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NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

スペル

2010-08-15 | 休み
面白いとは聞いてたけど、まさかここまでとは。糞面白い!



『スペル』(オフィシャルサイト)
スペル


心優しい女性であるクリスティンが勤務先の銀行の次長職を前にしていた折に、彼氏の母親が自分の出自や社会的地位に不満を抱いていることを知り、是が非でも次長職を得るべく支店長の意向に沿うように働く。そんな時にロマの老女の3回目のローンの延長申請を断ったことで、老女から襲撃と呪詛を受けてしまい…という設定で絶対怖いだろうと、もちろん冒頭は怖いし、中盤でも怖い部分はあるのだけど、基本的に怖くないというか真逆。

アメリカンホラー映画の古きよきテイストというか定型を活かしつつ、その表現は過剰。でも明確なホラーコメディではない。でもサム・ライミ監督なので確信犯的な過剰さでギャグに成ってる。でもホラーの定型は見事に再現されているの突発的な登場など演出で、音でビックリさせられる。つうか、ビックリして、笑えるってなんてお得な映画なんだろう。ストーリーもステレオタイプではないけれど、流れはある種の類型なのでラストは誰もが予想は付く。付くけれど、面白いんだよな。


退屈なシーンがほぼ無いし、突発的なホラー演出でドキドキさせられるし、何よりホラー描写が過剰すぎて1週回って面白い。面白さが堅実に面白いんだよなぁ。薄っぺらく無い。何て言うんだろう、こういうの。

第9地区

2010-08-15 | 休み
『第9地区』(オフィシャルサイト)
第9地区

映画を見る前はエイリアンをスラムに閉じ込めるというアイデアは南アフリカのアパルトヘイト政策がニール・ブロムカンプ監督の今作のインスピレーションになったのだと思い込んでいたけど、オーディオコメンタリーを聞くとそれも無くはないんだろうが、直接的には現在南アフリカで問題になっている移民へのホスト側の蔑視的な感情によるのだとか。そこが意外というか新鮮だった。

でも単純な差別と被差別の関係ではなく、完全なる加害者としての悪と完全なる被害者としての善ではなくて、人間はエイリアンの突然の襲来と滞在に迷惑を感じて、帰ることが出来なくなったエイリアンは必ずしもマナーが良いとは言えない描写がいくつもある。エイリアンは確かに抑圧されてはいるが、人間を殺したりもしている。でも究極的にはやはり人間はホストであり、エイリアンはゲストであり、力関係は明らか。

主人公に起こったことを第三者の視点として、冒頭とラストでドキュメンタリー風に描くんだけど、ドキュメンタリー風がとても上手くてそれなりにドキュメンタリーに見える。細部のこだわりはドキュメンタリー部分に限らず、日常の背景と言うか部屋の美術がとても細部にまで描かれていて好感が持てる。特にエイリアンの居住区であるスラムや彼らの家の内装、スラムのエイリアンの服までが現実ではありえないものだけれど、非常にリアリティを持って描かれてる。

エイリアンがやってきた経緯、エイリアンが居住区に追い込まれスラムになった。そこにナイジェリア人移民のギャングが住み着いて、エイリアン相手に裏ビジネスを行っていて、そのボスは黒魔術的な力への執着から人間には扱えないエイリアンの武器などエイリアンに関するものを集め、時にはエイリアンも食べてしまうという描写がそれなりに違和感無く並べられラストに収斂していく。中盤のアクションからラストまで怒涛のアクション展開。批評性はあるけど、前面には決して出しゃばらずエンターテイメントとして素直に楽しい。


そしてラスト。ラストカットがとても哀愁があって。下手なハッピーエンドではないし、現実はあまり変わってないので、むしろ主人公にとって見れば悪くなっている以外の何ものでもないけど、終盤のエイリアンの台詞で単純なバッドエンドを回避して、ハッピーエンドの可能性をわずかながら留保したラストになってる。だからこそ哀愁だけに終わらない、単なるバッドエンドとして取らずに済むようになっているのも良いなぁ。

月に囚われた男

2010-08-12 | 休み


『月に囚われた男』(オフィシャルサイト)
月に囚われた男

3年間の契約で一人月面基地で働くサム・ベルが作業中の事故によって重傷を負い、気が付くと基地に居て治療を受けていた。回復したサムが今一度掘削現場に行ってみると、そこには事故を起こした掘削機が残されており、中には負傷者が生存していた。しかもその生存者が自分と瓜二つの男だったと言うSFオカルトと言うか、SFミステリー。

実際は二人ともオリジナルのサムのクローンで、3年が経過したり、その間に事故死などをすると交換される存在だったというSF描写。このクローンの交換と言う描写が映画内の描写でとても効果的に演出されていて、観ている側も劇中のサムと同様にサムが作業中の事故によって意識を失い、AIによって助けられたために基地に戻ったのだと極自然に納得させられる。物語の主人公も最初のサムも途中から新しいサムに切り替わる。

新しく要員を雇う変わりにベテランの作業員であるサムを利用し続け、サムのクローンを使い続けた会社が悪っていうのは面白い。それも陳腐なSFに観られる荒唐無稽な悪徳企業ではなく、新自由主義的企業倫理にも通じるような、企業利益優先の人権軽視という比喩に単純に置き換えられるほどの現代社会への批評性が垣間見られる悪意なんだよなぁ。現代社会への批評性という点は伝統的なSFとして、単純に物語が格好良い。

サムをサポートする基地内のAI、ガーティはてっきり『2001年 宇宙の旅』のHAL9000のような人類に対し、ほの暗い悪意のようなものを持ったAIかと思っていたけど、あのピースマークのGUIを持ったケヴィン・スペイシーボイスのAIが終始主人?であるサムに献身的であったのは意外で、面白かった。この物語においては悪意はAIといった文明ではなくて、企業だけなんだよなぁ。


良く出来た佳作SFなんだけど、ただ、ただ1つにして最大の問題がある。それは音。冒頭から月面ではヘリウム3という鉱物資源を発掘するための掘削機(タイヤを持った可動式)が登場するのだけれど、その掘削機は車内ならまだしも月面から掘削機を写したカットにおいても駆動音がし、掘削時に放出された砂利も舞い上げられる際、地表に落ちる際に、音がしてしまってる。こういう点を見てしまうと、ダンカン・ジョーンズ監督ってSF映画は撮ったもののSF者じゃないんだろうなと思ってしまう。

ダーティーハリー

2010-08-09 | 休み
ブルーレイの良い所はマイナー作品もブルーレイでは新譜として店頭やレンタル店に今一度並ぶことと、DVD以上の優位性を示すため?にDVD版では収録されていないテレビ放送時の日本語音声(現在とは異なり、特に80年代までは映画のビデオパッケージは一般的ではなかった)が収録されているところ。


ダーティハリー


もちろん『ダーティハリー』のブルーレイ版には現在流通しているDVD版には収録されていない日本語音声が収録されている。つまりは山田康雄がいる。今だとクリント・イーストウッドの吹き替えと言えば納屋吾郎や野沢那智とかだろうけど、ぼくらぐらいの年齢まではクリント・イーストウッドと言えば、山田康雄だった。

最近の映画はなるべく字幕で見るけれど、昔の映画はなるべく日本語吹き替えで観たい。それもテレビでの映画放送当時の吹き替えで観たい。最近でこそ当時のテレビ放送時の吹き替えを収録したことを売りにするDVDが発売されたりしているが、最近までは字幕のみや放映当時の吹き替えではなく近年に新たに収録した吹き替えを収録しているものがほとんど。


そして『ダーティハリー』。別の小さな事件で”汚れ役”であるハリーの人となりを描写し、本筋であるゾディアック事件のゾディアックをモデルとしたスコルピオというシリアルキラーの話に。銃撃戦、逃走劇など前半から中盤にかけて山場がありハリーがついにスコルピオを追い詰める。だが権利の説明無しの逮捕や令状無しの家宅捜索でスコルピオは釈放。スコルピオが今一度事件を起こし最後の山場に。

何だろうか、これは。作品全体の構成にしても、スコルピオの犯行手段にしてももはや教科書レベルの完璧さ。山場を随所に配置したり、序盤事件とと終盤の事件でのハリーの台詞をシンメトリーにするなど今見ても流麗で格好良い。スコルピオの行動(刑事を公衆電話に引っ張りまわす、猟奇的な異常者像、自身を被害者とすることでのマスコミの利用)は再三後の作品で引用されまくったために、今見ると若干弱い気はするけれど。

そんな映画の中に山田康雄の声をしたクリント・イーストウッドがいるわけで。ただでさえ格好良いハリーがますます渋く、格好良くなるんだよ。色味以外には画質的にはブルーレイの恩恵を過去作はあまり得られないけれど、テレビ放送当時の音源が収録されているというこの一点のみで十二分にその存在一があるんじゃないだろうか。


山田康雄が60代で亡くなり、イーストウッドが今も存命であることの齟齬と言うと誤解があるけど、この二人が共に生きていないのって言うのは日本のファンにとっては非常な損失。『グラントリノ』は確かに傑作であったけど、イーストウッドの吹き替えに山田康雄がいないことの寂しさ。コワルスキー爺の口から山田康雄の声が聞こえてきたら。

熱海の捜査官 第2話

2010-08-07 | 休み
最近、日本の地上波ドラマでは海外ドラマから設定や演出、時にはあらすじなんかをさらっと臆面も無くパクったドラマが横行しているけど、「熱海の捜査官」はそんなしょっぱい次元じゃないな。


「熱海の捜査官」(テレビ朝日)
熱海の捜査官


「熱海の捜査官」はもはや「ツインピークス」のパクリとか二番煎じなどではなく「ツインピークス」そのものです。

○モロ
・星崎剣三(広域捜査官)=デイル・バーソロミュー・クーパー(FBI捜査官)
・坂善正道(鑑識課)=アルバート・ローゼンフィールド(FBI鑑識)
・星崎の電話の相手、モトコ=テープレコーダーの相手、クーパーの秘書、ダイアン
・YES/NOランプ=チベット式捜査

・甘利雅彦(南熱海市長)=ベンジャミン・ホーン(ツインピークスの有力者)
・甘利レミー(市長の娘)=オードリー・ホーン(ベンジャミンの娘)
※共に捜査官に好意を抱くという設定

・レブス陶芸クラブ(売春クラブ?)=片目のジャック(売春宿)
・洲崎道代(陶芸クラブ経営者)=ブラッキー・オライリー(片目のジャック経営者)


○ウッスラ
・東雲麻衣、椹木みこ、月代美波、萌黄泉(行方不明になった女子生徒)≒ローラ・パーマー(被害者)
※椹木みこは陶芸クラブに、ローラ・パーマーは片目のジャックに在籍していた

・四十万新也(ヌードモデルになった男子生徒)≒ジェームズ・ハーリー(ローラの恋人)

・伊藤奈々子(レストラン「ボリューム」ウエイトレス)≒ノーマ・ジェニングス(「ダブルRダイナー」のウエイトレス)

・朱印頭(朱印組組長)≒ジェリー・ホーン(ベンジャミンの弟で仕事仲間)

・拾坂修武(南熱海署署長)≒ハリー・S・トルーマン(保安官)

・蛇川方庵(南熱海天然劇場の座長)≒小人(ヴェルベットルーム)もしくは巨人?



星崎の上司役で三木聡が出てきたり、女装の捜査官が出てきたりするんだろうか?いやぁ、ここまでやってくれると最高です!BGMもウッドベースを強調したようなジャズだったりするし。次は「プリズナーNo.6」(オリジナル版)をやってくれないかなぁ。

すごく展開が楽しみ!楽しみなのに来週から「熱闘甲子園」が始まるので、繰り下げになり、「モテキ」と被ってしまうために録画が不可能に…シングルチューナーが憎い!貧乏が憎い!早く買ってしまったぼくが憎い!今なら8万出せばダブルチューナー当たり前なのが羨ましい!



来週の金曜日は兵庫で雨が降らないかな…