よみびとしらず。

あいどんのう。

GREEN

2021-04-11 10:50:09 | 散文
目から溢れだした光はこぼれて
ハラハラと散りゆく花びらの如くに
そんな儚いものであるかと
怒りにまかせてあげた咆哮は
手のひらに太陽を受けとめて傷を負う
そのなかに流れる血潮から
海の息吹を求めて旅に出た
わたしの身体は動かないまま
ただ夜だけを欲して感情を喰らい尽くした
不動の木立は光に晒され息を吐く
まるで異なるあなたとわたしは
同じ身体に住みついて
背中合わせのくらいクライ思いは
裏腹を厭(いと)うて朝日は昇る
こんがらがった日常を
規則正しく時間は運んだ
歪みに歪んだ時のなれ果て
未熟者たちの新芽は芽吹きたる
その熱量はぐいぐいとわたしに迫りて押し出そうとした
あなたははっと息を飲む
まるで厳(おごそ)かな命の糧に
新しき光を目の当たりにした
輝くはずもない内側の柔らかな新芽に触れた時
不安だらけの毎日に
わたしたちはなにも分からないまま駆け出した
いつだって本当は泣き出したかった
なんの感慨もない普段通りの目抜き通りに
立ち尽くすことも出来ぬまま 
あなたはそのなかで明らかな感情を探してる

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