という作品の向こう側に夜の六本木が
広がっているのがなんとも…幾重にも解釈が広がっていった。
でも、それを抜きにして真っ白い壁の前で踊る黒い水の形の動き自体が
おもしろくて、無心になって時間が止まるような感覚を楽しんだし、
黒いので「墨」が連想されて、そのまま空中に書や水墨画を
描き出していく様を想像してワクワクしたりした。
床に飛び散った黒い飛沫は、そのまま切り取ればドローングとして
作品になりそうだなとも思った。
(黒い噴水の画像あり→ 森美術館公式ブログ

さて、ある映像作品を見ていたときだ。
目の端に、話し合いながら活発に行ったり来たりしている男子3人が見えた。
その作品は、「壁に磁石で張り付けられた中東の地図を
自由に移動させて新しい中東の地図を作って下さい」 というコンセプト。
中心にパレスチナが固定されてるほかは、私が見た時はどれがどの国か、
全然わからなくなっていた。
(中東の国々のカタチを把握してないという自分の無知の表れでもあるが)

その”新しい地図”を、彼らはせっせと”元の地図”に戻していたのだった。
キャプションとともに貼ってあった、現在の地図を見ながら。
そしてその後、別の展示室で彼らに遭遇したとき、彼らの言葉が韓国語だと知った。

ただそれだけのことだけども、イ・ブル展を思い出しながら見ていた私は、
なにか、アタマの中の別のところでパズルのピースがカチッ!と合ったような、
不思議な感覚が感じられた。
印象としては、彼らはただ無邪気にジグソーパズルを完成させようとするような、
単純な動機から、参加型の作品を和気藹々と楽しんでるように見えたのだけども。
結果として、おそらく私だけが鑑賞できたすごいパフォーマンスアートとなり、
最も印象に残る作品になったのだった。

  ”元”に戻ってしまった地図は、すぐに誰かが崩していくだろう。
  そしてまた、誰かが”元”に戻す。
  そこに理由があろうと無かろうと、ただ繰り返されるのだろう...

政治や思想、社会と強く結びつく作品群に対峙したら、考えずに見ることは難しいけれど、
そこをも含めて、やはりアートはドキドキして楽しい私をポジティブにしてくれるものだ。
この展覧会は、自発的に見に行くには少し動機が足りなかったのだけれども、
チケットを下さった森美術館さまに感謝です:)

アラブ・エクスプレス展は10月28日まで。
http://www.mori.art.museum/jp/index.html 

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