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オフロードバイク&釣り好きのイケイケブログ

家で昔の仕事の話

2006-09-16 00:57:19 | Weblog
今日はちょっと怖かった昔の仕事の話。

(ちょっと長め)

昔、撮影の仕事で台湾の田舎へ行ったときのこと。
台湾の田舎は、少数民族がそれぞれの村を持ち静かに暮らしています。
少数民族の村と聞くと、どんなとこだと思うでしょうが、
山の中にあるというだけで、私達と変わらない普通の文化的生活です。
まぁ、下水は完備されなかったりしますが、
そのあたりは、日本の田舎と変わりません。

そんな村で何年かに一度行われる、特別な村祭りを
取材に行ったわけです。
この日だけは、村人も昔の民族衣装に身を包み、祭りを盛り上げます。

私達は何日か村に滞在し、いろいろな撮影を行っていたある日、
確か…村の祭りに必要な神事を、山の奥で行うというので
村人に案内されるままついていった訳です。

案内された道は、ちゃんと舗装された山道。
クルマもちゃんと通れる道路です。
そこにクルマに轢かれた様子の一匹の小さい蛇の死骸が
あったわけですよ、ペシャンコになった。
初めて行く国ですから、どんな蛇だろうと皆で
見てると、村人が「百歩蛇(ひゃっぽだ)」と教えてくれました。

みんさん「百歩蛇」ってご存知ですか?
私は当時、名前と名前の由来くらいは知ってました。
一応知らない人のために説明すると…
噛まれると、「百歩」歩かないうちに死んでしまうという
猛毒を持つところからきた名前の毒蛇です。
実は台湾では、かなりメジャーなニクイ奴で、
少数民族の中では、シンボルとして崇めたりしている民族も
あるそうです。

まぁ、その時は、「車に轢かれちゃって可愛そうに…」
「これが噂に聞く毒蛇の百歩蛇かぁ…」ってな感じで見てた訳ですよ。
次の瞬間、村人が「じゃぁ、ここから道を外れます」って言うまでは。

「ん?、道を外れるって、この舗装された道しかないやん?…?」

そういうと、案内人は背丈ほどもある藪の中へ
ズンズン入っていくわけですよ。
藪をかき分け、かき分け。

「えー…このほとんど前も足元も見えない薮の中に
 入って行くわけ?」
ペシャンコの百歩蛇の死骸を見ながら思いました。

「スタッフの一人が聞きました。蛇はいないの?」

案内人は「大丈夫、大丈夫~」と、言いながら
もう姿が見えなくなってしまいました。
しかたなく、機材を抱えながら薮の中へ突入していくスタッフ。

「こんなところで死にたくないなぁ…」
「百歩歩いても、村まではいけないなぁ…」
「次に死骸になるのは誰やろ~」などと、
考えながら生きた心地なく、薮の中を歩いたことを覚えています。

台湾の話は、おもしろいのが沢山ありますから、
またの機会に書きますね。
コメント
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