NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

02009年003月003日(火)民放ラジオの日の悲しさ

2009-03-03 | 休み
TBSラジオ「ストリーム」



朝「ストリーム」のポッドキャストのページに行くと、TBSラジオの「ストリーム」が終わっちゃうというお知らせが…火曜日以外は3時まで聴かないのでその告知の部分を聞いてなかったから。ラジオ欄も見ないし。昨日の「馬鹿力」で伊集院さんが「ストリームが終わるって…」みたいなことを言っていて、てっきりそれは、何故か、「バックグラウンドミュージック」のことかと思ってたけれど…


ショック過ぎます。ニートになった昨夏から毎日聴いてたのに…「日曜日の秘密基地」が終わったときもすんごいショックでしたが(深夜の伊集院さんも面白いですが、昼間の絶対失言しない安定感も好きでした)、ただアレは伊集院さん自体の意思というか自分探しのための終了と発表されているのでまだ納得できるけれど、今回のはスポンサーとか編成の都合のような。



確かにジャパネットたかたラジオショッピング時のお2人は、荒川強啓さんの見事な食いつきと比較してしまうと義務感漂う感じが否めませんでしたが。聴取率何十何週V達成とか言ってるのに、スポンサーが取れない営業やら事業部の人たちは責任を取らないのか、つまるところ辞めないのか、と至極当然な批判を真夜中にしている人が居ましたが、我に返って鞘に収めてしまいました。

当然といえば当然の批判で出演者や番組制作の方々は聴取率という形で結果を残しているのに、スポンサーを取ってこられない方の責任はどうなるのか。番組を終了させられる方の悔しさは想像に難くないというか、リスナーとして悔しい。

でも「広告費 メディア別」とグーグルで検索して出てきた電通の資料を見てみると、日本全体の広告出稿が6兆6926億円(前年比4.7%減)に比して、ラジオは1549億円と全体で見ると2.3%しかありません。しかもこれがずーっと減少傾向で、減ることはあっても多分決して増えることは無いでしょう。不況不況と言われ、ばたばたと休刊、廃刊の山になっている雑誌よりも少ない。(雑誌は4078億円で全体の6.1%)

もう衰退のメディアであるので、実感としてもまわりにほとんどラジオを聴いている人が居ない、営業の人をそこで攻めるのは酷過ぎるのかもしれません。今年のTBSラジオの就活エントリーサイトにTBSラジオの営業の方のエッセイが載っていたのですが、「TBSラジオです、といってもすぐに断られることもしばしば」みたいなことが書いてあったのが印象的です。聴取率1位なのに。

一方でネットへの出稿は増え続けていて今年は6983億円で全体の10.4パーセントに達しています。ラジオ自体の広告出稿への減少とネットへの増加があって(実際に2005年でラジオがネットに追い抜かれています)、2000年代ぐらいからずっとネットとの融合を模索していたように思います。『オールナイトニッポン』にしても以前はストリーミング放送を試みたりしてました。

その流れの中で「ストリーム」もポッドキャストを始めたんだと思いますが、『ストリーム』の凄いところは番組ほとんど全てをポッドキャストで配信してしまったことだと思います。今年に入ってからは終にOPまでポッドキャストで配信し始めてましたし、「サウンドパティスリー」以外生で聴くメリットがほぼなくなりました。今考えれば終わるからということだったのかもしれません。

このポッドキャストにしてもやはりリスナーとしては大歓迎では在るけれども、商売としてみると素人目に見ても収益に結びついているかどうかは疑問です。特に「ストリーム」みたいなほぼ全てをアップしてしまうと、高音質で番組がいつでもどこでも聴けるばかりか、CMすら入ってません。一時「HONNIN」なんかのCMが入っていた時もありましたが些細なものだと思います。

ある種の呼び水で、本放送への誘導が目的だったのかもしれませんが、これだと聴取率減ったんじゃなかろうか。ライムスター宇多丸さんが「聴取率は良くないけど、アクセス数はダントツ」と以前仰っていたのを思い出しますが、いくらアクセス数を稼げてもそれが幾ら影響力を持とうとも、直接に収益性が無ければ多分意味が無いと思います。

「ストリーム」のポッドキャストにしても、ブックレビューの回に取り上げた本のアマゾンへのリンクを載せているだけで、それじゃ有名ブログのアフェリエイトにも劣るくらいの微々たるモノしか稼げないです。広告費増を続けるネットも、モバゲーに始まる無料ゲームサイトは1強皆弱で死屍累々という現状です。もう無料でコンテンツを享受するという考え方は改めないといけないと思います。


リスナーとして番組に協力したかといわれればしていなく、ジャパネットたかたラジオショッピングで何か買うわけでもなく、聖教新聞を購読するわけでもなく、番組本も去年出版されましたが、買ってもいなくて。ただラジオを聴いて、ポッドキャストを漁ってタダ乗りしていただけです。何か自分が良いと思うものには直接的に協力できる方法は無いんでしょうか。「ジャンク」なんかはオリジナル番組を作って有料配信したりして模索を続けていますが。



ラジオばかりが苦しいのかの言えば、未だ広告費全体の3割弱を占めるテレビを見てみても、今回で終了するTBS昼ドラ枠の新番組、『おちゃべり』などは衝撃的です。公式サイトではゲスト俳優さんなどが「舞台みたい」と評してはいますが、結局はワンセット長回しという形式です。演出・作劇の必要から選択したと言うよりも、コスト削減の究極策の必要からワンセット長回しという方法に落ち着いたように思えます。



ただ今の構造のままで番組を打ち切っても、このままの状態だと全く打ち切った意味が無いと思うのですが。どこからか大口出稿が継続的にあるか、広告収入に依存しない新しい収益構造が確立できなければ、多分無理で今までの方がおかしかったのやも知れません。



4月からちゃんと働けってことなんだと噛み締めて、この悲しい感じをやり過ごさないといけないです。小学生の時は「斉藤 一美のとんかつラジオ」とか「さだまさしのセイヤング」を、中学生になって「アニメスクランブル」とかのアニメ系ラジオに向かい、高校時代は「ナイナイのオールナイトニッポン」、「ラジオ深夜便」とラジオを散発的には在るけれど聴き続けてきた人間からすると本当に悲しい3月3日、民放ラジオの日です。