言葉は溢(あふ)れて
まるで思い通りにはならず
思いは溢(こぼ)れて
できた水たまりに魚は泳ぐ
何処にもない場所には誰も辿り着けず
けれど行き先はそこに示されて魚は泳ぐ
まばたきもせず意気揚々と
息苦しさはとうに知っていた
それを受け入れてほんとうの微笑みで
苛立ちは産まれ炎をあげた
そうやって目眩(めくるめ)く感情の渦のさなかに
魚は放たれてひとりきり
きらきらと輝く水をまといて
誰の目にも触れられないまま
ただその意思だけを貫いた
魚は泳ぐ
いけ、どこまでも
自由とはまるでいえないその身を翻(ひるがえ)しながら
それでも目的地だけは知っていた
水のある場所に私たちは棲んでいる
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