たとえば、歌舞伎の不思議なポーズは、
「ストップモーション」だったり、「スローモーション」だったり、「クローズアップ」だったりする。
そういう約束事、“あると見立てる” “無いものとする”っていうような、
イマジネーションの豊かさは日本人の凄さなんだよなぁ。
今日の『新日曜美術館』は<絵巻物>についてでした。
絵巻物って、展覧会の展示ではたいていが有名な箇所をだーっと広げて、
ガラス箱の向こうに鎮座ましましていて、なんだかよくわからなかったりするんだけど、
本当は下に置いて、両手でくるくると巻きながら見ていくものなんだそうだ。
その1枚のなが~~い紙の上に繰り広げられる物語は、
まさに映画であり、アニメーションであり、漫画なのだ。
いや驚くねぇ~!!
時間の経過、視点の変化、フェードイン・フェードアウトなど、
800年前にすでに確立されちゃってたんですね。
日本がアニメ大国になるのはごく当たり前のこと。
劇画によくある、スピードを表す風の線も、
その時代すでに描かれていた。
絵巻物自体は中国からきているもので、
そっちはそっちで優れたものがたくさんあるけれど、
何が違うかというと、日本はフィクションを描くことに
優れていたそうなのだ。
日本は平地が少なくて、地震が多くて、湿気も多いし、変化が激しくて、
何かをなが~~く保って持ち続けるのは難しい。
だから江戸時代なんか、モノをなるべく持たないし、徹底的にリサイクルだし、
体一つで身軽に動く。
そういう風土だからこそ、無常を感じて感傷的になったりもすれば、
さっさと切り替えて忘れ去ったりもするんだね。
落語みたいに、扇子1本で何もかも表現して、それを想像して見る力も持ち、
あうんの呼吸だとか、暗黙の了解だとかが成立するんだろう。
目に見えるとか見えないとか、手に掴めるとか掴めないとかにこだわらず、
その場や状況に応じて臨機応変に対応していく力。
そういうもんがあるから、西洋絵画の遠近法の厳密さみたいなものは発達しなかった。
『源氏物語絵巻』にみられるような、
「俯瞰図なのに人物の顔が正面から見える」なんてことは、
西欧から見れば“技術の未発達”“不完全”とみなされたかもしれない。
(もちろん現在は優れた美術品として認識されているでしょうが)
一見リアルとは程遠いようだけど、展開される映像・物語のリアリティっていうのは、
写真のような精密な描写よりもずっとずっと迫力があるんだよなぁ…。ふぅ~
えーと、京都国立博物館で『大絵巻展』開催だそうです。
この記事読んでもさっぱり分からないだろうことも、こちらのサイトで解説してます。
もう少し近いとこだったら見に行くんだけど、残念。
*
「ストップモーション」だったり、「スローモーション」だったり、「クローズアップ」だったりする。
そういう約束事、“あると見立てる” “無いものとする”っていうような、
イマジネーションの豊かさは日本人の凄さなんだよなぁ。
今日の『新日曜美術館』は<絵巻物>についてでした。
絵巻物って、展覧会の展示ではたいていが有名な箇所をだーっと広げて、
ガラス箱の向こうに鎮座ましましていて、なんだかよくわからなかったりするんだけど、
本当は下に置いて、両手でくるくると巻きながら見ていくものなんだそうだ。
その1枚のなが~~い紙の上に繰り広げられる物語は、
まさに映画であり、アニメーションであり、漫画なのだ。
いや驚くねぇ~!!
時間の経過、視点の変化、フェードイン・フェードアウトなど、
800年前にすでに確立されちゃってたんですね。
日本がアニメ大国になるのはごく当たり前のこと。
劇画によくある、スピードを表す風の線も、
その時代すでに描かれていた。
絵巻物自体は中国からきているもので、
そっちはそっちで優れたものがたくさんあるけれど、
何が違うかというと、日本はフィクションを描くことに
優れていたそうなのだ。
日本は平地が少なくて、地震が多くて、湿気も多いし、変化が激しくて、
何かをなが~~く保って持ち続けるのは難しい。
だから江戸時代なんか、モノをなるべく持たないし、徹底的にリサイクルだし、
体一つで身軽に動く。
そういう風土だからこそ、無常を感じて感傷的になったりもすれば、
さっさと切り替えて忘れ去ったりもするんだね。
落語みたいに、扇子1本で何もかも表現して、それを想像して見る力も持ち、
あうんの呼吸だとか、暗黙の了解だとかが成立するんだろう。
目に見えるとか見えないとか、手に掴めるとか掴めないとかにこだわらず、
その場や状況に応じて臨機応変に対応していく力。
そういうもんがあるから、西洋絵画の遠近法の厳密さみたいなものは発達しなかった。
『源氏物語絵巻』にみられるような、
「俯瞰図なのに人物の顔が正面から見える」なんてことは、
西欧から見れば“技術の未発達”“不完全”とみなされたかもしれない。
(もちろん現在は優れた美術品として認識されているでしょうが)
一見リアルとは程遠いようだけど、展開される映像・物語のリアリティっていうのは、
写真のような精密な描写よりもずっとずっと迫力があるんだよなぁ…。ふぅ~
えーと、京都国立博物館で『大絵巻展』開催だそうです。
この記事読んでもさっぱり分からないだろうことも、こちらのサイトで解説してます。
もう少し近いとこだったら見に行くんだけど、残念。
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