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『THEE MOVIE』(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT SEASON LIMITED WEB SITE)
後悔の多い人生だけれど、その一つにミッシェルのライブに永遠に行けなくなっちゃったことがある。FM山陰での抽選で当てた「WILD WILD SABRINA HEAVEN TOUR」米子公演のチケットを妹達に譲ってしまったことを今更ながら少しだけ後悔している。だからこそライブDVDはとっても嬉しい存在で、もちろん『BURNING MOTORS GO TO HEAVE』も買ったわけです。島根の大学生であったぼくにはチケットはもとより幕張メッセは遠かった。そしてこの映画を観たことも数多い後悔のその一つです。
近々の音楽ドキュメンタリーの佳作に『THIS IS IT』があります。マイケル・ジャクソンとミッシェル・ガン・エレファントを比べるのはもちろん無茶です。あっちはキング・オブ・ポップと評されるようなポップスの権化、エンターテイメントです。一方でミッシェルは純粋なロックンロール、ガレージロック一本のロックバンドです。大抵はライブハウスなどの小さな箱で音楽一本でやるだけです。大きな箱でやってもオーロラビジョンがある程度。比べること自体が間違っています。
けれども音楽ドキュメンタリー映画となった以上は比較の遡上にあげられるべきです。そして比較すると、この映画の駄目さ加減があらわになります。最低です。少なくとも映画館で上映するレベルの作品じゃないし、BDもDVDも買うべきじゃない。レンタルで済ますべき作品です。極上のライブパフォーマンスに90年代みたいなダサいカットやミッシェルの楽曲をBGMにあしらわれた大昔のインタビュー映像、意味不明なライブ映像などが挿入され台無しにされてます。
終始何がしたい映画なのか疑問に思わされます。ベースは「LAST HEAVEN」最終公演の幕張メッセの映像を使っています。それならばミッシェルの最後のライブに迫った映画なのかと思うと、突然デビュー直前のライブのMCが挟まれミシェルの時代を追うものかと感じさせます。と思おうとまた違うお台場でのライブ映像が挿入され、何故か観客が倒れるシーンが強調されます。そして今度はまた違う仙台での過去のライブが挿入されますが、ここでも照明が落下するトラブル映像。
監督は「ミッシェルのライブは凄すぎて、観客は倒れ、ライブハウスの照明は落ちてしまう!くらい凄いのだ!」と言いたいのかも知れない。多分そうなのだと思う。けれど可笑しいだろ、これ。メンバーの観客への声掛けはともかく、ライブ運営のスタッフ映像はどうにも微妙だろ。そして仙台会場は照明が落下してしまったことで結果中止になる。写真の合成には酷すぎて爆笑。
へっ?って感じだ。結局何を監督はこの映画で言いたかったんだろ。もしかすると言いたいことなど無いのかもしれない。古い映像をつなぎ合せてどうにか新作映画をでっちあげ、ファンの財布からお金を抜き取りたかっただけなのかもしれない。現にこんなクズ映画でもアマゾンのレビューは絶賛の嵐だ。良かったね♪ミッシェルのファンが盲目的な信者ばかりで。
最初と途中と最後に入る村上淳の「今、俺は」、「あの頃、俺は」、「まだ、俺は」というそれぞれのナレーションには寒気すら感じます。ダサすぎて身の毛がよだつ。「Girl Friend」かのエンドロールは良いなぁと一瞬思うもののラストシーンの合成に驚愕。どうかしてるし、はっきりいって気持ちが悪い。こんな映画をささげられても困るだろ、アベも。
ただのライブDVDなら当日の熱気も普通に収録してある前述の『BURNING MOTORS GO TO HEAVE』が既にあるわけです。当日の燃え尽きる様子を淡々と、しかし克明にライブだけを写しているこちらの方が観るべきものが多いし、アベフトシが無くなった今、こちらの方が『THEE MOVIE』よりも観る人の中のそれぞれの文脈で最後のミッシェルのライブを物語として補完し楽しむことが出来るんじゃないだろうか。くだらなくてダサい映像を挿入された『THEE MOVIE』を観るよりも。
ライブ映像としてみれば最高ですが、映画としてみれば最低です。ミッシェルの足跡を辿るわけでもなく、その後のメンバーを追ったわけでも、ラストライブである「LAST HEAVEN」最後の瞬間を捉えていたわけでもない映画。「LAST HEAVEN」の映像をベースに過去の映像を可能な限り格好悪く切り張りして出来た映画です。
端的に言ってクズ映画です。アベの死も何もあったもんじゃない。ミッシェルの晩節(既に解散してるけど)を汚す最低の映画です。本当に腹立たしい。これを喜んで観ている人はどうかしてる。
こんなクズ映画を観るくらいなら『BURNING MOTORS GO TO HEAVE』を観るか、The Birthdayのライブを観に行くべき。
<関連>
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「ミッシェルはまだ終わっていない!!『ミッシェル・ガン・エレファント "THEE MOVIE" 』初日舞台挨拶」(映画ニュース)
元ミッシェル・ガン・エレファントのメンバー3人(チバユウスケ・ウエノコウジ・クハラカズキ)と、この映画のお話はされましたか?
■番場監督:「実は、あの3人はこの映画をまだ観ていません。そして、3人は何も関わっていません。でも僕は、この映画を作ることを、真っ先に3人に伝えました。で、「全て任せる」と」
(上記リンクより一部引用)
やっぱりねぇというか、この一連の映画、ライブDVD集、ムービーコンサートツアー等のプロジェクトに一切メンバーの顔が見えないところに違和感と不安感しかなかったのがズバリだったのか。
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MICHELLE WAS DEAD(過去ログ)