-『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト)
第1話から通底していたこのドラマの敵の1つ、"家父長制"。第12話にして遂に台詞に出てきました、長男以外の人権を踏みつける、時には長男も踏みつける"家父長制"。そして同時に"家父長制"ギャグと言うこのドラマに限らず、初めて目にするギャグまでも。
今回の依頼人は外資系生命保険会社と合併を予定している韓国の保険会社。社内結婚をしている夫婦はどちらかが辞めなくてはいけないと言うリストラ施策を実施し、面談では社内結婚をしている女性社員に対して、性差別的な言動で退職を迫り、退職を拒否した社員から訴えられています。
第1話から通底していたこのドラマの敵の1つ、"家父長制"。第12話にして遂に台詞に出てきました、長男以外の人権を踏みつける、時には長男も踏みつける"家父長制"。そして同時に"家父長制"ギャグと言うこのドラマに限らず、初めて目にするギャグまでも。
今回の依頼人は外資系生命保険会社と合併を予定している韓国の保険会社。社内結婚をしている夫婦はどちらかが辞めなくてはいけないと言うリストラ施策を実施し、面談では社内結婚をしている女性社員に対して、性差別的な言動で退職を迫り、退職を拒否した社員から訴えられています。
どう見ても依頼人企業側が性差別的な対応をしたのが明白な為、ヨンウは乗り気ではありません。ミョンソクに依頼人企業が勝てば、性差別的な解雇が合法的になってしまう、社会を良くしないと訴えますが、嗜められてしまいます。
このドラマの面白い所は、大手弁護士事務所と言う設定の為か、依頼人は必ずしも弱者ではなく、大手企業など強者、"家父長制"の支配者側が多いです。弱者であっても"家父長制"的側面を持っていたりします。だからこそのヨンウの葛藤が産まれてドラマになるんですが。
依頼人を訴えた原告の弁護士はその筋では人権派弁護士として知られているリュ・ジェスク弁護士。このリュと言う苗字の設定が秀逸。
このドラマの面白い所は、大手弁護士事務所と言う設定の為か、依頼人は必ずしも弱者ではなく、大手企業など強者、"家父長制"の支配者側が多いです。弱者であっても"家父長制"的側面を持っていたりします。だからこそのヨンウの葛藤が産まれてドラマになるんですが。
依頼人を訴えた原告の弁護士はその筋では人権派弁護士として知られているリュ・ジェスク弁護士。このリュと言う苗字の設定が秀逸。
第6話「私がクジラだったら…」で登場した対面した相手に"本貫"(日本の本籍と苗字が合わさった様な概念?)を描きまくり、相手をステレオタイプに当てはめる"ザ・家父長制"、リュ・ミョンハ判事の再登板が味噌。いつものごとく、弁論準備手続きの為に原告、被告側双方の弁護士の顔合わせの際に、早速"本貫"を訪ねますが、原告側の弁護士、リュ・ジェスク弁護士はリュ・ミョンハ判事と同じ"豊山リュ氏"と言う"本貫"。気をよくしたリュ判事は更にリュ弁護士の父親の話をしようとしますが、リュ弁護士はリュ判事を性差別的だとやり込め、更には"本貫"上ではリュ弁護士の方が叔母に当たると述べてまさかの"家父長制"ギャグを展開していきます。こんなの見たこと無いです。"家父長制"がこんなに面白くなるなんて…!
裁判は原告に有利な形で展開し、その流れで原告にヨンウが同情的である事を知っているクォンが、ヨンウを陥れる為にハンバダが依頼人の生命保険会社に対してリストラの方法を教授した際の内部文書を原告側のリュ弁護士に送りつける描写からのツイスト(脚本上の”ひねり”)。これこそツイストだろ!って思います。『相棒』がツイストの為に悪人ぽい人を犯人にしないで、社会的弱者や人権派や支援団体の人を犯人にしがちなのとは訳が違います。人権派弁護士を真摯に茶化さず描く真っ当さに驚きました。そして原告側の勝訴と思いきや、まさかの敗訴の展開は『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』的だなと思いました。簡単にカタルシスは与えてくれません。
しかも今回も負けたはずの原告側は晴れやかで、勝ったはずのハンバダの弁護士陣や依頼人はどんよりしています。リストラを行い、被告側として裁判に来ていた人事部長はなんとクビになります。勝ったのは被告企業だけで働く人は部長職でも切り捨てられます。また、同時並行で展開されるミョンソクが過去に弁護した元被告が逆恨みして、ミョンソクも共に弁護したパク・ハスク弁護士を襲撃した後に逃走した件からのサスペンス描写は必見。サスペンスの常道をなぞりつつ、肩透かしを食らわせてからのミョンソクの吐血。普通のサスペンス映画だと、殺される!と思ったら違ったと言う描写の後に同じように殺される!と言う描写があり、本当に殺されたり、襲われたりする演出が多いです。が、本作では、そこから更に捻り、殺されなかったけど、吐血をすると言う、助かったけど、助からなかったみたいな絶望的な展開が待ち受けているとは…
第12話冒頭でミョンソクが徹夜していた描写があり、しかも朝食はファーストフード店のハンバーガーとポテトだけと言う描写まであります。その後も夜遅くまで働く様子が描かれていました。ミョンソクは激務で食事も栄養のあるものを食べていない事がサラッとわざとらしくなく演出されています。これは第12話に限らず、徹夜だったり、まともに食事を摂っていないと言う描写がこれまでも挟まれていました。もっと言うと、第1話の段階でヨンウとの会話中に咳をしている描写もありました。これは伏線というよりも細かな演出と言うべきものです。私の深読みでは無いと思います。
そしてそして、裁判後にリュ弁護士から打ち上げに誘われたヨンウとスヨンはリュ弁護士の元に。打ち上げの場でリュ弁護士が詠む詩は、第5話「ドタバタVS腹黒策士」の被告側の社長がヨンウに投げかけた、「勝つだけの有能な弁護士になりたいですか。真実を求める立派な弁護士になりたいですか」と言う問いかけへの答えの様な詩でした。しかも前段でリュ弁護士はヨンウを自身の弁護士事務所にスカウトしていたし、なんとも今後の展開を感じさせる詩です。
そしてそしてそして、次回予告では出張名目で韓国の観光地、済州島へハンバダのミョンソクチームが向かうと言うシーンが!しかも何故かグラミやヒゲ店長まで!何があるのかもはや分からないです。ミョンソクの吐血は大した事は無くて、ミョンソクの休養の為のバカンスであれば良いのに……!そしてスヨンとヒゲ店長がまさかの?グラミとクォンもまさかあり得るのか??でもこんな楽しそうな展開が用意されていると言う事は、辛い展開もその分ある可能性が高い訳で…
物語の軸と言うか、クリフハンガーもテ・スミのグァンホへのボストン行きの提案、クォンによるハンバダからヨンウ追放計画、ヨンウの転職、そしてテ・スミの息子の件などまだまだあるのですが、あと4話で型がつくのだろうか…もう最終回が来るのが悲しすぎる…
裁判は原告に有利な形で展開し、その流れで原告にヨンウが同情的である事を知っているクォンが、ヨンウを陥れる為にハンバダが依頼人の生命保険会社に対してリストラの方法を教授した際の内部文書を原告側のリュ弁護士に送りつける描写からのツイスト(脚本上の”ひねり”)。これこそツイストだろ!って思います。『相棒』がツイストの為に悪人ぽい人を犯人にしないで、社会的弱者や人権派や支援団体の人を犯人にしがちなのとは訳が違います。人権派弁護士を真摯に茶化さず描く真っ当さに驚きました。そして原告側の勝訴と思いきや、まさかの敗訴の展開は『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』的だなと思いました。簡単にカタルシスは与えてくれません。
しかも今回も負けたはずの原告側は晴れやかで、勝ったはずのハンバダの弁護士陣や依頼人はどんよりしています。リストラを行い、被告側として裁判に来ていた人事部長はなんとクビになります。勝ったのは被告企業だけで働く人は部長職でも切り捨てられます。また、同時並行で展開されるミョンソクが過去に弁護した元被告が逆恨みして、ミョンソクも共に弁護したパク・ハスク弁護士を襲撃した後に逃走した件からのサスペンス描写は必見。サスペンスの常道をなぞりつつ、肩透かしを食らわせてからのミョンソクの吐血。普通のサスペンス映画だと、殺される!と思ったら違ったと言う描写の後に同じように殺される!と言う描写があり、本当に殺されたり、襲われたりする演出が多いです。が、本作では、そこから更に捻り、殺されなかったけど、吐血をすると言う、助かったけど、助からなかったみたいな絶望的な展開が待ち受けているとは…
第12話冒頭でミョンソクが徹夜していた描写があり、しかも朝食はファーストフード店のハンバーガーとポテトだけと言う描写まであります。その後も夜遅くまで働く様子が描かれていました。ミョンソクは激務で食事も栄養のあるものを食べていない事がサラッとわざとらしくなく演出されています。これは第12話に限らず、徹夜だったり、まともに食事を摂っていないと言う描写がこれまでも挟まれていました。もっと言うと、第1話の段階でヨンウとの会話中に咳をしている描写もありました。これは伏線というよりも細かな演出と言うべきものです。私の深読みでは無いと思います。
そしてそして、裁判後にリュ弁護士から打ち上げに誘われたヨンウとスヨンはリュ弁護士の元に。打ち上げの場でリュ弁護士が詠む詩は、第5話「ドタバタVS腹黒策士」の被告側の社長がヨンウに投げかけた、「勝つだけの有能な弁護士になりたいですか。真実を求める立派な弁護士になりたいですか」と言う問いかけへの答えの様な詩でした。しかも前段でリュ弁護士はヨンウを自身の弁護士事務所にスカウトしていたし、なんとも今後の展開を感じさせる詩です。
そしてそしてそして、次回予告では出張名目で韓国の観光地、済州島へハンバダのミョンソクチームが向かうと言うシーンが!しかも何故かグラミやヒゲ店長まで!何があるのかもはや分からないです。ミョンソクの吐血は大した事は無くて、ミョンソクの休養の為のバカンスであれば良いのに……!そしてスヨンとヒゲ店長がまさかの?グラミとクォンもまさかあり得るのか??でもこんな楽しそうな展開が用意されていると言う事は、辛い展開もその分ある可能性が高い訳で…
物語の軸と言うか、クリフハンガーもテ・スミのグァンホへのボストン行きの提案、クォンによるハンバダからヨンウ追放計画、ヨンウの転職、そしてテ・スミの息子の件などまだまだあるのですが、あと4話で型がつくのだろうか…もう最終回が来るのが悲しすぎる…