氷に侵されたロッドを振る時に出る独特の悲鳴。
音もなく遠くの頂を怪しく照らす雷。
奴が光れば下界は冷える。
真冬の琵琶湖は甘くない。
山を越えて流れ込む冷えた空気の塊。
頬を伝う冷気にハッとする。
刃物のように尖った空気が、
露出した顔と指先を撫でていく。
吐く息も凍る夜気は、
身体の自由を奪うだけでなく、
濡れた糸に絡み氷となって軋み出す。
手のひらの皮膚は道具に張りつき、
リズミカルな回転は、
熱いはずの気持ちと共に萎えていく。
ただただ痛い指先を無視し、
闇夜に向かい凍った剣(つるぎ)を振りおろす。
遠くに見える明かりは身体を溶かす温もりか。
凍てついた血が一瞬で沸騰する時を夢み、
今日も暗闇の中で独り闘う。
水面(みなも)に映った遠くの明かりは、
横殴りの冷えた空気でかき消された。
琵琶湖という宇宙。
夜空を泳ぐ星を探す。
音もなく遠くの頂を怪しく照らす雷。
奴が光れば下界は冷える。
真冬の琵琶湖は甘くない。
山を越えて流れ込む冷えた空気の塊。
頬を伝う冷気にハッとする。
刃物のように尖った空気が、
露出した顔と指先を撫でていく。
吐く息も凍る夜気は、
身体の自由を奪うだけでなく、
濡れた糸に絡み氷となって軋み出す。
手のひらの皮膚は道具に張りつき、
リズミカルな回転は、
熱いはずの気持ちと共に萎えていく。
ただただ痛い指先を無視し、
闇夜に向かい凍った剣(つるぎ)を振りおろす。
遠くに見える明かりは身体を溶かす温もりか。
凍てついた血が一瞬で沸騰する時を夢み、
今日も暗闇の中で独り闘う。
水面(みなも)に映った遠くの明かりは、
横殴りの冷えた空気でかき消された。
琵琶湖という宇宙。
夜空を泳ぐ星を探す。