よみびとしらず。

あいどんのう。

サンド

2019-05-06 12:09:07 | 散文
カメの涙に砂はうるおう
老いた砂の音からからと
もう何年生きたかも定かではない一握の砂は
私の身にとどまるためしなくさらさらと
握りしめられた砂の痛みすら気にもとめずに
砂の流れはこの世にとどまるためしなし
決して終(つい)えぬこの身でありながら
カメの瞳にうつしだされた砂は海
その瞳からあふれてこぼれた涙から
豊穣の海は宇宙をわたり
たどり着いた世界はあお色にそまる
忘れるなかれとこの身は砂色 砂は海
渇いた潤いをこの手で抱きしめる

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