─光る波の間─

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『悪人正機』を読んだ。

2004-12-27 23:56:53 | 
今月、実家との往復が多くて高速バスの中で聴く音楽や
読む本が尽きてくる。
あんまりかさばりたくないし、一時の暇つぶし程度のものでも
買っちゃうと持ち物が増えるには違いないわけだし。
以前「とりあえずこれなら私的に間違いあるめぇ」というのが
江國香織さんや河合隼雄さんの著書だったけど、そろそろ、
ネタが尽きてきてしまった。(苦笑)

そして新たに台頭してきたのは『ほぼ日』関連の本。
『海馬』『言いまつがい』『オトナ語の謎。』『ICHIRO meets you』
で、先日『悪人正機』の文庫本を買った。
不勉強で申し訳ないけど、吉本隆明さんのことはほとんど存じ上げておりません(ーー;
吉本ばななさんのお父様だそうですが、ばななさんも読んだことないしf^_^;

おもしろかったー!
いや、腹抱えるとか、すかっと爽快感がある、とかいう面白さとは違う。
全てに納得がいってるわけでもなくて、正直全然わからないのもあるんだけど、
あっと思う瞬間とか、にやりとする瞬間がそこここにあって、
“そう言い切ってもらうと助かっちゃう”っていうシーンがたくさんあるのだ。
たとえば、“「役に立たない旅」でいいじゃないか”ということ。
今オーストラリアにワーホリ行ってる友だちが、初めのころのメールで
こんなことを書いていた。
 なんでここに来たの?って聞かれるのが一番困る。
 もちろん来たくて来たんだけど、どんな理由を語ってみても
 なんだか違う気がして言葉にするのが難しい‥‥

理由や意味を探さなければならないような、
求められたら必ず答えられなければいけないような、強迫観念めいたもの。
特に白人社会に入ったら、自分の行動の根拠って説明できることを求められるだろうし。
もちろん考えることを最初から放棄するのはどうかと思うよ。
でも、

「“そういうことをやってみた”ってだけのこと。何か発見したとか、
 人生において(旅が)役に立ったとかはない」
「旅に出ることや貧乏旅行することは、それ自体、威張れるようなことでも
 なんでもない」

そう言われてしまうと、楽になるよね。(笑)
吉本さんは全然押し付けがましくなくて、ただ「俺はそう思ったんだよね」
っていう言い方をしている。
税込み540円。何度も繰返して読む本になりそうです。



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